【個人的な満足度】

2023年日本公開映画で面白かった順位：15/109
　　ストーリー：★★★★★
　キャラクター：★★★★★★★★★★
　　　　　映像：★★★★★★★★★★
　　　　　音楽：★★★★★
映画館で観たい：★★★★★

【作品情報】

　　　原題：K.G.F: Chapter 1
　　製作年：2018年
　　製作国：インド
　　　配給：ツイン
　上映時間：154分
　ジャンル：アクション
元ネタなど：なし

【あらすじ】

1951年、スーリヤワルダン（ラメーシュ・インディラ）はコーラーラ近郊で金鉱（KGF）を発見。すべてを一族で管理して巨万の富を築く一方で、労働者は外部から遮断され奴隷のように働かされていた。

同じ年にスラム街でひとりの少年が生まれる。少年は唯一の身内であった母を10歳のときに亡くし、生き残るためにマフィアの下で働き始める。ロッキー（ヤシュ）と名乗った少年は、マフィアの世界でのし上がっていく。

やがて最強のマフィアとなったロッキーは、ボスからKGFの支配者であるスーリヤワルダンの息子を暗殺するよう指令を受けるのだが…。

【感想】

『K.G.F』シリーズ第1作目。もともとインドでは2018年に公開されていたんですが、このたび満を辞して日本でも公開となりました！予告の時点でかなり楽しみにしていたんですが、実際に観たら「なんじゃこりゃああああ！！」ってぐらい振り切りまくったインド映画でした。なんかもういろいろすごくて理解が追いつかない。。。（笑）

＜構成がちょっと複雑＞

この映画、ストーリーとしてはシンプルです。スラム出身の少年がマフィアの下で働いているうちに、頭角を表して偉くなっていくというわかりやすいものですから。ただ、構成がややこしいんですよね。というのも、主人公のロッキーが生まれた1951年～幼少期の1961年あたりと、彼がチンピラとして活躍し始める1978年あたり、そして現代と3つの時間軸を行ったり来たりしているんですよ。なので、ものすごく展開が早くパッパッと進んでしまうので、テンポがいいと言えばいいんですが、油断するとすぐに置いてけぼりをくらいかねない（笑）ちょっと気合い入れて集中して観た方がいいかもしれません。

＜主人公の強さがチート＞

そんなちょっと複雑な構成にも関わらず、これがメチャクチャ面白いと感じられる理由は、ロッキーのぶっ飛んだキャラクター設定があるからです。この人、スーパーヒーローでも何でもない一般人なんですが、とんでもなく強いです（もともと腕っぷしは強いんですけど、常識のレベルを超えてます）。鍛え上げられた分厚い胸板とぶっとい二の腕を駆使して敵をフルボッコ。相手をロングハンマーでぶん殴ったかと思いきや、数メートルも吹っ飛ばしちゃって。「人間ってあんなに吹っ飛ぶか？」ってモブキャラからツッコミを入れられるほどです（笑）その圧倒的な強さで敵をボコボコにしていくシーンがこの映画の一番の見どころ。後半で、ひとりで23人もの相手を全滅させてしまうシーンは、まさに『RRR』（2022）のビームとラーマを彷彿とさせますね。

＜女性に対しても自信がチート級＞

そんな屈強なイメージのロッキーですが、女性の前ではまた違った顔を見せてくれるのも魅力的です。ヒロインのリナ（シュリーニディ・シェッティ）に初めて会ったときなんて、「おめでとう。僕が君を愛した」なんて言っちゃって、「おまえその自信どっからくるん？」ってびっくりするほど。こんなセリフ、他の国の映画ではまず目にしませんよね。最初は「はあ？」みたいな感じのリナでしたが、徐々にロッキーに惹かれていき、最後には大好きになってしまいます。男子たるもの、常にああいう自信は持ち合わせていたいものですね（笑）

＜音がうるさい＞

この映画で少し気になったのが、音の大きさです。とにかくうるさいんですよ（笑）全体的にBGMの音量がデカくて、「音量設定合ってるのか、、、？」って感じました。別にIMAXとかDolby Atmosとかではなく、普通のスクリーンでですよ？まあ、そのおかげで長い尺でも眠くならずに済むんですが、とにかく音の大きさに驚きます。

でも、歌はやっぱりかっこいいんですよね～。インド映画十八番の煌びやかなダンスはもちろんのこと、力強い歌も健在でした。ロッキーを讃えるような歌もあり、本当にこれはロッキーのロッキーによるロッキーのための映画かってぐらい彼を持ち上げてましたね。インド映画って、こうやって主人公をとにかく強くかっこよく描くことに長けてるよなあと改めて思いました。

＜そんなわけで＞

インド映画らしく相変わらず尺は長めですが、そんなの気にならないぐらい目まぐるしい展開とド派手なアクションが面白い作品でした！これはぜひ映画館で観ていただきたいですし、続く『Chapter 2』がどんな話になるのか楽しみすぎです！