見出し画像

2023年のワークショップを振り返って、2024年に想いをつなげる

「主体的に学び、主体的に生きる」を探究しているファシリテーター・ライフコーチのまなみです。
あっという間に2023年も終わりに近づいてきました。
大人になると一年の体感速度が速くなると聞きますが、毎日濃い日々を過ごしているな〜と感じていて、30歳になっても一年過ぎるのが結構長いです。
今年の前半、アメリカに留学していたのが遠い過去のよう…!

今年は個人事業主として新たな一歩を踏み出しました。
おかげさまでワークショップの機会を数多くいただくことができ、2024年も色々な方と議論・探究を続けていくことができればと思い、2023年に実施したワークショップを振り返ることにしました。
どのワークショップも参加者が異なると空気感も違って、毎回フレッシュな学びがあり、思い出深いものばかりです。
読んでいただいて気になったワークショップがあれば、ぜひお声かけいただけるととても嬉しいです。



自分の人生を生きる


ボストンの芝生での高校生との進路対話会


今年の前半にアメリカに留学していたときに七回行ったのが、ボストンに一週間語学研修で来た高校生向けの進路対話会です。
一回20〜30名の高校生のみなさんと、ハーバード教育大学院の芝生に輪になり、ボストンで見て感じたことから、今後の進路についてお話しました。
公立・私立問わず幅広い学校が参加していたため、語学研修に参加しようと思った理由や、この経験を今後どう活かしたいかという考えも様々だったのがとても印象的でした。


外の空気を吸いながら語り合う非日常を体験しました。


個人的に、このワークショップのゴールは次の三つに設定していました。

  • 自分の出身地とボストンの相違点を理解して言語化できるようにする

  • 自分が将来やりたいことを周りの仲間に聞いてもらう

  • お互いが将来やりたいことに対してチームとして応援し合えるようにする


毎回20〜30人参加していましたが、自己紹介やペアワーク、コーチングのメソッドを使って、全員が発言しやすい雰囲気をつくることを大切にしていました。
そしてせっかく同級生と一緒にボストンで新しいことを体験しているのだから、語学研修中の英語の実践、帰国後の学習へのモチベーション維持、将来やりたいことに対してお互いの助け合いが一緒にできるように、そんな願いを込めてワークショップを実施しました。
ワークショップの効果としては、当日も先生から「普段話さない生徒が話していた」と伺い、帰国後にも校長先生に語学研修の報告会&提言会を行った学校もあったと聞きました。
ボストンという非日常に触れて、少しでも自分の日常を好きになり、良くしようと思う気持ちが強まっていると嬉しいなと思います。


ディスカッションで仲間全員のしたいことや夢を聞けた。これからの意気込みは今回最も重要になるインプットの一つとなった。
「あれがやりたい、これがやりたい、でもできない」
それでいつも終わりだった。
今この日記を書いていて、自分はもう違う。
やりたいこと、すべきことをすべて叶えたい。
本気で無理難題に挑戦したくて仕方ない。

今年一番心が震えた感想です。大人の我々もこんな気持ちで生きているでしょうか。


社会に存在する力について自覚する


教育現場におけるダイバーシティ&インクルージョン


日本キャリア教育学会さんにお声かけいただき、コーチングの大先輩の松下琴乃さんとダイバーシティ&インクルージョンについての3時間のワークショップを実施しました。

ダイバーシティ&インクルージョンを始めとする社会における公平性の話題は、教育大学院に四つある必須授業のうちの一つであるくらい、とても重要なトピックです。
日本だとダイバーシティに注目が集まっていますが、アメリカだとDEIBといって、ダイバーシティ(Diversity)、エクイティ(Equity)、インクルージョン(Inclusion)、ビロンギング(Belonging)にまで考えが広がっています。



今回は私からアメリカの最新のDEIBの考え方と、東工大の女性枠やハーバードの人種枠などの最新の事例をお伝えしました。
加えて、自分の外にある多様性は自分の内にある多様性と連動しているため、松下琴乃さんから自分の中のサブパーソナリティを見つめるワークを実施しました。
松下琴乃さんと一緒に準備するのがとにかく楽しかったのですが、二人で企画することで海外の最新事例と日本のコーチングの要素どちらも取り入れることができたと思います。


参加者の方からの感想で嬉しかったものを紹介します:

今までダイバーシティ推進部に配属されたから、と所属組織に言われたまま施策を進めていました。しかし、今回のワークショップを受けて、より多くの人が組織の中でビロンギングを高めることができるようにダイバーシティ、インクルージョン、エクイティの観点を取り入れるのだということに気がつきました。組織として何を大切にするのか、というビジョンやミッションを考えることが大事だと感じました。


みんなにとって居心地の良い組織・社会をつくれるかどうかは、逆説的ですが組織・社会にいるひとりひとりの力によるのです。
DEIBの考え方を正しく認識できているかどうかは、今後社会人の教養として致命的になってくると思います。
2024年はDEIBや公平性について、みなさんに知ってもらう機会をもっと増やしたいと思っています。


自分たちで自分たちの社会を創る


パブリック・ナレーティブ


「自分の人生を生きる」「社会に存在する力について自覚する」を合わせて、「自分たちで自分たちの社会を創る」ことを体現しているのが、私が2022年秋にハーバード・ケネディ・スクールの授業で受けて感動した、パブリック・ナレーティブです。
今年はパブリック・ナレーティブのワークショップを二度、二日間にかけて実施しました。



パブリック・ナレーティブは本当に奥深いです。
自分の原体験を深堀りして、恐れとともに自己開示して、自分自身の声として大勢の場に出して…その経験をするからこそ見える希望や人とのつながりがあります。
参加者のみなさんからは、パブリック・ナレーティブで習得したスキルやコーチング グループで練った内容を、別の場所でのスピーチに活かしたという声を多くいただいています。
なかなか人の前で自分の正直な気持ちや考えを話す機会がない日本だからこそ、パブリック・ナレーティブの場をもっと増やしていきたいです。
来年こそはかっこいいステージの上で、対面でやるぞ!


↓授業の内容やワークショップの感想はこちらから


学校をデザインする授業とは? 世界中から未来の学校創立者が集まる最先端の授業について語る


ハーバード教育大学院の授業の中で一番「経験としての学び」を体現していたのが、春学期に受けた「民主的な学校をデザインする」授業でした。
民主的な学校について読んだり見学したりするだけでなく、自分たちのコミュニティが民主主義を体現できているかどうか、常に議論されていました。
最後に対面での展示会があったのですが、日本からはなかなか参加しづらかったことから、一緒に授業を受けていた名城さんと日本のみなさんにもこの授業について知ってもらおう!という話になり、鈴木規夫さんとARUKUKIのお二人のご協力をいただいて、オンラインイベントを実施しました。


学校における民主主義は?という学術的な話から…
リンダに怒られるリアルな話まで。


イベントには録画も含めて30名ほどご参加いただき、民主的な学校とはなにか?ということについてみなさんと議論するきっかけになりました。
イベントの中では、この授業を教えているリンダ・ネイサン先生の「聴こえない声に耳を傾ける」ことに関心を示す方が多かったです。
「聴こえない声に耳を傾ける」はDEIBや公平性の概念につながっているため、このことに関心を示してくださるのはとても嬉しいなと思います。
ハーバード教育大学院の概要や入試方法についてはたまにイベントが行われますが、その中の授業にフォーカスして日本語のイベントを組むのはかなり珍しい機会だったのではないかと思います。


↓民主的な学校をデザインする授業についてはこちらのnoteから!教育大学院で15年ほど続いている名物授業の一つです。


民主的な学校をデザインする授業


「民主的な学校をデザインする」授業のオンラインイベントはボストンにいる間に開いたのですが、帰国後に対面で「民主的な学校をデザインする」を実践する機会がありました。
名城さんと一緒に、大妻中学高等学校の中学一年生〜高校二年生約30名を対象に、学校デザイン+進路座談会のワークショップを行いました。


このワークショップでは次の三つをゴールとして設定していました。

  • 自分が何を大事にしているか認識する

  • 自分が大事にしていることを形にする

  • 形にしたものへの他の人からの反応を見て、振り返る


実際にやってみると、生徒さんひとりひとりが「もっとこうなったらいいのにな」と思うことに気づくことができ、その気づきを周りと共有すると周りも意外と似たような想いを持っていて、その想いを他の人にも納得してもらえるような形で伝えることの大切さを感じることができたとの声を多くいただきました。
自分としても、伝えるときにパブリック・ナレーティブも一つの効果的な手法として使えそうだという気づきがありました。
何より参加した生徒さんにパワフルに議論や発表に取り組んでもらえたのが自分としてはとてもやりがいがありました。女子パワー最高です。


ありがたいことに、ワークショップにかける想いと当日の様子を、教育プロデュースchannelさんにYouTube動画にしていただきました。
私がどんなワークショップを実施しているのか一番分かりやすいと思うので、興味がある方はぜひご視聴ください!



カルチャーオニオンと演劇を通して学校文化をつくる


名城さんと別の都内の私立校で、中学二年生約80名を対象に、学校文化についてのワークショップを実施しました。
ハーバード教育大学院の学校文化の授業で教えられているカルチャーオニオンを使って学校文化を分析し、その文化を演劇で他の人に伝えます。


Ebony N. Bridwell-Mitchellによるカルチャーオニオン


このワークショップは一番学校の先生方と協力してつくりあげることができて、一緒に文化をつくることを体現することができました。
反省点としては、中学二年生約80名に対しては、普段1〜30名の高校生〜大人と一緒にワークショップしているときとは全然違うスキルセットが必要だなと痛感したことです。
今後このワークショップをやるときは、アイドルや芸人ばりのステージ掌握力を磨いてファシリテーションしたいと思います。

組織文化は中学二年生だけではなく、高校生や大人が議論するとさらに濃いアイディアが出てくると思うので、またチャレンジしたい内容です。


より深く学ぶ(ディーパー・ラーニング)


ハーバード教育大学院の今を知る


「主体的に学び、主体的に生きる」をテーマにしていたら「主体的に生きる」ところにフォーカスが当たりましたが、「主体的に学ぶ」ことについてもいくつかワークショップを実施しました。
一つはハーバード教育大学院での学びや、大学院に到達するまでの旅路を共有した「ハーバード教育大学院の今を知る」のオンラインイベントです。


こんなことを考えながら教育大学院を受験しました。
専攻の構成は、意外と大学院によって全然違うので注意が必要です。


このイベントは録画含めて70名近くの方にご参加いただきました。
ハーバード教育大学院とはどんな場所?私の研究テーマは?という話から、入試スケジュールや一年間の留学にかかる費用までざっくばらんにお話しさせてもらいました。
自分も受験するときは日本語の生の情報が少なく毎日不安だったので、今後教育大学院の受験を考えている方の役に少しでも立っていると嬉しいです。


深い学びってなんだろう?


ハーバード教育大学院で研究していた「より深い学び(ディーパー・ラーニング)」についても一度先生の学校さんでイベントを開催させていただきました。
100名以上の方にご登録いただき、当日も40〜50名リアルタイムでご視聴いただきました。


歴史やフレームワークについて説明した後のまとめ部分です。
2024年はこれを実践するワークショップをやりたい。


テーマは「深い学びってなんだろう?」なのですが、このテーマに対する向き合い方が先生方にとっては新鮮のようでした。
また、いつも探究活動が上手く進められているか不安だったけど、このワークショップを受けて「日本の教育にも良いところがたくさんあると気づくきっかけになった」との声をいただきました。
日本の探究活動は世界的にも面白い取り組みだと思うので、みなさんと発展させながら、他の国にとっても有意義な情報を発信したいです。
2024年は「より深い学び(ディーパー・ラーニング)」の実践連続講座を対面で実施できるといいな〜と思っています。


↓ホームページにて、日本の主体的な学びを海外に発信する英語ブログを更新しています。ぜひ海外の方へシェアをお願いします。


Co-Opting Classroom Constraints


最後に紹介するのは、英語でファシリテーションしたワークショップです。
2023年3月にサンディエゴのハイテックハイという高校でDeeper Learning San Diego 2023というイベントに参加し、リンダ・ネイサン先生のCo-Opting Classroom Constraints(教室での制限を利用する)というワークショップを共同でファシリテートさせていただきました。

英語で議論することはあっても、ファシリテーションすることはなかなかないので、準備中も当日も他のファシリテーターや参加者に負けないように意見を言うのが大変でした。
でもアメリカの対話的な学びは、ファシリテーターのあり方含めて学ぶことが本当にたくさんあるので、このような貴重な機会をいただけて本当にありがたかったです。
日本人以外の方にもファシリテートできるように、もっと教養を深めたいと思います。


↓イベントや当日のワークショップの様子はこちらから


長くなりましたが、ここまで2023年のワークショップの振り返りを読んでいただき、ありがとうございました。
こうして振り返ると、自分はそれぞれの人が「自分の人生を生きる」ことができるように、学びを通して自分ができることを増やしたり、組織・社会との関わり方について考えてみんなにとって生きやすい場をつくったりしたいのだなと改めて感じました。
ワークショップでは、終わったときに自分の魂を捧げ切るようなイメージで、いつも必死にファシリテーションしています。
同時にワークショップという形で、色々な方の想いや願いとつながらせていただけることに感謝でいっぱいです。
来年も早速コーチングについてのワークショップを予定しているので、そこでもどんな方にお会いできるのか楽しみです!

「主体的に学び、主体的に生きる」ことを主眼に置いた各種ワークショップの実施について気軽にご相談いただければと思います。
また、自分がどのように生きたいか、1対1で話して考えて行動するライフコーチングも提供しています。
こちらでもお会いできることを楽しみにしています!



この記事が参加している募集

振り返りnote

すべての人が組織や社会の中で自分らしく生きられるようにワークショップのファシリテーションやライフコーチングを提供しています。主体性・探究・Deeper Learningなどの研究も行います。サポートしていただいたお金は活動費や研究費に使わせていただきます。