豪速球ピッチャーの末路
友人の結婚式に出席するため、大阪に帰った時のこと。
当時「ルーズヴェルト・ゲーム」というテレビドラマが放送されており、実家では毎回それを楽しみにしているらしかった。自然と話題がそちらへ流れていくと、弟が思い出したように話し出した。
「オカン、こないだもスゴイこと言ってたで」
どうやらこういうことである。
「ルーズヴェルト・ゲーム」の中で、ものすごい豪速球を投げるピッチャーが出てくるらしい。それを見ていたオカンは、あきれながら次のように言ったという。
「こんな子おったら、すぐJリーグいけるで」
豪速球ピッチャーがJリーグ入りしたという話など一度も聞いたことがない。
オカンにとって、野球とサッカーの違いなど、もはや何の意味も持たないのだ。
僕が最も世界の広さを感じる場所は、他でもない、自分の実家なのであった。
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