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【短文朗読】キミは知らない

☆所要時間:1〜2分
☆人数 :1人用



ボクの言葉で  流れる涙も
ボクの名を呼ぶ  キミの声も
その  こぼれる吐息すらも

全て
飲み込んで

ボクにしか見えない籠(かご)に
閉じ込めてしまいたくなる

この衝動を
どれほど抑えていることか

キミは知らない



遠い遠い誰も知らない土地に
キミを攫(さら)っていって

ボクだけに笑いかけてと
懇願(こんがん)するような

ボクの弱さを
キミは知らない


泣き笑いするキミも
渋い顔するキミも
ふくれっ面なキミも
切ない声のキミも


乱れた髪も
求める腕も
繋いだ手も

ぜんぶ
ボクの前でだけ

ぜんぶ
ボクにだけ

そう 言葉にはできないまま
想いの分だけ
抱き締めた


最後には
キミが笑ってくれることが
ボクの
何よりの願いだから


おどけるボクの仮面の下を
キミは知らない

End


〜マコのひとりごと〜

⬇こちらの台本と対になるように書いたものです。
「汚れた熱情」
https://note.com/makodaihon/n/n0e48d3252650


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