「冷たいもん」の正体
ある日の夜、実家で両親とすき焼きを食べた。
腹を満たした親父は風呂に入り、またリビングに戻ってきた。しばらくテレビを見ていたのだが、突然何かを思い出したように、
「そや、冷たいもん食べよ」
と言って、キッチンの冷蔵庫に向かった。
僕はオカンに「親父、何食べようとしてんの?」と聞いた。オカンは当たり前のように、「シャウエッセンやろ」と答えた。
「え、このタイミングでシャウエッセン?しかも『冷たいもん』って、温めずに食うの?」
不審に思っていると、親父が戻ってきた。
手に持っていたのは「シャウエッセン」ではなく、「ハーゲンダッツ」だった。
いろんなことが、どうでもよくなった。
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