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元海兵の狙撃手だったおじさんと母親を亡くした少年のロードムービー『マークスマン』

【個人的な評価】

2022年日本公開映画で面白かった順位:5/7
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【ジャンル】

ロードムービー
アクション

【原作・過去作、元になった出来事】

なし

【あらすじ】

愛妻に先立たれ、メキシコ国境付近の町で牧場を営みながら、愛犬と暮らす元海兵隊の腕利き狙撃兵、ジム・ハンソン(リーアム・ニーソン)。ある日、メキシコの麻薬カルテルの魔の手を逃れ、越境してきた母子を助けたことから、彼の運命は大きく変わり始める。

カルテルに撃たれた母親は、ジムに11歳の息子ミゲル(ジェイコブ・ペレス)を託して絶命した。ミゲルをシカゴに住む親類のもとに送り届けて欲しい――日々の生活に手いっぱいのジムだったが、仕方なくこれを引き受ける。

一方、米国に侵入したカルテルは執拗に彼らを追撃。迫りくる危機に、ジムは必死に抵抗する。

果たして彼は、ミゲルを守り、シカゴにたどり着くことができるのだろうか。

【感想】

これまでいろんな作品で"荒ぶるおじさん"を演じてきたリーアム・ニーソン。今作ではこれまでとは違って、やや哀愁漂う雰囲気になっているのが意外なところでした。とはいってもですよ?銃撃戦や格闘など、相変わらずアクションは多めで楽しめる内容なので、そこは安心してください。

<まさかの『クライ・マッチョ』と共通点が多い>

先日観てきたクリント・イーストウッドが監督・主演を務めた『クライ・マッチョ』(2021)。今回の映画、要素としてはそれとメチャクチャ共通点が多いんですよ。

まず、主人公は妻に先立たれた孤独な男で、生活は困窮していること。でも、若いときはすごかったという設定なんですよね。『クライ・マッチョ』のマイクは元ロデオスター、今回のジムは元海兵隊の狙撃手ですから。そして不本意ながらも、ひょんなことからメキシコ系の少年と車に乗って逃避行。ペットもいっしょに。あと、テンガロンハットが似合うと(笑)

今作の監督はロバート・ローレンツという方で、過去のクリント・イーストウッド作品で助監督も務めていたとのこと。だからというわけではないと思いますが、同じ時期に同じ要素の映画が公開されて、しかも監督同士は繋がりがあるという偶然はちょっとすごいですよね(笑)

<似て非なる構成>

要素は似ていますが、ジャンルはまるで違います。『クライ・マッチョ』はヒューマンドラマなのに対して、『マークスマン』はアクションです。なので、個人的にはエンタメ感ある『マークスマン』の方が好きでしたね~。

民間人を殺すことも厭わない残虐な麻薬カルテルとの銃撃戦に、ちょっとしたカーチェイス。さらに、元狙撃手というキャリアを生かした必殺攻撃を行うリーアム・ニーソンの姿は渋すぎてかっこよかったです!やっぱり"荒ぶるおじさん"は健在でした。同じような設定でも、こうまで違いが出るっていうのも面白いです。

<いろんなことを経験したからこそ言える若者へのメッセージ>

似た要素、でも違うジャンル。そんな2つの映画におけるメッセージ性は共通していました。それは、「自分の道は自分で選べ」ということ。クリント・イーストウッドは91歳、リーアム・ニーソンは69歳。過去、数多くの映画に出演し、幅広い役を演じてきました。当たり前の言葉でも、いろんな経験をしてきた彼らだからこそ、役としてだけでなく、彼ら自身の言葉として説得力あるなと感じられますね。

<そんなわけで>

クライ・マッチョ』と『マークスマン』、どちらもテンガロンハットが似合いまくりな渋いおじさんはそれだけで画になりますよね。内容は似通っていますが、ヒューマンドラマが観たいなら『クライ・マッチョ』、アクションが観たいなら『マークスマン』がいいかと思います。というか、もう両方観ちゃいましょう!(笑)


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