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卒論ピンチ!「本を読めなくなった」文学部生の私の救世主

こんにちは、ママリ編集部・シンママみほです。

今回は「読書の秋」という言葉から、自分の「読書体験」について書きたいと思います。


気がつけば本が身近にあった幼少期

ダイニングテーブルの近くに大きな本棚があったわが家。
本棚には「絵本」や「伝記」「図鑑」「画集」「漫画」など、いろいろなジャンルがざっくばらんに置いてありました。

朝食や夕飯を待つちょっとした時間やおやつタイムなど、スキマ時間に手にとりやすいものが多く、本当に自然に本を読んでいたなと思います。

リビングの奥にある和室にはガラス戸つきの本棚があり、そこには主に父が昔読んでいた本が並んでいました。
難しそうな漢字のタイトルで、森鴎外や夏目漱石などの近現代文学が多かったような気がします。

また、兄の部屋には漫画がずらりとあって(主にジャンプ系)、私の部屋にも少女漫画や「青空文庫」などが並んでいました。

子どものころは意識的に「本を読もう」とは思いませんでしたが、気がつけばいつも身近に本があったように思います。

鬼気迫る勢いで本を読んでいた高校時代

中学生になってから、司馬遼太郎の小説にハマったことがきっかけで、今まではあまり読んでこなかった「小説」を読むようになりました。

高校時代に特に好きだったのは、司馬遼太郎の他、芥川龍之介や遠藤周作といった近現代の作家さんでした。

このころ、「本」に対する姿勢が今までの人生の中でも一番真面目だった時期で、あえて自分にとっては「まだ難しい」と感じる本を手に取り、一文一文を理解しようと必死に読んでいました。

「読書記録」と書かれた手帳には、読んだ作品や作家、読後の感想、理解できなかった箇所、知らなかった言葉などをメモし、あとで調べたり読み返したりしていました。

今思えば、鬼気迫る思いで本を読んでいたように思います。
思春期に抱えていた、自己や他者、生きるということに対する疑問。その答えにつながるヒントを本や先人の知恵の中から見つけたいと必死だったのかもしれません。

ピンチ!本が読めなくなった、大学3年の夏

大学は文学部に進み、文学について深く研究する機会に恵まれました。
このころは、よしもとばななや村上春樹にはまっていました。
しかし、そんな文学部生の私にピンチが訪れます…。

大学3年生くらいのころに、突然「本が読めなくなった」のでした。

本を開くと、印刷された文字が「黒い点の羅列」のように見え、頭に全く内容が入ってこないのです。「アリの行列みたいだな…」なんてのん気に構えていたわりに、余裕は全くありませんでした。

なんといっても「卒論」を控えていたからです。

そんな私がまた本を読めるきっかけとなったのが、「川端康成」でした。
なぜか川端康成の本は読めたんです。そこで、卒論は必然的に川端康成の作品について書くこととなりました。

まさに、川端康成が救世主…涙

中高時代は退屈に感じられていた川端康成の本が、このころは面白くて仕方がなく、まるで水が体に染み入るように気持ちよく読めたのが不思議です。

年齢や状況によって、同じ本を読んでも感じ方が違ってくることがありますよね。定期的に読み返すこともまた、現在の自分の心情や価値観を測る目安として面白いなと思います。

当時、本を読めなくなった理由は、おそらく心身の不調によるものだったのではないかと感じています。その時期は音楽も聴けなくなっていたので、「情報」や周囲から入ってくる「感情」など全般、受け付ける余裕がなかったのかもしれませんね。

言葉は生きるヒントだった

私は読書量は大して多くはなかったかと思います。ですが、いい本を読んできたなという手応えはありました。

それは、いわゆる「名作」や「文豪」の作品を中心に読んできた…ということだけではなく、結果的にその時その時の自分にとって必要な「言葉」をチョイスしてきたのではないかなと思います。

自分を支えてきた言葉のひとつひとつが、自分の人生を生きる上での「ヒント」となり、足元を明るく照らしてくれたように思います。

「本好き」と言ったら怒られそうなくらい、読書量は少ないのですが…。
それでも、「本」は私にとってまるで宝の地図のように大切なものであり、「友人」と言っても過言ではないかもしれません。

娘にも「本好きになってほしい」という思いで、さりげなくいろんなジャンルの本をよく目にする場所に置いているのですが…。
どうやら娘は「映画」の方が好きなようです。

月に10本近く「映画」を見ている娘…。最近は映画の撮影方法なんかに興味があるらしく、「どうやって撮影しているか」「CGなのか」などということをよく話題にします。

私も映画は好きですが…親子でもまた趣味や好みも違います。彼女にとって好きなことが、生きる力となる「体験」を得てほしいです。

皆さんの「読書体験」もぜひコメントで教えてくださいね。



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