認知バイアス入門


認知バイアスとヒューリスティクス

認知バイアスとは

認知バイアスとは、「物事の判断が、直感やこれまでの経験にもとづく先入観によって非合理的になる心理現象のこと」(Wikipediaより)です。
よく分からないかもしれませんが、大丈夫です。次のヒューリスティクスに進んでください。
ちなみに、「認知」は外界を認識すること、「バイアス」は日本語で「偏り」を意味します。

ヒューリスティクスとは

似たような用語にヒューリスティクスがあります。
ヒューリスティクスとは「必ずしも正しい答えを導けるとは限らないが、ある程度のレベルで正解に近い解を得ることができる方法」「答えの精度が保証されない代わりに、解答に至るまでの時間が短いという特徴がある」(Wikipediaより)です。
簡単に言えば、経験による直感で判断することです。
例えば「喉が渇いたので自販機に立ち寄ったら、その隣にドラッグストアがあったので、ドラッグストアで飲み物を買おう」と判断すること(=ヒューリスティクス)は、ドラッグストアは自販機よりも飲み物が安いことを経験により知っているからです。
しかし、自販機の方が安いかもしれませんし、そもそもそのドラッグストアは飲料の取り扱いがない店舗かもしれません。

2つの用語の関係性は次のとおりになります。
ヒューリスティクスの誤りのうち、人に共通する偏りが認知バイアスです。誤り全てが認知バイアスというわけではない点に注意してください。

ミュラー・リヤー錯視

認知バイアスの例を挙げます。
冒頭で紹介したとおり、認知とは外界を認識することなので、目で見た情報も対象になります。

よく見る画像

中央の横棒の長さは、上下ともに等しいのですが、左右の角が内向きか外向きかで、横棒の長さが異なって見えます。上が長く、下が短く見えます。
「上下どちらが長いか」1万人にアンケートを取ったとしましょう。
同じ長さの棒であれば、どちらを選ぶかは2分の1ですから、上を選ぶ人の割合と下を選ぶ人の割合は同じくらいになるはずです。
しかし、認知バイアスによって、上を選ぶ人の割合が多くなるでしょう。誤りに偏りが出るわけです。

代表性ヒューリスティクス

代表制ヒューリスティクスとは

不確実な事象を予測する時に用いるものですが、認知バイアスによって、基礎的な確立の法則を無視してしまうことがあります。

ギャンブラーの誤謬(少数の法則)

コインを5回投げたとき、連続で5回表が出たとします。次に投げたときに出るのは表か裏か。
直感で選べば、なんとなく裏のほうが出やすい気がしませんか?私はそう思います。
これも1万人にアンケートを取りましょう。
コインの表裏について、過去5回の結果は、次の6回目に全く影響しませんので、表が出る確率も裏が出る確率も同じです。
したがって、1万人が全員合理的に考えれば、表も裏も、選ぶ人の割合は同じになるはずです。
しかし、認知バイアスにより、裏を選ぶ人の割合が多くなるでしょう。

トレードで例えると

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