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【オギャー No.5】 俺の前に立つな!

こんにちは!マんナカです。
やっと【オギャー シリーズ】の続きです。
お話忘れちゃったよの方はこちらから前回のお話もお楽しみください。

担当医からの「覚悟してください。」の言葉と共に私の手術日が決まった。
妊娠35週と4日で、帝王切開。
正期産と言われる37週より前だから早産だけど、私の体がもう持たないとのことでギリギリの判断であり「覚悟してください。」には色んな意味が込められていた。

手術が決まり術前処置としていくつかやることの中で、手術より辛かったこと、なぜか印象に残っていることがある。

今日触れるのはその一つ

剃毛。


剃毛とは、読んで字の如く手術する部位の毛を剃ること。
邪魔ですもんね。

看護師さんに呼ばれ処置室に入る。
処置室は意外に広かったけれど、看護師さんと私二人の静かな空間だった。
パジャマのズボンや下着を脱ぎ、ベッドに横になる。
剃毛部を消毒し、隠すようにお腹にサッと大きなタオルをかけてくれた。

看護師さん
「では、始めて行きますね〜。」

静かな空間に流れるジョリジョリ音。

婦人科に行ったことある人ならわかると思うが、婦人科に行くと診察のために内診をすることがある。
(内診の詳しくはGoogle先生にお尋ねを)
内診をするためには下腹部を露出する。

婦人科に通い始めは正直抵抗があった。
必要なこととはいえ、よく知りもしない人の前で下腹部をペロンって出すなんて日常ありえないことだ。

妊娠すると毎月産婦人科に通い、出産が近づくと通う頻度も増える。
私のように妊娠に問題があった人はことあるごとに下腹部を露出することになるので、後半には羞恥心はさようならしている。
慣れって怖いもんだ。

下腹部を露出し、足を広げる。
そんな格好で剃毛してもらうのは、女性の看護師さんとはいえ、滑稽だなぁと1ミリくらいの恥じらいは復活した。

二人の雑談と共に響くジョリジョリ。

ふと先生が処置室に入ってきた。

先生
「マんナカさん、手術日決まったんだね〜。」


(ん?)

担当医ではないが、総回診の時にみかける先生。
患者情報は共有していると思われるし、心配してきてくれたのかもしれない。

だが、
(なぜそこに立つ?こんなに広いのに、なぜそこに立つ?)

いくら羞恥心1ミリとはいえ、配慮してくれ!
1ミリはあるんだぞ!

うん。どっちでもいいし、恥じらいが50ミリくらいは復活した。

他愛もない会話中、終始無言で剃毛を続ける看護師さん。
気が済んだのか先生はいつの間にかスッといなくなり

看護師さん
「はい、終わりましたよ。」

え?
触らずともわかる、下腹部の毛の状態。

一部を剃っただけで大部分が残されている。
私の頭で言うとこんなイメージだろうか。

こわい

そもそもオシャレ剃毛ではなく、手術で邪魔になる部位だけを剃るので当然なのだが、中途半端。

恥じらいが300ミリまで復活。

術前に恥かしめを受けた日。
なぜか忘れられない、剃毛の思い出でした。

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【今日の後記】

実は剃毛を担当してくれた看護師さんは、入院中私はとても苦手なタイプの方でした。
言葉が強いというかキツイ方だったと記憶しています。

その方が剃毛中「やっとこの日が来たね。よく頑張ったね。」との言葉をかけてくれて、一瞬泣きそうになりました。

後日談になりますが、帝王切開術後に生死を彷徨うことになる私の異変を最初に察知してくれたのは、この看護師さんになります。
それはまた後で。

次回は「1.5メートル先のトイレ」編です!

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