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認知症の父が教えてくれたこと

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認知症の父が教えてくれたこと

認知症の父が教えてくれたこと

認知症ケアのキーワードは「安心」
 私の認知症についての理解が足りず、父への対応がまずくて、いろいろと大変なこと(BPSD 認知症患者の行動・心理症状)が発生しました。
ご迷惑をおかけした方たちには、本当に申し訳ないことをしてしまいました。

 大事なことに気がつくことなく、私は父のことをこっそり「管制官がいない飛行機」とか「怪獣」とか呼んでいました。
私の父親だからと親身になってくださる方たちや

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認知症の父を看取った時の話

認知症の父を看取った時の話

看取りの時、父は仏様みたいになっていました

 癌が見つかってから10か月、亡くなる5日ほど前、「トイレに起きることができなくて、失敗してしまったようなので、おむつを使います」と施設(有料老人ホーム)から連絡が来ました。
そこから父の容態は一気に悪化、ベッドで過ごすようなり、看取りの時間に入りました。

 私にできることは限られており、電動カミソリを買って、のびた髭を剃ってみたりしましたが、あんま

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認知症の父が癌になった時の話

認知症の父が癌になった時の話

 震災後に九州に移り住んでもうすぐ7年という頃、父に癌が見つかりました。
父の認知症はかなり進んで、判断能力は失い、子どものようになっていました。
超マイペースながら穏やかな日々を過ごしていた頃でした。

 認知症のかかりつけ医の定期受診(月1回)の際に、CT検査で肝臓に異常が見つかりました。
 大きな病院でMRIの検査後、医師より「肝臓癌」と。
すぐに入院し、「お腹にドレーン(管)を入れ、固定し

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認知症の父の「大丈夫!」はぜんぜん大丈夫ではなかった話

認知症の父の「大丈夫!」はぜんぜん大丈夫ではなかった話


 東北で被災した認知症の父を九州に連れてきて、かなりまずい対応をしてしまいました( ;∀;)
深く反省していることは、認知症についての知識が足りず、問題が起こり始めた時には、後始末に気をとられ、適切な対応ができなかったことです。
そのために周囲の方に多大なご迷惑をかけてしまいました。

 震災から7日目、当時私が勤務していた病院が、着の身着のままで九州に連れてきた父を入院させてくださいました。一

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親の認知症に気がついた時のこと

親の認知症に気がついた時のこと



私は九州、実家の両親は東北

 九州・東北と離れて暮らしている両親とはたびたび電話でやりとりをしていました。
電話の向こうの母と父の元気そうな声を聞いて、安心していました。
いつも地元のおいしい海産物やお菓子などを送ってくれる両親にすっかり甘えていました。

泊まりに行った娘が気がついて教えてくれたのに・・・

 2010年春、大学の春休みに東北の私の実家に泊まりに行った娘が、「おじいちゃん

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