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ピンク色の抱っこひも(2023.1.6)

「あらあ、かわいい服着てるわねえ。女の子?」
「ああ、男の子です」

友達からお下がりでいただいたピンク色の抱っこひもで、小花柄の服を着ている息子を抱っこしていると、よくこうやって声をかけられた。

最近はジェンダーに関するニュースもよく目にする。最近ランドセルは赤色を選ぶ男の子も増えているとか。
私が産休前にも、うちの会社で「おもちゃとジェンダー」というテーマでメディアから取材されることが多くなっていた。
その度に、男らしい・女らしい遊びという「ジェンダーバイアス」が、子どもの好奇心に蓋をしてしまわないように周りが気をつけていかなくては、と話していたものだ。

息子が生まれて、このジェンダーについて感じるのは、想像以上に、生まれた直後から生活の中に子どものジェンダーに関わる選択やできごとが多いということ。
男か女かを何度も聞かれるし。
男の子用・女の子用って商品も多くないか?
もう少し配慮されているのかと思っていた。

息子について分かっているのは、生まれたときの生物学的な性別だけなのだが、親である私の選択がゆくゆくはこの子のジェンダー観に影響しないかな…? とか考えて、選択のたびにドキドキしていた。

そして、ちょっと厄介だなと感じるのは、周りの人のジェンダー観が、親になりたての私にも影響しそうだなということ。
親としての選択にドキドキしていた私も、少しずつ慣れてきてしまっているから厄介だ。
ある程度流せていると思うが、とても自然に周りの人、世の中の「ジェンダーバイアス」の洗礼を受けてるなと感じる。

たとえば出産祝い。
いただいた男の子用セットには青い服や車のイラストが入っていた。
出産準備のとき、子ども服売り場を見に行ったことがあるが、左側が男の子・右側が女の子ときっちり分かれていたのはビックリしたものだ。
「くるま」や「きょうりゅう」柄は女の子は着ないのか?
おもちゃ屋さんも、男の子のおもちゃ・女の子のおもちゃ とコーナー分けされているが、それと同じことが起きている。

また、生まれて1ヶ月ごろに行うお宮参りでは、まず産着を選ぶ段階で当然のように男の子・女の子を選択する。
「大切な頭を守る兜は、邪気や災難から男の子を守ってくれる…」など、性別で羽織る着物の柄が違っていたりする。

これは時代だなと思うけれど、今年92歳の私のおばあちゃんに息子(イコールひ孫)の誕生を報告したときには、
「でかした! 跡取りとして息子を産んだのは嫁としての務めを果たせたよ!」
という褒められた手紙が数年ぶりに届いた。
戦国時代の手紙かい!と思った(笑)
とくに性別の希望などなかった私。
昔は本当に本当に、大変だったのだろうな。

妊娠中、アーティストのエリイさんの記事を読んだ。この方の本も読んだが独特な子育て観と文体が面白かった。
性別は本人が決めるもの、で周りに聞かれても「私が決めることではないから、わからない」と答えているそうだ。
子どもが生まれて、私も似たような違和感はありつつも、なかなか強い意思を持たないと突き通すのは大変だろうなと思う。

こんなジェンダーに関する出来事について、モヤっとしつついろいろ考えても、まだよくわからないのが正直なところ。
きっとそれは答えは私が持ってるのではなくて、息子が自覚したときに答えが出るからなのだろう。

生まれながらに持った彼の意識、彼が自分のジェンダーを意識する瞬間はいつ来るのだろうか。
私にできるのは、彼が自覚したときにその答えを受け入れ、サポートしてあげることなのだろう。
あとは、いろんな所に行って、いろんな価値観の人に会わせることだろうか。

息子の「好き」や「好奇心」が、周りの人や社会的なバイアスに影響を受けませんように。
自分の「好き」に正直でいられますように、私はサポートするぞ!

だからこそ、今は「私の選択がこの子のジェンダー観に…」など考えず、息子の意志表示がされるまでは私がいいなと思うものを選んだり、体験させてあげたいなと思うようになった。一旦、私の「好き」を共有するイメージだ。
いろんな体験の中で、自分の「好き」を見つけてほしいし、それをぜひ私にも教えてほしい。

今日もピンクの服を着ている我が息子よ。
5ヶ月になり、よだれが増えてきてなんでもなめたがる。
首もすわってきた。
食べているとジーっと私を見てきてそろそろ離乳食開始のサインかな。

このお正月、それぞれの実家に帰省し初めて子連れで新幹線にも乗った!
今まで何度も何度も乗った新幹線が、新しい発見の連続だった。
またその様子は書いて残したいなと思う。

今年も一年、新しい視点を通していろんなことに興味を持ち、楽しめる人でいたいなと思う。

★生後3か月の記録

★生後4か月の記録


《終わり》

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