中国人の方が運営されている中華屋に行ったときにリスニング力を発揮した時の話
私の本業は外資系IT企業勤務です。
ライターという肩書や本の出版という話題でどうしても本業の影が薄くなりがちですが、本業があるからこそ私は言いたいことを言えるという側面があります。故にこの本業というものを非常に大事にしている訳です。
余談ですが、FX投資を副業でしている中で利益を出されている方が、専業に移るとまるで上手くいかなくなるということもかなりあるそうです。それくらい本業なのか、副業なのか、というのはパフォーマンスに影響を及ぼすのだとか。
さておき。
私が今所属する部署では数年前に中国人の方が2名いまして、どちらの方も私と同じ業務に携わっていますが驚くほど日本語が上手く、しかも仕事も出来るんですよね。
当然彼らは英語も出来ます。
恐ろしいことにこういうレベルの方が何人も居るんですよね。
普段仕事をしていると忘れがちなんですけど、どえらいスペックの高い方によって支えられている業務でもあるんです。
ただ、奇しくも今横道に逸れたように、普段仕事をしているとそんな彼らの普通の素顔を見ることが出来ましてね。
例えば。
彼らは出社していると席が隣同士なんですけど、二人で喋る時は基本的に中国語なんですね。
この時ばかりは中国人に戻るんです。
当然私たちは彼らが何を喋っているかなんて全く分かりません。私の中国語なんてイーアルカンフーで止まっていますからね。
これが英語だったら当然ある程度分かりますし、スペイン語位でも断片的に理解できる部分は出ていると思います。第二外国語でしたからね。
ただ、これが中国語になるとまるでわかりません。
中国語ってあ!あれ分かるみたいな手がかりがまるで無いんですよ。たまに中国語のメールがグループアドレスに来ることがあって、感じの羅列だからある程度察しは付くんですけど、これがリスニングだとどうにもなりません。
日本語の中に中国語の音っていうのは殆どと言っていいくらい無いですからね。
でね。
たまに聞こえてくる言葉っていうのが、日本語の空耳しかないんです。
確かイタリア語で「カツオ」という言葉は言ってはならないワードだったりとか、オードリーの春日さんが台湾で「トゥース!」と言わないでほしいみたいなことを言われたりとか、日本語でもそういうのがあるんですけど、
時折出てくるんですよね。
そういう断片的な言葉が。
でも不思議なことに、本人たちはそういう言葉を口にしているという認識が無いみたいで、ちょっと変わった日本語に近い音を発していた時に後で聞いてみると
え?
ニシオさん、そんなこと言ってないよぉ~
で終わるんですね。
こういう類のフレーズが幾つかあるので、コロナ前はちょいちょいこの中国人の方に聞いていたんです。
不思議なもので、普段から会話を聞いているとよく出てくる単語を拾えるようになってきましてね。
凄くよく出てくる言葉は流石に覚えました。
「メイヨォ~」
っておっしゃるんですね。
これに関してはあ、なるほどと思ったみたいで、どうやら意味としては「無い」ということを意味するんだそうです。
そうか。
会話の流れの中で「~が無い」みたいなことっていうのがよく出てくるっていうのは理解できるじゃないですか。
ですから、彼らの会話で「メイヨォー」って言葉を拾うとああ、何かが無いんだなっていうのが分かってくるわけですよ。
まぁ結局「メイヨォー」くらいしか分かんないんですけどね。
さて。
そんな異文化交流が日常茶飯事の中で、当時通っていた新宿オフィスの近くには中華屋さんがありまして。
そこは上海から日本に来ている中国人社員の方も認める店ということもあって、たまたま近場に来ていた妻と夕飯をそこで食べようという話になったんです。
クウシンサイの青菜炒めを絶賛したりとか、近場のもう1件の中華屋は酷評だったりとか、どうもその店の評価がかなりガチだったんですね。
さぁ何を食べようかなと、確か私は山椒の効いた現地っぽい麻婆豆腐のセットを、妻はエビマヨかなんか頼んだんですよ。
そしたらね、夜なんですけどデザートもセットで付けられるっていう話で。
妻は少食だから正直デザートまでは要らなかったんですけど、杏仁豆腐というよりはごまだんごの方がいいかなということでじゃあごまだんご二つ貰えますか?と聞いたらですよ。
少し店員さんの顔色が曇りまして。
厨房に向かって行ったんです。
そしたらね、割とでかい声が聞こえてきまして。
ゴマダンゴ、メイヨォ~
…
当然、中国語のリスニングに長けている私は、店員さんの顔色が曇ったこととこの言葉を聞き取ったことで全てを理解しました。
ただ。
そこじゃないんですよ。
メイヨォ~ではないんです。
事前にそんな話題を共有していた我々は小声で突っ込みました。
ゴマダンゴはゴマダンゴって言うのかよ!
と。
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