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ゆとりのゲーム感想「ナイトメア・クリーチャーズ」


【はじめに】


そろそろPS1成分(主にカックカクのポリゴン部分)が足りなくなってきた。私はPS1が好きだ。そりゃもう一番好きなハードだ。軟弱者、この感じでサターンじゃねぇのかよ、ゲーマーを自称するならサターンを崇めろ!
・・・ガヤにどんなに言われようともそんなの気にしない。だってPS1のゲーム面白いんだもん。

さて、肝心のソフトだが何をしようか。棚一杯に詰められたPS1ソフト達を見ると本当にワクワクするな。いつ見ても最高である。棚の中にはキラキラと輝く名作達。「クラッシュ・バンディクー2」、「リッジレーサー4」、「I.Q」、「ポポロクロイス物語」・・・面白かったなぁ、コイツら。
と同時にやったはいいもののつまらなくて途中で投げ出したのもある。「どきどきポヤッチオ」、「陸上防衛隊まおちゃん」、「ディノクライシス」・・・僕達も遊んでよ、と声が聞こえてきた気がした。
ウッ!無視しよう・・・

よし決めた。「ナイトメアクリーチャーズ」にしよう。このゲームはまだ一度もプレイしていない。どういうゲームかも分からない。この初めて触れるゲームをプレイするというのは何年もゲームをやっていても緊張する。

どういうゲームなのかも分からないのに本作を買った動機はズバリ、パッケージのイラストである。

PS1ソフト「ナイトメア・クリーチャーズ」

おぉ、カッコイイ。おそらく洋ゲーだろう。安かったら買おうかな。値段を見る。500円。
えぇ!!3000円顔してるよ?いいの?即購入した。しかし、買って満足してしまい1年ぐらい寝かしてしまった。

買ってから長くなってしまったが、このゲームをやってみよう。PS1のゲームをプレイ。そして、クリアした。

【ゲーム概要】

「ナイトメアクリーチャーズ」は、Kalisto Entertainmentが開発したPS1ソフトで1998年に発売された。CMもやっていたが、正直マイナーゲームの類だろう。

ジャンルは3Dアクションゲームで、ステージクリア型となっている。一本道ではなく、あちらこちらで仕掛けを解きながらステージのゴールを目指す。全20ステージ構成。

ここでストーリーを説明する。ダルい上にほぼゲーム性と関係無いので飛ばしても良い。


歴史は偶然に満ちている。そして、しばしば繰り返されるのだ。
 ロンドンでひそかにささやかれる噂。1666年のロンドン大火災と1834年の火災は、奇妙な因縁で結びついている……。

 時は1660年の霧深いロンドンへ溯る。
 ピープス兄弟(Pepys Brothers)がロンドンへたどり着き、サミュエルは作家、ダニエルは医学の道へと進む。貧しかった兄弟も次第に運に恵まれ始めた数年後、二人は秘密組織「ヘカテ協会(the Brotherhood of Hecate)」に参加する。
 この組織は、実証主義と自然現象の研究の名のもとに、より強靭な肉体を持つ完璧な種族を生み出すことを目的としていた。彼らは大量の死体で実験を行い、ついに人間を”超人”に変える薬の調合法を発見する。しかし、この実験が誤った方向へ進み、”超人”たちが突然、非人間的なモンスターへ変貌してしまう。
 そして運命の1666年、協会はロンドン市内にモンスターを放ち、完全に権力を掌握しようと計画する。

 混沌がロンドン中へ解き放たれるとき、サミュエルはこの惨事を未然に防がなければならないと決断した。サミュエルは、狂ったヘカテ協会のメンバーたちを待ち伏せし、セント・キャサリンズ・ドックの地下墓地に閉じ込めて火をつけた。
 サミュエルが放った炎は、協会メンバーや記録ノートを燃やすにとどまらず、ロンドン中を火の海にしてしまった。

 1834年、ヴィクトリア王朝時代のロンドン。
 英国国教会の神父であり神秘学のスペシャリスト、イグネィシャス・ブラックワード(Ignatius Blackward)は世界を旅し、悪霊や超常現象を調査している中、ロンドン・チェルシー教区の依頼により帰国。行方不明になった聖職者や謎のモンスターの目撃談を聞き、調査を開始する。
 チェルシー教区の事件に1666年にロンドン大火災で焼け落ちたセント・キャサリンズ・ドックの発掘現場が関係しているとの情報を耳にしたイグネィシャスは、どこからか届けられた『サミュエルの日記』と題された古書の判読を始める。判読を進めるうち、謎の集団「ヘカテ協会」に関する記述を発見。事の重大さに気付いたイグネィシャスは、アメリカ・ニューオリンズに住む恩師、ジャン教授(Dr. Jean F.)へこの日記を送り、詳しい分析を求めた。
 高名な歴史家で人文学者でもあるジャン教授は、研究の一環としてヘカテ協会の調査を独自に進めていた。まるで運命に導かれたかのように送られてきた『サミュエルの日記』を読み、アシスタントをつとめる娘ナディア・フォートスミス(Nadia Fortsmith)と共にロンドンへ旅立つ。
 ロンドンで調査を進めていくうちに、日記の中から重大な事実を発見したジャンは、ホテルの自分の部屋へイグネィシャスを呼び出す。しかし、イグネィシャスが到着したときには、ジャンは何者かに襲われ瀕死の重体となっていた。
 「アダム・クロウリーがヘカテを復活さ……」
 最後にこう言い残し、ジャンは息を引き取ってしまう。そして、ジャンの部屋から『サミュエルの日記』が消えていた……。

 男は正義のために、女は復讐のために立ち上がる。
 人類の存続を賭けた戦いが始まった。

説明書より

長ぇ。しかも洋ゲー特有のどうでもいい系である。要するにイグネィシャスという神父とナディアという女騎士がアダム・クロウリーという悪者を倒して世界滅亡を阻止する、という話である。

ストーリーにザッと目を通してもらうと分かるが、「悪霊」「モンスター」といった物騒な単語が並んでいる。そう、このゲームの特徴としておどろおどろしいゴシックホラー調の不気味な世界観がある。出てくる敵も気持ちの悪いグロテスクなモンスターばかりでBGMや演出も恐怖心を煽ることに抜け目がない。

不気味な世界観

ゲームを始めると、まず、キャラクター選択画面に移る。棒術使いの神父「イグネィシャス」とレイピア使いの女騎士である「ナディア」を選択する。一度選択すると後から変更することはできないので注意。それぞれに性能が違っていて、神父はHPが高くスピードが遅い、女騎士はHPが低くスピードが速いといった感じ。後述するが、技を繰り出すコマンドもそれぞれに違う。難易度は特に変わらないと思うが、本作の仕様的には速いナディアの方が向いているのかなぁ、といった感じ。今回、私はナディアを選択。

キャラクター選択画面

操作方法は、
・十字キー⬆……走る
・十字キー⬅➡︎……左右に回転する
・十字キー⬇……バックステップ
・R1ボタン……右にステップ
・L1ボタン……左にステップ
・L2ボタン……アイテム選択
・R2ボタン……アイテム使用
・L1+R1ボタン……振り向く
・△ボタン……ジャンプ
・□ボタン……武器攻撃
・‪✕‬ボタン……キック攻撃
・○ボタン……ガード
・SELECTボタン…マップ表示

以上が両キャラ共通となっている。トゥームレイダーの影響なのか本作はラジコン操作を採用している(初代バイオみたいな操作のこと)。といってもトゥームよりキビキビ動いてくれて爽快感は高い。マリオ64操作よりダルいのは言うまでもない。

このゲームの最大の特徴はアクションゲームでありながら、コンボ攻撃が重要となっていることである。コマンドもそれっぽいので、さながら3D格ゲーのようである。イグネィシャスとナディアはそれぞれコマンドが違っている。演出も凝っていてコンボが決まると相手に大ダメージを与えるので、爽快である。

格ゲーのようなプレイ感覚

アイテムもゲームを進めるのに必要な要素である。アイテムはフィールドに落ちている。モンスターを一撃で仕留める「銃」や仕掛けを作動させる為に必要な「ダイナマイト」はそれぞれの必ず必要になる場面が出てくるので、慎重に使おう。中には隠しアイテムである「レベルアップ武器」もある。これを拾うとモンスターを特定の攻撃で真っ二つに切れるようになるので、やり込みたい人はやってみよう。

また、「アドレナリンバー」というシステムもあり、一定の頻度で敵との戦闘を行っていないとゲージが尽きて徐々にダメージを受けるという設定もある。無くなるとすごい勢いで体力が無くなっていくので敵を倒すことを意識して進もう。

進んでいくとボス戦もある。ボス戦は仕掛けを使う戦い方が主である。このボス戦がいいアクセントになっていてプレイヤーが飽きないような工夫となっている。

概要は以上である。

【感想】


う〜〜〜ん。面白いんだが微妙だ。というのもホラー+格ゲー+ローポリというおそらく唯一無二の特徴を持っているのにプレイフィールはどこかでやったことあるような既視感がある。ゲームとしては3Dアクションの面白さがコンパクトに詰まっている感じなのだが、もう飽き飽きとした感じ。システムもかなりシンプルでゴッド・オブ・ウォーやゼルダを体験した私としては少し物足りないと感じてしまった。

アクションに関して細かく言うと、キビキビ動いてくれて爽快感はタップリ。コンボも決まると超楽しい。なのだが、やっていくうちに強いコンボや壁ハメを発見し、必然的にそればかり使用して進んでいくので飽きが来るのも早かったな。ジャンプアクションが必要な場面もあったりで色々工夫は見られるのだが、うーん・・・

難易度でいうと、こんな見た目に反してかなりヌルい。ある程度慣れると1vs1ならハメ殺せるようになる程。回復アイテムもそこらに落ちている。設定ではeasyとhardがあるので、アクションゲーに自信のある人は断然hardをオススメする。

世界観・演出はかなり好きだ。ローポリならではの不気味さやおどろおどろしさが十二分に出ている。探索をしていると、いきなりバーン!と壁を突き破ってモンスターが出てきたりして、「ウォッ!」と声が漏れてしまった。モンスターのデザインも人間と同じぐらいデカイ昆虫やゾンビ化したネズミといった気味の悪いモンスターばかり。ゴア表現も抜かりなく行っており、モンスターを倒すと血をブシャー!と撒き散らしたり、身体がバラバラに切り刻まれて死んでいく。この演出が私は好きで、なるべくフィニッシュを身体を切り刻む攻撃にしてモンスターがバラバラになるのを見て楽しんでいた。

不満な点を挙げるとすると、やはりカメラワークである。キャラの視点を変えるとカメラがそれを追いかけるようになっており、自分でカメラをいじることができない。本作はアクションゲームなので、キャラを激しく移動させるのだが、それにカメラが追いついていない場面があった。3Dゲーム黎明期なので、ある程度は許容できるがせめてカメラを動かせてほしかった。

アドレナリンバーもいらない要素だと感じた。本作は敵を倒すだけでなく探索する楽しさも少し入っているゲームなのにこの要素のせいでじっくりと探索ができない。敵を倒して進む工夫だと思われるが正に足枷である。フィールド自体も迷う時は迷うぐらいには広いので、行き止まりになりダメージを受けゲームオーバー、みたいな展開も良くあった。ムカつくぜ。

ストーリーは微妙。エンディングもよく分からんものであった。せめてナディアも出して上げろよ。音楽はウッドベースの音が鳴るぐらいでゲーム音楽と呼べるものは無かった。まぁ、これもホラー感を演出するためにやっていると思うのだが。ラスボス戦はやけにロック調の音楽なのが謎だった。

感想は以上である。

【小ネタ】


攻略とか裏技とか。一つずつ解説。

・敵の仕様について

本作はモンスターが複数出てきて、1vs2,3という場面がちょくちょくある。こうなると強い範囲攻撃を持たないこちら側が圧倒的に不利でハメられたりもするのだが、実はこのゲームには秘策がある。画面にプレイヤーとモンスター1匹を写すように移動してみよう。そうすると、すぐ近くにいるはずの別モンスターが出てこない。これはピクミン1のように画面に写っていないモンスターの処理がテキトーだからである。あまりにも近づきすぎると移動するが、少し離れればピクリとも動かなくなる。この仕様さえ知っていれば、複数体に囲まれても1vs1に持ち込んで安全に処理することができる。

・最強のワザ

ナディアのコンボの一つである「フェアリードライブ」のフィニッシュである剣を上昇させるワザだが、実は前半のコマンドを繋げなくても発生させることができる。⬆□‪✕‬ボタンを同時押しすると出せる。しかもこの技、どんなモンスターも一撃でコマ切れにして殺すことが出来る最強のワザである。ガードされるとはじかれるので、キックでガードを弾いたあとにやってみよう。サクサク敵を倒せるようになる。

・チートコマンド

ゲームのスタート画面で(STARTとLOADとOPTIONを選択出来る画面)コマンドを入れるとステージセレクトとチートを使えるようになる。洋ゲーにありがちだな。

・ステージセレクト
 メインメニュー画面で、L1、L1、L2、R1、R1、R2、セレクト、と入力する。
 効果音が鳴れば成功。

以下のコマンドはステージセレクトのコマンドを入れた後でないと使用できない。

・モンスターが縮小する:L2、L2、R1、R1、L1、R2、セレクト
・アイテムとライフ無限:L1、R2、R1、L2、セレクト
・モンスターを切断:L1、R1、L2、R2、セレクト
・モンスターでプレイ:L2、R1、L1、R2、L1、R1、セレクト
・コンボ不能:L1、R1、L2、R2、L1、L1、R2、セレクト

モンスターでプレイはステージによって使える種類が変わる。そこそこ面白いのでクリア後にやってみてはどうだろうか。

【まとめ】


当時は革新的なゲームであったと思うが、今となってはありふれた3Dアクションゲームといった感じ。アクションやグラフィックはPS1の中では結構頑張っている方で破綻したストーリーや理不尽な難易度といった突飛な特徴も無いので、いじりづらい。うーん、何ともいえんゲームだなぁ。粗があるとはいえ、アクションゲームの面白さや爽快感は詰まっているので世界観が気に入った人や興味のある人はやってみてもいいかと。
個人的にはPS1のローポリ成分が久々に味わえたので満足である。今度はドットゲーでもやるか・・・






(本作をプレイするには実機で遊ぶしかないようだ。本作をまだプレイしていないレトロゲーマーはプレイしてみてはどうだろうか。)


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