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『君たちはどう生きるか』私の感じ。

※ネタばれほとんどなしですが、ちょっぴりありです。
この夏公開されたジブリ新作『君たちはどう生きるか』
やっと観に行けました。

やっと。
行きたい気持ちと、躊躇する気持ち。。。

前情報がほとんど無い中で、私が知っていたのは
題名『君たちはどう生きるか』と、「戦争中の話らしい」という2つの情報のみ。
何となく「気軽に」見れないような。「覚悟を決めて見なくちゃ」そんなイメージが湧いてきて、「観たい」のに今は「考えたくない」。
保留にしていた映画との出会い。

宮崎駿監督の久しぶりの作品であるこの映画には、良い評価とあまり良くない評価がきれいに入り混じっています。

『君たちはどう生きるか』
場面がどんどん切り替わり、登場人物も多く、この場面はこの人は何を訴えたいのか、じっくり考えたくてもどんどん進んでいく物語。

最初のシーン
沢山の人をかき分け火事場に急ぐ。緊迫感とスピード感。
すれ違う一人ひとりになんて目もくれず。
ただただ前へ前へと一目散に駆けていく。

出来事の意味なんて考える暇もない。
ただ熱気を感じ、ただ風を感じ。身体いっぱり生き抜いている。

じっくりと『意味』を考える時間が欲しいタイプの人には、ペースが合わなかったのかもしれない。

『君たちはどう生きるか』
背景が透けて見えてくるような十分な描写のない登場人物たち。
突拍子もなく現れる彼らの様子に、戸惑いもあるけれど、観進めていくうちに、じんわり「わかって」いくし、「わからなくて」も何となく腑に落ちていく感覚。

余白がたくさんある絵本のような。詩のような。
どう感じるかは「あなた」次第だよと任せてくれているような。
そんな、なんとも優しいけれども、不親切。
不思議な感覚になる映画。

じっくりと『意味』が考えられるよう、情報が欲しいタイプの人には、スッキリしなかったのかもしれない。

私にとっては、大満足の映画でした!
『君たちはどう感じるの?』
まるでそう突きつけられている。
『どう感じても良いんだよ』
と、許してもらっている。

私が印象に残ったのは、ペリカンと「わらわら」が出てくる場面。
とても不条理で、とても切なく、とてもたくましい。
遺伝子のようならせん状に、生き残れた「わらわら」達だけが上の世界に昇っていく。
自分の命をいただけたこと、今生きていることに感謝したくなるような。
このシーンでジーンとしている自分にもOKが出せる優しい映画。

時間が止まることはない。
今こうしていても刻一刻。私たちの掌から零れ落ちていく時間。
限られた時間、限りある人生で。
あなたは『世界』を救いたい?
それとも大切な『あの人』を救いたい?

私たちの毎日の暮らしは「選択」の連続。
何を見るのか、何を見ないのか
何を考えるのか、何を見過ごすのか
何を行動するのか、何をやり過ごすのか

大切なことは『あなたの胸の中』にあるよ。。。

映画が終わって、旦那さんに「どうだった?」と尋ねる。
彼はただ一言「面白かった!」と満面の笑み。
二人で大笑い。
覚悟を決めて映画に挑んだ自分に、力が抜けてほっとした瞬間。

『君たちはどう生きるか』
どう感じるかはあなた次第。
さてさてどんな感想が湧いてくるかしら?、それは観てからのお楽しみ・・・。

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