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30年前だったら面白かった気がする『七人の秘書 THE MOVIE』

【個人的な満足度】

2022年日本公開映画で面白かった順位:140/151
  ストーリー:★★★☆☆
 キャラクター:★★★☆☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★☆☆☆

【作品情報】

  製作年:2022年
  製作国:日本
   配給:東宝
 上映時間:118分
 ジャンル:アクション
元ネタなど:テレビドラマ『七人の秘書』(2020)

【あらすじ】

熾烈な戦いの末に政界のドンを辞任に追いやった秘書たちは、今日もラーメン萬で平和な日々を噛みしめていた。

そんな彼女たちのもとに新たな依頼が舞い込む。今度のターゲットは信州一帯を支配する「九十九ファミリー」。表の顔は経済を潤してくれる地元の名家だが、裏の顔は国家と繋がり私腹を肥やすためには手段を厭わない極悪一家だった…。

過去最大の悪人を懲らしめるため、雪深き地に向かった七人。しかし、そこで彼女たちを待ち受けていたのは、絶体絶命…史上最高難易度の任務と、決して知られてはいけないある秘密だった!

【感想】

テレビドラマ版を観ていたからという理由で鑑賞しました。結論から言いますと、テレビドラマ版にハマらなかったら、やっぱりハマりません(笑)

<設定自体は一見面白そう>

もともとの設定を簡単に説明しますね。世の中を動かしているのは"影の黒子たち"ってことで、警察や病院、銀行などいろんなところの"秘書"たちが結託して悪いやつらを懲らしめるという内容です。要は「裏方の人たちが実はすげぇ」っていう構図ですね。期待できそうな感じはするんですが、、、個人的にはピンと部分が多かったです。

<秘書のキャラクターが薄い>

もう本当にこれに尽きちゃうんですけど、七人の秘書がキャラクターとして物足りないんですよ。具体的には「一言で言い表せない」ってことですかね。七人もいるならそれぞれ特殊能力というか、得意分野が欲しいところなんですけど、それがほとんどないんですよ。まあ、性格はみんな違いますし、なんとなくの役割はあるっちゃあるんですけど、「美貌で男をたぶらかす」とか「変装の達人」とか「大食い」とか、そういうのがなくて。せめてイメージカラーだけでもあればいいんですけどね。こういうのはやっぱり洋画の方が見せ方はうまいなと思いますよ。『オーシャンズ8』(2018)や『ハスラーズ』(2020)など、体型や人種、ファッションで強い個性を演出していますから。

<女性の社会的立場の変化>

次に、「秘書だから」っていうギャップが今となってはあまり意味を感じられないんですよ。この作品、本来は黒子である秘書がひと暴れするっていうところに面白さを感じるんだと思います。これが30年前とかでね、秘書はおろか、女性がまだ社会でそこまで活躍できなかった時代なら、そのギャップを強く感じたと思います。でも、今は女性もトップを走る時代じゃないですか。秘書の役割だって、昔よりもいろいろ変わってきているんじゃないでしょうか。だから、彼女たちがあれこれ手をまわして、作戦を練って、悪者をギャフンと言わせる構図は、今となっては珍しくもなんともないかなって。世代的には、昔の『ショムニ』シリーズの方が、「裏方が実はすごい」というギャップを感じられて面白かったです。

<映画版で何か変わったのか>

まあ、今回は映画ということもあって、テレビドラマ版よりは見ごたえあるストーリーではありました。だからといって、映画とドラマで大きな差はないですね。逆に2時間に収めようとして、ちょっと無理矢理になっているところさえありましたよ。メインの七人が九十九ファミリーの関係者にそれぞれ秘書として潜入する設定なんかはだいぶ都合がいいというか、「そんな秘書ばっかりになる?」って違和感もあったりなかったり(笑)終盤は大乱闘っぷりを見せてくれましたが、アクションは、、、まあ、、、そこまですごいものでもなく。。。この作品、コメディ、ロマンス、サスペンス、アクションといろんな要素があるんですが、どれも中途半端な印象でした。どれかひとつに振り切ってくれた方がよかったんじゃないかなあ。

<そんなわけで>

テレビドラマ版を観ていなければ、映画を観てもそんなに楽しめないかと思います。なので、あくまでもファン向けの映画って感じですね。


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