さくら、散る

きみの事を考えていたんだ
あの日 手紙をくれた きみの事を
意外と達筆で その文面すら優しくて
ほのかに香る まだ見ぬその地の微かな気配を
ぼくはそっと吸い込んだ

きみの事を考えていたんだ
すい星のように現れて
花火のように散っていった きみの事を
名も知らぬ きみの事を
画面越しの きみの事を

ハンドルネームに託された 春への思いは一緒で 寂しく
桜の季節になると 散るまで感傷に浸ってた
きみの事を考えていたんだ
生きているかもしれないし
死んでしまったのかもしれないし
存在さえしなかったのかもしれない

あの日 生きる者も 存在していた思い出も
時間さえも あの巨大な生き物は飲み込んでいった

きみの事を考えていたんだ
音楽がはじまるように ぼくは偶然を生み出せない
躊躇する事で 立ち止まるばかり
でもきみは歌い始めた
ぼくが気付くより速く きみはぼくを欲した
超特急で追いかけてきたきみを
ぼくは全て受け止めれずに
壊れた夜汽車に乗って ちょっとずつ遠ざかった

きみの事を考えているんだ
あれからずっと
あの日が近づくと
きみの事を考えてしまうんだ

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