日本の女の子は、大変だ

ドイツへの留学から帰ってくると、日々の生活の中でも不思議なこと/面白いことがたくさん見つかる。
その中の1つ、日本の社会での「女性に求められる女の子らしさ」について今日はお話したい。

私が1年ちょっと暮らしたドイツは男女平等社会。

ちなみにドイツの男女平等社会ランキング、ジェンダー・ギャップ指数の中で格差が少ないランキング12位(2017年/WEF調べ)である。
1年間で自分が女性であることを全く意識せずに暮らしていた。
何を持って自分が女だと強く意識するのか?というのはすごく難しいし、マイノリティである外国人としてたった1年生活しただけなので、ドイツの社会と密に接続していたわけではないので断言するのは難しい。

だけど日本で暮らしている時よりも、自分が女でもなく、男でもなく、ただの一人の人間として接してもらっていたし、自分も他者に対して男の人だから、女の人だからという理由で何か態度や行動を変えることはなかった。

それは一方で女性だからという理由で甘く見てもらったり、優遇されたり、プレゼントをもらったり、食事をおごってもらったり、ということもなかった。

また、ドイツの女性は圧倒的に強く、「可愛い」というよりも「ツンツンツンデレ」な人が多い。ニコニコ笑ったりもしない。

大学のスタジオの友達はクールで少しむすっとしている子が多い(でも助けを求めるとちゃんと助けてくれるし、仲良くなるととても親切)
服装も、ガーリーなスカートを履いている人はあまりいなくて、上下黒で黒のくるぶし丈のスキニーパンツを履いている人が多い。あくまでクール系。

これはまた他のトピックとして扱いたいが、ドイツの場合、美の価値基準として「可愛い」ものを愛でる価値観があまりなく(可愛いはあくまで幼い子供やペットなどへ向けられるもののように感じられた)、「キレイ」「クール」「かっこいい」というのがほとんどの印象だった。


一方で日本。

日本に帰ってきて驚いたことの1つに、「女の子が異様に可愛いこと」「みんなおしゃれであること」その根底にある「社会が女性に要求する女の子らしさ」というものがある。

例えば、電車の広告を見ても、脱毛、ダイエット、マスカラ、結婚相談所。モニタータイプの広告にはビューティコラムが流れる。

なんというか、「女の子が可愛くあること」への無言の圧力がすごい。

本屋に並ぶ大量のファッション雑誌、それをきちんとチェックし、毎年の流行を追いかける女子たち、「30歳までに結婚しないと」という呪文、「婚活」、テレビをつけると制服のようなコスチュームを着て踊っているアイドルたち。

全部見知った文化だし、当たり前だと思うけど、かなりびっくりした。
たぶんこれを他の国でやったら、速攻でデモが起こるんじゃないかと思う。
日本(というかアジア)の女性がファッションや美容にかける金額は世界有数だと思う。

「アイドル」という存在も日本独自のものだと思う。可愛い女の子が歌ったり踊ったりする様子を愛でるという行為がビジネスに繋がっている。
しかも高校生の制服を着ている。不思議だ。。

もちろん、女性としておしゃれをする喜びも知っているし、休みの日に好きなお洋服を着て、メイクをして、出かけるのは好きなことの1つである。
もちろん美しい女性の姿や母性に満ちた姿は憧れであり、こうなりたいと思う。

自分のキャリアの第一段階が落ち着けば、結婚もしたいし、子供も産みたいと思う。

それでも、何か「女性だからこうあるべき」という常識や無言の圧力によって、自分の将来の選択肢を狭めるのは悲しいし、ましてやそれを利用した広告やマーケティングに載せられて、ただただ何かを消費していくことは悲しい。

一方で女性だけでなく、男性が社会に背負わされている重圧があるということも理解できる。「家族を養うために会社で働く」というのは想像しただけでもすごいプレッシャーだと思う。「私もしっかり自立して働くから自分の本当にやりたいことをお互いやっていこう」と私なら言いたい。

その辺ドイツの友人知人を見ていると、のびのびとフレキシブルに夫婦それぞれ好きな仕事をしつつ、子供を育ててるから羨ましいなと思う。

女性も男性も「ただの人間」として、その人らしく幸せに生きられたらいいと思う。


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