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過去作の要素を余すことなく取り入れた演出にエモさはあるけど、ストーリーはちょっと盛りすぎじゃないかなと思った『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』

【個人的な満足度】

2023年日本公開映画で面白かった順位:30/91
  ストーリー:★★★★☆
 キャラクター:★★★★★
     映像:★★★★★
     音楽:★★★★★★★★★★
映画館で観たい:★★★★★

【作品情報】

   原題:Indiana Jones and the Dial of Destiny
  製作年:2023年
  製作国:アメリカ
   配給:ディズニー
 上映時間:154分
 ジャンル:アクション、アドベンチャー
元ネタなど:映画『インディ・ジョーンズ』シリーズ(1981-)

【あらすじ】

ある日、考古学者で冒険家のインディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)の前にヘレナ(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)という女性が現れる。
彼女はインディが若き日に発見した伝説の秘宝「運命のダイヤル」の話を持ち掛けてきた。

それは“人間の想像を超える力”を持つ謎に満ちた伝説の秘宝であり、手にした者は神にもなれるというのだ。その「運命のダイヤル」を巡ってインディは、因縁の宿敵である元ナチスの科学者フォラー(マッツ・ミケルセン)を相手に、世界を股にかけて争奪戦を繰り広げることとなる。

【感想】

インディ・ジョーンズ』シリーズ第5作目。第1作目から42年、前作から15年経っての新作ですね。「アドベンチャー映画と言えばコレ!」ってぐらい不動の人気を手にし、第1作目が公開された後には考古学を専攻する若者が増えたとか。僕も小さい頃からこのシリーズが大好きで、この映画のおかげで古代遺跡の探検とかにいまだに憧れがあります(笑)ただ、本作については、個人的にはよかったところとそうでもなかったところがけっこう如実に感じられました。

<とにかくエモさを突いてくる>

まずよかったところですが、とにかく全体的にエモみが強いです。もうさ、ハリソン・フォードがすごいんですよ。再来週には81歳になるのに、年齢とか関係なしにあんなアクションに挑戦しちゃうんですから。おなじみの帽子とムチを使って、いまだにあの雄姿を映画館のスクリーンで拝めることに感謝ですね。また、古代遺跡での暗号解読や謎解き、大量の虫の登場に加え、市街地でのカーチェイスなど、過去シリーズでも見どころだったシーンも多く、安定した面白さがありました。特にラストの演出は最上級のエモみですよ!僕は本作を観るために過去作を全部観てから臨んだのでピンときました。本作を観る前に過去作を復習しておくとより楽しめると思います!

<意外となくなっている『インディ・ジョーンズ』のよさ>

逆に微妙だなと思ったところは、ストーリーとキャラクターそれぞれにあります。1980年代に作られた三部作は本当に面白くて、ストーリーもキャラクターも★10個つけちゃうぐらいなんですが、正直、今回の映画はそこまで振り切れなかったですね。。。

ストーリーについては、前作の『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(2008)のときにもまったく同じことを感じたんですが、ちょっとSF要素が強いんですよ。考古学を軸に古代の秘められし謎を解き明かしていくのがこのシリーズのウリだと僕は思っていて、確かに今作にもその要素はあるんですが、「おまえもかーい!」ってツッコミたくなる方向に行っちゃってですね(笑)これはこれで夢のある設定ではあるんですが、別にインディ・ジョーンズで観たい流れじゃないなーって。なんか、最近のハリウッド映画、みんなこんな展開じゃないか(笑)しかも、この手のジャンルの映画にしては2時間半と尺も長く、途中少し間延び感もありましたね。スティーヴン・スピルバーグが監督をしていたら、もっとテンポよく進んでいたんじゃないかなーって思ったり。

<落ち着いてしまったインディ>

キャラクターについては、インディ・ジョーンズの特徴であった"女性にモテる"っていう要素がなくなってしまったのが少し寂しいです。もともとこのキャラクターはジェームズ・ボンドを参考に作られているようで、80年代の三部作ではとにかく女性にモテるんですよ。何もしなくても向こうから寄って来ちゃうし、いちいち女性が喜びそうなことをサラッと言っちゃう。半ば強引に迫り、決して女性に媚びることのない態度が魅力なんですかね(ただしイケメンに限るだけかもしれませんがw)。まあ、今回の映画ではインディも70歳ぐらいの設定ですし、さすがにいつまでも女性関係を派手にしておくわけにはいかないんでしょうけど。例えば、ヘレンを親友の娘と気づかずに口説いちゃうっていうシーンがあっても面白かったんじゃないかなって思います(笑)そういう意味では、昔みたいに笑える要素も今回は少なかった気がしますね。

まあ、シリーズが5作も続き、時間的にも42年も経っているんじゃ、いろいろ昔のままってわけにもいかないのは重々承知ですが、もう少し昔のインディらしさを残しておいてくれたら、、、と勝手ながらに感じました。

<そんなわけで>

なんだかんだで面白い映画ではあります。年齢を感じさせないハリソン・フォードの演技と、過去作を彷彿とさせるエモい演出は楽しめました。敵役を演じたマッツ・ミケルセンもよかったですし、あのテーマ曲を聴くだけでテンションが上がるので、それだけでも一見の価値アリだと思います。


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