便所にいるもの
父は職業にこそしていませんでしたが、生まれついての霊能力者でした。
霊を見ることができ、話をすることが出来ました。
幼い頃から、父の体験した奇妙な話の数々を聞かされて来たからか、私は霊に対して免疫ができ、怖さよりも好奇心の方が先立っていました。
そんな父が小学生の頃に体験した話は、好奇心旺盛な幼い私でも想像するだけで戦慄が走ります。
父の生家は、熊本県人吉市の中心部。木造平屋建ての一軒家。
少年時代の父は、深夜に目が覚めて寝ぼけ眼をこすりながら、自分の部屋の障子を開けて、縁側の突き当たりにある便所へいつものように用を足しに行きました。
便所の戸を開けて灯りをつけると、そこには先客が!
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