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美術大学の学生さんへ

在学中に悩んでいる学生さんが多いのではないかと思い、私なりにウェイ⤴︎ベターな過ごし方のようなものを提案したいと思います。※油画出身なので同学科の方向けかと思います!

ざっと自己紹介しますと、私は新宿美術学院に通って武蔵野美術大学の油絵学科へ入学。教職免許取得後、18年に大学卒業し、今までアート系の児童施設と一般企業への勤務を経験しました。

在学中、ずっと不安で、不安になりすぎて勿体無かったと思うのが、不安定な将来への不安と、将来と言わず目の前のお金問題、それから環境への適応の問題のざっと3つでした。


■ 不安定な将来への不安、お金の問題

学業優先のモラトリアム期間なので、学生にとってお金の不安は大きいでしょう。まるで、まだ恋人すらいない女子が、不妊治療や晩婚化、孤独死の社会問題に対して、明日は我が身と悪い妄想を膨らませるようなものです。せっかく難関試験をくぐり抜けたとはいえ、私立美大の負担はバカにならないですしね。

でも大丈夫!お金は学生が思うよりずっと簡単に稼げます。

美大生には社会で重宝されるスキルがあって、実は一般の人より稼ぎやすい人材です。しかも例えデザイン科でなくても、会社に属さなくても大丈夫。イラレすら触らない私でも社会に出るとデザインスキルを重宝されるし、発想1つ、資料1つ、プレゼン1つ、大工作業1つ取ってもイケます。経験を積んで立派なデザイナー・クリエイターになっている先輩も沢山いますよね。

それでも、若いうちは良いけれど、歳をとってから、その歳相応の贅沢は出来ないんじゃないか?って不安ですよね?

それも大丈夫!!!

美大に2人も3人も子供を通わせられるようなお金持ちには、確かになれないかもしれないけど、一般的な新入社員ですら年1で海外旅行して日々美味しいご飯を食べて贅沢出来ます!ココナラという副業のサイトで月に10万円稼いだこともあるくらいなので、今の時代は本当にフリーランスでやっていける人、多いと思います。

また、美大生特有の「社会不適合者だし、事務処理すらままならないのに仕事についていけるの?」みたいな不安もあるかと。

それも大丈夫なんです!!!!!全ては経験不足ゆえの幻想。大人になると自分の力で出来なければいけないことが細分化され、苦手なことは他の人に頼めばオッケーな世界になります。社会人として組織に適応するのは今でも難しいけど、流されないのがクリエイターの良いところ。個人的には、処世術という演技力だけ身につけて、実力を発揮してほしい!

私は院進しなかったので、ちょっと院の実態は分からないのですが、会社の先輩には28歳までバンド活動をしてから初めて会社員になった人もいます。仕事の内容は難しいですが、それでも負けず嫌いの彼は30代にしておじさん顔負けの役職に就いて、子供2人と専業主婦の奥さんを養っています。それを見ていて、20代のうちは何をしても「意外とロスはない」と感じました。(企業目線になりがちで申し訳ない!)

だから院進したり、思い切って海外に行ったり、フリーターとして作家活動を続けても大丈夫🙆‍♀️     ※周囲からのちゃんとしろ圧力が辛いという思いもあると思うので、後で書きます。

勧められるようなことではないし、勝手な妄言ですが、今学生に戻ったら私は割りの良いガールズバーなどで働いてもいいと思っています。もし同年代の学生から怖がられたとしても、そういうのは大人からすると「しっかりしてるなぁ」ぐらいにしか思わないものです。わたしは、お金は人にダイレクトに自信を与えてくれるものだと思います🙆‍♀️

また、卒業時に、遠藤彰子教授が「働きながら描こう」と、いつものキラキラ笑顔で仰いました。

若い頃から幼児教室に、オリジナルの絵画講座の導入を持ちかけ成功し、子供も立派に育てあげた先生らしい(その間ずっと精力的に制作しているという…)、最高にかっこいい言葉だと思いました。

作家活動一本に集中しなければ成功できない。当然ながら同調圧力と化したそんな常識も、自分次第で変えられそうですね。(教授になれるような方でも、意外と皆下積みされてます)

※ちなみに、そんなハードな生活むり…と思うかもしれないし、私も打ちひしがれたけど、やってみるとめちゃくちゃ楽しいよ!私はまだまだだけど、仕事は、お金貰いながら遊びに行ってるような感覚だよ。


■環境への適応の問題

ここまで読んで、ポジティブな人の考え方すぎて逆に冷めた…って人がいるかもしれないけど、大学時代はふつうに病んだし、だからこそどうすれば病まないか、人より詳しいかもしれません。(あ、でも、転んだなって思う時期があっても良いし、病んでても良いと思います。病んでるほうが人より疲れやすいってタダそれだけのことです

美大ってとても特殊な環境です。

小・中学校、高校、それから会社…どこも「組織」と言う形をしているのですが、美大は違います。基本的に、皆んな他人に興味がなく、仕事内容の性質上、一人一人が競合他社というストレスフルな環境です。人数が多過ぎて、予備校の頃のような濃い〜指導も受けられません。

そう言う中にいるとどうしても「コミュニケーション」の重要度が下がるような気がします。最悪誰とも言葉を交わさなくていいし、愛想もいらないし、グループで努力をしたり友達と仲良くなっても、結局は勝ち負けなのだと打ちひしがれる時もあります。

私も変わり者なのだけど、人と関わりたいタイプなので、このなんともいえない空気感には参りました。

それでも、何となく適応しましたが、イコールそれは「社会性を失う」ということです。アーティストに社会性は不要ですが、やはり同時進行で将来への不安は膨らみました。

ここで矛盾するような事を言うのですが、アーティストには社会性が必要ないと言う現実とは裏腹に、美大には社内営業ならぬ学内営業が存在します。(私のところはそういう傾向があったのですが、他大学のことは分かりません)

どう言うことかと言うと、完成後の作品だけが評価されるのではなく、制作の過程や伝え方の上手さ、コミュニケーション能力、先生との接触回数や熱意などが評価に含まれるということです。個人的に、デザインならプロジェクトとしての性質上分かるけど芸術作品に対してもそうなのです。

美大受験の際の評価は、作品一本と、座学の成績だけで済みますが、おそらく「大学としての組織方針」として、大学は、世間に出しても恥ずかしくない生徒を選びます。お金を払うのは親だし、まともな親なら、子供の学校先は爽やかで優秀な人が多いことを望むでしょう。また、人数が多過ぎることもあってか、作品プラス、どうしても制作過程が見えやすい人や信頼関係の度合いによって差別化が図られてしまう印象があります。(一学生に詳しい内情は分かりませんが。。)

早くこのことに気が付きたかった思いはありますが、なんにしろ制作のモチベーションは下がりましたし、それに反抗する生徒もいました。

一体どうすれば良かったでしょうか?

思い切って日本より実力重視そうな海外に行ってみるか?間違いなく良い経験は出来そうですが、莫大な出費によってお金の問題からは解放されないでしょう。最近売れっ子の松山智一さんなど明らかに商売上手で、作家=社会性が無い方が良い って法則がそもそも幻想だとすら言えそうです。やはり豪に入れば郷に従え…器用に立ち回った方が良いのか?

多分何を選んでもそれぞれの苦痛があると思います。こればかりは実践なしには選びきれないし、やり続けて自分が納得できるか。

選ぼうとする段階や、実践している最中、きっと今までは大丈夫だったことが沢山無理になると思います。赤の他人はおろか仲の良い人たちから悪気なく心無い言葉を投げつけられます。人が変わろうとする時の圧力は凄まじいもので、元々精神疾患を患っている人なら悪化する可能性も十分にあるでしょう。

でもそれは、選んでいるという証拠です。生き方だけでなく人間関係も選ぶときなのです。選び続けることで、どうか自分の人生と尊厳のために、心地いい環境を整えてくださいね!


何だかコロナ渦を全く反映できてない内容になってしまいましたが。。わたしが伝えたいことはざっとこんな感じです。もし良ければ気軽にコメント下さい!

人の話聞くの大好きなので、もっと違う悩みがあって…とか聞いてみたいです。(そもそもこの記事がそんなに人から読まれるのだろうか)


ではー。




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