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「米国債投資法」を読んだ感想

最近興味があり「米国債投資」について
本を探していたら、以下の本があったので
買って読んでみました。

タイトルはずばり「米国債投資法」という
本です。

著者は「杉山暢達」さんという方で、元
ゴールドマン・サックス証券のマネージング・
ディレクターをされていた人です。16年
ゴールドマン・サックスにおられて、現在
は、株式会社ゴールドハーツの代表をされ
ています。

なぜ米国債に興味を持ったかというと、
積立投信以外に魅力的な商品はないものかと、
色々探した結果、米国債にたどり着いたから
です。

本書のまえがきで、


証券会社はなぜ米国債を勧めないのか


と始まり、答えはずばり、

手数料が稼げないから

と書いてあります。金融機関にとっては、
手数料は大きな収益源の一つなので、
手数料が稼げない商品なんてどうでもいい
わけです。

顧客だけにメリットがある商品よりも、金融機関
が稼げる商品を売るほうが、利益追求しなくては
いけない企業にとってはもちろんそちらの商品
優先で売りますね。

最初のまえがきでさらに、

金融関係者は絶対に読まないでください

と書いてあります。なぜなら、

読後に、さらなる良心の呵責に苛まれるだけ
営業活動を妨害された気がして気分が悪くなる
客によけいな知恵つけやがってと怒り出すひとがいるかもしれない

とあります。面白いですね。

投資には色々ありますが、本書にも書いて
ありますが、投資には「絶対はない」です。

わたし自身、株や投信、いろんなことを
試してみましたが、どの投資にも絶対はないと
思います。

本書の第1章に、「なぜ日本人は金融リテラシー
が低いのか?」という項目があります。
金融リテラシーとは、お金に関する知恵や能力の 
ことです。

日本ではお金については中学・高校でも教わり
ませんし、大学の経済学系、経営学・商学系、
法学系学部で勉強された方ならそこで勉強できる
と思いますが、一般的にわたしたちは金融の教育
は受けていません。

金融に関する勉強をしないまま成人してしまう
人がほとんどかもしれません。そのため不用意に
株やFX、投信に手を出して失敗する人も多く
存在します。

第2章では「なぜ日本人はタンス預金が好きなのか?」
とあります。確かに、マイナス金利になって金庫
がたくさん売れたとニュースになっていたのを
思い出しました。銀行に預けても利子もほとんど
つかないなら家で、という気持ちもわかりますが、
常に盗難に合う可能性というのは否定できません。
ただタンスに眠らせておくだけでは、将来のインフレ
にも対応できません。

この第2章に、「投資信託」は運良く儲かっても
手数料負けと書いてあります。ここは、少し賛成
できないなーと思いながら読んでいました。

確かに投信で手数料の高い商品と、手数料の高い
証券会社があります。手数料の高い証券会社は
調べればわかるので、一番安いネット証券を選択で
きますし、手数料の高い商品もあれば、安い商品も
あるので、ネット証券でかつ、積立投信にして
信託報酬の安いものを選ぶという選択肢はあるの
です。なので、わたし個人的には投資信託を全否定
したくありません。実際積立投信は魅力的ですし、
iDecoも積立投信です。

第3章で米国債の仕組みについて書かれています。
本書の引用ですが、


債券とは、国や地方自治体、あるいは企業などが、
まとまった資金を調達する目的で発行する有価証券


のことです。

株は購入したときに金額よりも、株価が上昇すれば
差益が生じ、配当金のある株であれば、インカム
ゲイン(配当金)が期待できます。
債券の場合は、債券を購入するときに満期日が決まっ
ており、償還日と利回りが買ったときにわかっている
というものです。

著者は日本国債はお勧めできないと言っています。
なぜなら、格付けに不安があるのと、利回りも芳し
くないからと書かれています。やはり買うなら利回り
がよくて、格付けの高い国のものがいいですね。
米国は日本よりも金利が高いため、債券の利回り
もいいです。

債券には「利付債」と「割引債=ゼロクーポン債」
というものがあります。

利付債は定期的に利金=利子が入ってくるため、
魅力的ではありますが、本書にも書かれていますが、
将来まとまったお金を受け取りたい場合には適して
いないとあります。

ゼロクーポン債というのは、利金がつかない債券
のことです。利金がない分、購入時に額面金額より
も安い価格で購入する事が可能です。

額面金額より割引された金額で買えて、償還日には
額面金額+利回りで戻ってきます。しかも、買うと
きにすでに償還日も受け取れる利回りもわかって
いるところが米国債のゼロクーポン債の魅力です。

米国債の満期は最長で30年のものがあります。
満期日までが長いほうが利回りもよくなります。
著者のお勧めは米国債のゼロクーポン債の満期
30年のものですが、SBIをチェックしてみたと
ころ、既発の米国債は2〜25年くらいで満期に
なっていました。

新規発行もチェックしてみましたが、ありません
でしたので、現在発行されている中で購入するもの
を選ぶ必要があります。

25年も待てない!という方は、満期が2年後の
ものもありますが、利回りがすごく低くなるのと、
購入単価が高くなるので魅力が半減します。

自分の目標とする利回りのものを選択するように
しましょう。

SBIでは現在米国債(ストリップス債)というのが
一覧でありますが、これはゼロクーポン債と同じ
です。償還日が2020年〜2045年です。
2020年のものは購入単価が96.55ドルに
対し、2045年ものは42.71ドルです。
利回りも2.341%〜3.266%となってい
ます。

これからもわかるように、満期まで長いほうが
安く買え、かつ利回りもいいので、より魅力的
です。

日本の定期預金の金利が0.020〜0.150%
と比較すると、どれだけすごいかわかりますね。

この本を読むと必ず米国債を買いたくなると
思います。わたしも、著者が勧める年一度の購入で
はなく、毎月購入で始めてみようと思っています!

すべてに賛成できないものの、サラサラ読めて
面白い内容だったと思います。

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