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プレミアリーグ第25節 マンチェスター・ユナイテッドVS.ニューカッスル

 お久しぶりです。結構最近さぼり気味でしたが、試合自体はしっかり追っていました。とりあえずユナイテッドとチェルシー追ってこうかなと思っていて、あと時間あればリーズ、そしてCLって感じで行こうかなと決めました。更新頻度上げていきたいのですが、さぼり癖が直せない人間なので、週1なんだろうなと思ってもらって、気楽にご覧していただけると幸いです。

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 両チームのスタメンは上の通りです(エンドが逆ですが、そこは今後もスルーで)。ユナイテッドはマクトミネイ、ポグバとファンデベークを欠く状況で、ソシエダ戦でいい働きを見せたジェームズをスタメンに抜擢。この起用は結果、そして内容を見ても良いものとなりました。一方のニューカッスルはチェルシー戦からのスタメンの変更はゲイル→ジョエリントンのみ。ここのところは4-3-3(または4-3-1-2)でプレッシングにもトライしつつあるこのチームはそのスタイルをユナイテッドに対しても勇猛果敢にぶつけてきました。あと個人的には、ダーロウとドゥブラフカのポジション争いは気になりますね。

ニューカッスルのプレッシングとユナイテッドの適応力

 上記したようにニューカッスルはこの試合でも相手陣内深いエリアからのプレッシングを仕掛け、それは(特に試合序盤に)機能していたといえるでしょう。

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ニューカッスルはいまや4-3-3でのプレッシングの基本形となりつつある「リヴァプール式プレス」を採用してきました。見てとれる約束事は図に示した通りで、少しアルミロンのタスクはリヴァプールのそれとは異なっていると思いますが、ジョエリントンが「サラ―役」としてプレッシングの機能に貢献していました。ニューカッスルはこのプレッシングを6',9',10',17',39',45+1'に成功させ、ユナイテッドを苦しめていたということはいえるでしょう。

 しかし、ユナイテッドも低い位置でのビルドアップではGKを利用したり、ミドルゾーンでのビルドアップではマティッチの「IH落ち」を用いたりして、ジョエリントンによって隠されているショーへのパスコースを見出すことを中心に、時間を追うごとにビルドアップを成功させる回数が増えていきました(成功:2',19',20',22',28',29',33',40',41',46')。

ニューカッスルの守備プランによる弊害と効果

 序盤のニューカッスルのプレッシングによる攻勢に対し、ユナイテッドが徐々にビルドアップでリズムをつかみ始めた時間帯である30'にラッシュフォードの得点が生まれます。

(YouTubeチャンネル"DAZN Japan"より)

得点シーンは上記動画の1:10からの場面となります。

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そのシーンを図示してみたのですが、このシーンではユナイテッドの2CBが相手1トップのアルミロンとの数的優位によりマグワイアが得た「時間」を起点とした得点であることがわかります。そしてマグワイアが見出したラッシュフォードへのパスコースはニューカッスルが「人」を重視したことにより空いているIH-SHの間のスペースですし、ラッシュフォードがクラフト相手に1対1を仕掛け、それを制すことが出来たのも、ニューカッスルのDFラインのCB-SB間が広大に空いていたことが一因であるといえます。これはニューカッスルの守備に欠陥があるということではなく、一長一短ということで、リーズや前節に試合をしたWBAもそうでしたが、「人」への基準度を高くしながら後方の数的優位を確保する守備は、ズレがつくられない分、相手CBには「時間」がある状態が続き、1対1での「個」の守備の負荷が増えることとなります。ニューカッスルとしては、プレッシングでは機能していましたが、マグワイアの供給能力が高く、前線の選手の「個」の能力も高いユナイテッドの定位置攻撃に対し、ニ撤退守備においても同じようなプランを敷いたという「選択」に関して再考の余地があるといえるかもしれません。

 しかし、36'にニューカッスルにセットプレーからの得点が生まれます。この最初の起点は撤退守備でボールを奪ってからの、定位置攻撃。そして右サイドでジョエリントンとクラフトの2人の関係性で崩して得たCKから、再び得たCKでのサン=マクシマンの見事な得点へとつながります。ニューカッスルの守備プランに再考の余地があると先ほど述べましたが、それでもこの試合のニューカッスルの守備プランが機能していたのも事実であり、それによる得点が生まれたといえます。また、ニューカッスルはこの得点後から明確に撤退したときに4-1-4-1のブロックを中央に固めるようになり、ユナイテッドはその変更にも苦心しました。


結果が変える試合の内容

 サッカーに限らず、スポーツにおいては言語化が難しい「流れ」というものが存在します。その原因は例えば、選手のモチベーションだったり、選手の慣れであったり、(観客がいれば)観客による後押しなどであったりするわけですが、スポーツが人間の営みである以上、戦術やチームの能力では説明のつかない「流れ」というのがあるのは誰もが認めるところだと思います。この試合の後半はまさにそのような「流れ」が物をいうこととなったといえます。ニューカッスル、ユナイテッドともにゲームプランの変更はほとんどなく、57'にジェームズの得点が生まれるまでは、ニューカッスルは48',49',51とプレッシングを成功させていましたし、ユナイテッドも50'にプレッシングに成功、そのほか52'にビルドアップを成功させるなど、一進一退の攻防が続きました。どちらかといえば、ニューカッスルの方がいい内容で試合を進めていたといえるかもしれません。しかし、スローインでのリスタートを起点としたジェームズの得点。ここでも、マグワイア→ラッシュフォードという1点目と同じパスルートからの得点ということはいえますが、それでもマティッチの個の剥がしとブルーノの絶妙で意図したとは思えないワンタッチからの得点でした。以前のチェルシー×トッテナム戦のレビューで、得点は偶発性と必然性から生まれるものだという持論を述べましたが、この試合はそうした偶発性を孕んだ得点が試合のその後の「流れ」にも影響したいい例だったと思います。

 その後はニューカッスルが押し込まれる時間帯が続き、ユナイテッドはビルドアップに成功したのが62'×2,69',70',78'で、試合を掌握していき74'にはFKの流れからブルーノのPKによる得点が生まれました。88'にはユナイテッドの新星ショアタイア(ショレティア)が投入されて、今後の期待を感じる試合となりました。

 今朝のパレス戦でもスコアレスドローとなり、優勝は絶望的に。逆に4位争いのために少しでも勝ち点を積んでいかなければならない中で、ポグバの離脱に加え、ブルーノの疲労によるプレー精度の低下も少し気になるところですが、どのように4位以内を死守していくのか、今後も注視していきたいと思います。

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