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石油泥棒というぶっ飛んだ設定にハマるも、ラストのグダグダコメディがもったいなかった『パイプライン』

【個人的な評価】

2022年日本公開映画で面白かった順位:17/24
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【ジャンル】

犯罪映画
クライムアクション
コメディ

【原作・過去作、元になった出来事】

なし

【あらすじ】

盗油業界最高の穿孔技術者ピンドリ(ソ・イングク)。彼は、数千億ウォンの石油を盗むための大計画をぶち上げた大企業の後継者ゴヌ(イ・スヒョク)の提案を拒めず、危険極まりない作戦に合流する。

そこには、プロ溶接工のチョプセ(ウム・ムンソク)、地中を透視できるかのように把握しているナ課長(ユ・スンモク)、怪力の人間掘削機ビッグショベル(テ・ハンホ)、彼らを監視するカウンター(ぺ・ダビン)といった、個性的なメンバーが集っていた。

しかし、異なる目的を持つ者たちが騙し騙されながら、計画は予想外の方向にこじれ始める…。

【感想】

相変わらず設定が面白いですね、韓国映画は。とはいえ、個人的にはちょっと期待外れだったんですよね。。。韓国映画って、メチャクチャ面白いのとそうでないのとで、だいぶ差が激しい気がしません?(一方、邦画はそこまで差がつかずに平均的っていう印象がありますけど)

<"盗油"という発想の面白さ>

本作の題材は、石油を盗む"盗油"と呼ばれる特殊犯罪です。産油国でない日本では聞きなれない言葉ですが、韓国では実際に社会問題になっているらしいですね。

これ、石油を運ぶトラックを強奪するとか、そんなハイリスクな話ではないんですよ。石油が通る地中のパイプに穴を開け、そこからホースなどで石油を抜き取ろうというものです。なので、地中の構造を把握していなければなりませんし、そこまで正確に穴を掘る必要もあります。やっとパイプにたどり着いた後も、手作りの特別なドリルで慎重に穴を開けなければならないので、専門知識やスキルが必要とされる高度な犯罪なんですよ。

そんな盗油事情を真正面から描いたのは、韓国映画の中でも初めてじゃないですかね。日本では起こり得ない犯罪自体に、とても興味がわく内容ではありました。

<シリアスなのかコメディなのかどっちつかず>

ここが僕がハマりきれなかった要因です。犯罪映画ってことで、ハラハラする展開やシリアスな雰囲気ももちろんあります。なのに、ちょいちょいコメディ要素が入ってきて、それはそれで笑えるんですけど、作品全体としてあんまり統一感がなかったんですよね。どうせなら、もっとコメディに振り切って欲しかったですね。キャラクターもいい個性を持っていましたし。

特に、ラストの乱闘シーンからはだいぶグダグダしてて、せっかく作り上げてきたクライムアクション感がちょっと台無しになってました(笑)先に書いたように、トラック強奪みたいな派手さがない分、こういうコメディ要素で抑揚をつけたのかもしれませんね。ただ、ミートスパゲティにタバスコ入れまくって、ちょっと違う食べ物になってしまったっていうイメージです(笑)

<そんなわけで>

繰り返しになりますが、題材は本当によかったです!それだけに、話のテイストがうまく合っていなかったので、すごく惜しいなっていう印象だけが残ってしまいますね。盗油という特殊犯罪がどんなものなのかを知るにはいいかもしれません。


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