学校行ったし、仕事もしたし、ボランティアもしたけど、特に成果なし！　アメリカへ行って大成功した人の話があふれてるけど、あそこは夢の国じゃない。全てが中途半端な私の超個人的なアドバイス。保証はないけど、邪魔にはならないので、試しにどうぞ。

大事なのは〇〇ですから！

　留学、就職、駐在……アメリカ行きの理由は数多ありますが、不安の始まり第一位は「準備どうしよう？！」ではないでしょうか。
　カフェでお茶を休んでいたら、大学生でしょうか。先輩一人と後輩二人が留学について話していました。「アドバイスをください」と真剣な二人に先輩は偉そうに話し始めます。
「成功の秘訣教えてやるよ。英語ができるのは当たり前で、ビジョンを持って…………」
　えええ？！　そんなのどうでもよくない？！
　一つも同意できないまま、話を聞き続けるほかありませんでした。だってここは日本。赤の他人が隣の会話に乱入して許されるのは深夜の居酒屋飲みです。

　本当に話しかけるかギリギリまで迷った私の個人的アドバイスはこれ、

「趣味を３つ持て」

簡単でしょ？　でも結構大切なことなんです。
内訳は以下の通り。

①誰かと一緒にできるもの
②体を動かすもの
③場所を選ばず一人でできるもの

　海外生活の成功は『どれだけ自分が健やかに生活できるか』で決まります。そのためにはシステムも習慣も違う場所で、自分を保つことが重要になり、それに言語力は関係ありません。
　おそらくあなたを蝕むのは『孤独』と『人間疲れ』という二つの相反するものでしょう。それらと上手く付き合う武器がこの３つの趣味なのです。

①誰かと一緒にできるもの

　サッカー、バンド活動、創作活動、誰かと楽しさをシェア出来る趣味は、人脈を広げてくれます。ちょっとくらい言葉ができなくても、『好きな気持ち』が助けてくれるでしょう。
　語学学校で勉強するより、英会話の上達が加速するかもしれません。好きなことを話したい、好きなことを知りたい、仲間と盛り上がりたい、と思えることが自分らしく英会話を楽しめるようになる近道です。
　学生なら学校内の部活に所属するのが手っ取り早いのですが、世界を広げるためには一般向けサークルや、スクールに通ったり、地域イベントに参加するのがおすすめです。他にはボランティアという手もあります。図書館や博物館の公的機関はもちろん、動物保護だったり、食糧支援などの様々な組織が人手を求めています。　いずれにせよ、地元自治体が主催するものは安全度が高く、費用も抑えられるめ、お試しには最適であると感じました。
　定期的に通える場所は孤独への防波堤になります。また、学校や会社で問題が起きた時、全く関係のない人間関係が助けになるかもしれません。
　『人脈命』のアメリカ社会において、知人レベルの相手からの紹介で就職が決まることも珍しいことではありません。何でも話せる親友、一日中過ごせる友人も大切ですが、『コーヒーを共に楽しめるくらいの知人関係』がアメリカ生活においてはあなたを助けてくれるかも（実際に、「コーヒーを飲みに行かない？」という約束がよくあります）。趣味の場を通じて蓄えておきましょう。

②体を動かすもの

　心身の健康のために、体を動かす趣味は重要です。　
　アメリカ生活において体重増加ほど簡単なことはありません。地域による差はありますが、アメリカは車社会です。自家用車を持つとあっという間に運動不足になるでしょう。さらにアメリカの食事があなたの好みにあったなら、それは最高に幸運なことですが、カロリーには気をつけて。
　もしもあなたの英語力が生活に不自由を感じるレベルだとしたら、楽しい友達とのおしゃべりも、リスニングとスピーキングのテストのようなものです。力の抜き方がわかるまで、脳みそはフル回転。パンクしてしまう前に運動をして頭を休ませてあげましょう。
　憂鬱な気持ちを宥めるためにも適度な運動は効果的です。辛い、と自覚するずっと前の段階で定期的にメンテナンスできるので、運動を習慣にすることは大切です。

③場所を選ばず一人で出来るもの

　上の二つは下心のある趣味ですが、これは単純にあなたが幸せを感じるためにする趣味です。
　読書、映画鑑賞、スポーツ観戦でもいいし、パズルをしたり、植物を育てたり、大好きな料理を鍋一杯作るのでも良いでしょう。たった一人の世界で自分で自分を満足させられることが大切です。
　多文化社会において、他者の評価ほど当てにならないものはありません。相手によって、あなたの長所は致命的な欠点になり、コンプレックスは魅力になります。また、言葉が不完全なだけで、無能扱いされたり、子ども扱いされることもあるでしょう。自尊心を傷つけられたり、予想外の高評価を受け取っても、忘れてはいけないのは、『あなたはあなた』ということです。他者が何と言おうと、中身に変わりはありません。
　自分で自分を甘やかすことができれば、大丈夫です。

　新しい暮らしの中で、新しい趣味も見つかることでしょう。アメリカ生活を終える頃には、一体いくつの趣味があなたを支えているか楽しみですね。
　元気な日も落ち込んでいる日も、あなたが自分らしくいられますように。
　最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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