夜に起きて、朝に眠る

 はじまり。

 まだ夜の帳が幕を下ろしている、午前4時。病院勤めの母を送るため、布団からでたくない気持ちを抑えながら、目を覚まそうと、洗面台へと向かう。冷たい水は、起き抜けの頭を覚ますのには充分で、パシャパシャと顔に触れる水が心地いい。

 午前4時30分、母を送るため駐車場へと向かう。外に出ると、辺りはまだ真っ暗で、静寂に包まれている。街灯の明かりを頼りに車へ向かい、エンジンをかける。握るハンドルの冷たさと、氷点下の寒さが身に染みる。運転をしながら、母とたわいもない会話をし、10分ほどかかって、母の勤務先に到着する。

 午前4時50分、こんな時間でも営業しているコンビニにありがたいと思いながら、温かいカフェラテと、朝食のパンを一つ手にしてレジへ向かう。レジの不愛想な店員さんにお金を支払い、カフェラテの温かさを手に感じながら、また車に乗り込もうとする。

 その時、雲の切れ間から見えた月と星が綺麗で、ほんの少し見惚れてしまう。真っ暗な世界に白く輝くそれは、どこか異質なのに自然と溶け込んでいる。頭上に白く輝く月を浮かばせながら、まだ暗い夜道を走る。家につき、玄関を開ける前に、もう一度空をみる。行きの時と変わらず、夜の帳はまだその幕を閉ざしているけれど、雲の切れ間から覗く月が可愛らしくて、思わず頬が緩んでしまう。

 早く朝になってほしいなと思う反面、まだ夜が明けないでほしいとも思いながら、私はまだ少し温もりが残っている布団の中へと戻っていく。今日もいい日になればいいなと思いながら、私は目を閉じる。

おしまい。

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