バリューチェーンのホントの使いかた。

マーケティングフレームの中で自社および競合の事業分析の際に用いる「バリューチェーン」。
この前、MBAスクールで学んだことを改めてまとめようと思います。

バリューチェーンとは

言語化されたものを流用すると、こんな感じです。

バリュー・チェーンとは、自社や競合他社の事業を機能別に分類し、どの工程においてどのくらいの量の付加価値が生まれているのかを分析することによって、早急に解決しなければならない課題の洗い出しや競争優位性を高める差別化戦略の構築を容易にしてくれる優れたフレームワークです。
流用:https://bizhint.jp/keyword/126003

製造のフェーズを持っていない会社で働いているため、これまで自社においてはあまり意識して使わなかったため、「そんなフレームワークあるよね」くらいでしか意識していませんでした。

何を目的にしてバリューチェーンを使うのか

この前、5forcesの使いかたを振り返った時も同様で、手放しにフレームワークを使うのではなく、「何を分析するのかを考える=イシューを定める」こと。その目的を達成させるためにバリューチェーンが有効である、だからこそ活用する、という流れですね。

優先順位

①先に“分析の枠組み”を考える(問いを立てる)
・〇〇業界の特性はなにか
・〇〇業界の顧客の特性はなにか
・〇〇社が成長している要因はなにか

②有効なフレームワークを考える
・PEST
・コスト構造分析
・5F分析
・バリューチェーン
※必ずしもフレームワークがあるとは限らない

③各分析を総合して、KSF(KeySuccessFactor)を特定する

バリューチェーンを使う際のポイント

流用:https://bizhint.jp/keyword/126003

バリューチェーンを活用する際のポイントは、以下の通りと考えています。

①各項目ごとに「施策」にあわせた「目的」を洗い出す

上記の図の例だと「購買物流」であればここのフェーズで分析している業界・もしくは企業が実施している施策を挙げ、さらにその施策が「どんな目的」で行われているか?までを洗い出すことがポイントとなります。
ただ実施していることだけを羅列したとしても、それは作業となるため、結果的に有効な分析とはならないはずです。

②バリューチェーン全体にかかる「横のつながり」を探す

上記の図をベースに考えると「購買物流~サービス」まで一貫して競争力があり、キーになる施策・サービスはあるのか?を探すことがとても大事になります。一貫したもの=価値であり、その業界・顧客の独自性となるはずです。それが「デザイン」なのか「製造技術」なのか「物流システム」なのか、業界・企業により異なりますが、KSFに通ずるポイントになると思います。

③外部環境の変化により、優位性は変わる

①②を押さえながらKSFを導き出すことが必要になりますが、KSFとは「外部環境」により、大きく変わってくると言えます。タイムリーなニュースでは食べログの会員数がここ数年で減少を続けている、というニュース。

これはこれまでの飲食店のペイドメディアのKSFは、

・お店選びを失敗したくないため、あらかじめそのお店に行ったことのある人の口コミ・点数が可視化される

・店舗側だけの発信だけではなく、リアルな一般ユーザーの投稿が見れる(信憑性がある)

・今すぐ行ける先が探せる(スマホ・アプリで現在地から探せる)

を満たすもと、だったかもしれない。(勝手に作りました)

しかし、ユーザーは食べログにわずらわしさを感じています。
それはなぜでしょうか?

・ユーザーのゴール(CV)がマップ検索なら、飲食プラットフォームではなく、Googleマップで店舗検索できるようになると(あたりまえだけど)求心力を持つことになる。

・口コミを見ようにも店舗サービスの水準があがっているから、だいたい美味しい。だから口コミの影響力がなくなっている。

・志向の多様化に検索が対応できなくなってきている。(味だけではなく、店内の雰囲気やメニューなどなど)

となると、業界のKSFが変わってきていると言えるのではないでしょうか。

KSFを特定するためのツールにすぎない

バリューチェーンも5forcesと同じことになりますが、やはり結論を導き出すためのツールでしかないんだと思います。
なのでどちらを使ってもいいし、フレームワークを使わないで特定することもできるかもしれない。ただ、フレームを使った方が頭が整理されるますし、相手がいるんだとしたら説得できる材料にもなるかもしれません。
なので結論としては使った方がいいと思います笑

以上、バリューチェーンを学んだレポートを書いてみました。
授業を受けるたびに自分の思考の浅さを痛感しますが、新たな学びに出会える楽しみの方が勝っているので、まだがんばれそうです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?