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第19話:世界中が敵になったとしても、僕だけは味方でいてあげるから

フランスの田舎町にある彼の実家を訪れたあと
仕事のため一足先に帰国する彼をパリで見送り、
日本に帰国する前に、スペイン、そしてロンドンを一人旅しながら
ある人のことを思い出していた。

『泣いてばかりだった私が、運命の人に愛されるようになるまで』

元彼にネズミ呼ばわりされていた、尽くしタイプ依存症ダメ女から、どうやって運命の人(フランス人)に出会い、ありのままの自分で愛されるようになったのか?実際に起きたリアルなマイストーリーを綴ってきます。

>>> ここまでの話

第1話:アラサーどん底負け組に転落…リーマンショックで失業&失恋
第2話:英語力ゼロ・・・勢いだけでシンガポールへ移住!
第3話:アラサー女子が、何の目的もなくワーホリってどうなの?
第4話:TOEIC500点以下で海外で仕事をゲットした理由
第5話:赤面症だった私が、なんでラジオDJに!?
第6話:凧上げフェスティバルで、ナンパに大成功!
第7話:ねぇ、シンガポールで一番有名な日本人にならない?
第8話:YouTube婚活で外国人500名以上からオファー殺到!
第9話:初デートのためにドイツから彼が飛んできました
第10話:運命の人は、ストーカー?!
第11話:ポールダンスを勝手に見ないで!
第12話:初デートで連れて行かれた怪しいお店
第13話:彼氏じゃない男性と二人きりで海外旅行
第14話:究極の選択…交際3ヶ月の彼氏が海外転勤!追いかけるべき?
第15話:本当の私を、あなたは愛してくれますか?
第16話:終わりはいつだって、何かのはじまり
第17話:神様からの餞別〜人生は思わぬところで繋がっていく
第18話:交際半年でフランス人彼氏の実家に宿泊した結果


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それは、

シンガポールに行くきっかけをくれた人だった。

リーマンショックの真っ只中、失業&失恋のダブルパンチで
自分に対する自信も、生きる意味さえも見失っていたときのこと

たかが、失業
たかが、失恋

何をそんなに大げさに。

今の私ならそう思えるけれど、

良い成績をとって
良い学校に入り
良い会社に就職をして
良い人と結婚をする…

その先に人生の成功があり
幸せがあると信じていた私にとって
文字どおり、先の見えない真っ暗闇の中にいた。

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未来のためにと幸せを貯金するかのように
今までずっと我慢して、頑張ってきたのに…

目の前の幸せを先延ばしにしながら生きてきた私の人生は、
一体なんだったのか。

そんなドン底から私を救ってくれたのが、彼だったのだ。

本当の意味で「自分の人生」を生きたことのなかった私に

人生というのは、心の声を聞きながら
自分で掴み取っていくものだ


ということを教えてくれた人だ。


仕事もない
恋人もいない
新たな一歩を踏み出す勇気さえなく
怖さでどこにも行けなくなっている私に

大丈夫。

世界中が敵になったとしても、
僕だけは味方でいてあげるから。

そんなキザな言葉をかけて背中を押してくれた
ひと回りも年上の人。

帰国子女で、幼少期から大学卒業まで海外で暮らしていたせいか
ちょっと変わった人だった。


そんな彼の言葉を支えに
勢いだけでシンガポール移住するという
周りも、自分さえも驚くような、思い切った行動をすることができたのだ。

シンガポールを離れるということは
同時に、そんな彼への想いを卒業することを意味していた。

彼と出会ったことの意味ってなんだったんだろう…

私はずっと、そのことについて考えていた。

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そうか。

彼は、私にダンボの羽を授けてくれたんだ。
その魔法の羽さえあれば、何だってできる気がした。

その魔法の羽の力を信じて
怖さにギュッと目をつぶりながら
新しい世界に飛び込んだことによって
自分でも驚くほど高く羽ばたき

そして今、

全く違った視点から
広い世界の美しい景色を見ているのだ。

その羽を失ってしまったら、
私は再び地上に墜落してしまうような気がして。
だから、頑なにその「魔法の羽」を手放せずにいたのかもしれない。

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「君のことは好きだけど、結婚はできない。」

そう言われるたびに

なんて勝手な人だろう

そう思っていたけれど、

勝手なのは、私の方だったのかもしれない…

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彼のことを愛していたのではなく、
自分を「特別」にしてくれる彼のことを愛していたのだ。

本当は、彼に愛してほしかったのではなく
自分自身に愛してほしかったのだ。

彼に信じてほしかったのではなく
自分自身を信じたかったのだ。

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人というのは、出会いを通して、
その時々で必要なメッセージを受け取ったり 、届けたり、交換し合いながら
それぞれが望む未来に向かって先に進んでいく主人公であり

人生とは、そんな愛に溢れる仕組まれた物語なのかもしれない。


大丈夫。

世界中が敵になったとしても
私だけは、私の味方でいてあげるから。

長年かけて出した問いの答えをもって
ようやく、次に進めそうな気がした。


つづく>>>
最終話:泣いてばかりだった私が、運命の人に愛されるようになってから

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