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ただのコスプレチャンバラと思うなかれ!時代劇×タイムトラベルのスーパーヒーロー映画『映画刀剣乱舞-黎明-』

【個人的な満足度】

2023年日本公開映画で面白かった順位:19/50
  ストーリー:★★★★☆
 キャラクター:★★★★★
     映像:★★★★★
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★★★

【作品情報】

   原題:-
  製作年:2023年
  製作国:日本
   配給:東宝
 上映時間:115分
 ジャンル:アクション
元ネタなど:ゲーム『刀剣乱舞 ONLINE』(2015-)

【あらすじ】

西暦995年 京都。藤原道長(柄本明)が栄華を極めた平安期の都。

道長と安倍晴明(竹財輝之助)の密談により、大江山に棲まう鬼・酒呑童子(中山咲月)の討伐を命じられた源頼光(津田寛治)。任務を遂行しようとする彼らの前に、歴史改変を目論む“歴史修正主義者”が放った“時間遡行軍“が現れる。この窮地を救ったのが、三日月宗近(鈴木拡樹)ら歴史を守るべく戦う“刀剣男士“たちであった。

彼らの活躍により、無事に任務は完了したかに見えた。しかし、酒呑童子の最期の呪いを受けた山姥切国広(荒牧慶彦)は、光と共に姿を消してしまう――。

西暦2012年、東京。高校生の琴音(秋田汐梨)は下校中に、禍々しい影と戦う一振りの太刀を目撃する。一方、日本各地で人々が突然意識を失う事件が多発。さらに、時間遡行軍が各地に出現していた。

時の政府から派遣された刀剣男子・山姥切長義(梅津瑞樹)は、事件への関与が疑われる山姥切国広の確保をはじめとする特命任務を開始する。

消えた山姥切国広、それを追う三日月宗近の運命は?時間遡行軍の真の目的とは!?

【感想】

もともと興味のある映画ではなかったのですが、前作を観ていたので鑑賞。各レビューサイトの評価は軒並み低いんですけど、個人的にはかなり楽しめました!これもうスーパーヒーロー映画じゃんって。まあ、それがファンの方からすると微妙なのかもしれないんですけど(笑)

<舞台が現代になったことで異世界転移な雰囲気が強い>

前作は、本能寺で織田信長の死を回避させようとする時間遡行群と、その歴史改変を阻止したい刀剣男士たちとの時を超えた戦いでした。今回の舞台は現代の日本。平安時代に無念のまま死んでいった酒呑童子がその恨みを1000年後に爆発させるというこれまた時空を超えた戦いです。

前作は時代が天正ということもあって、ファンタジーな時代劇という印象が強かった反面、今作は舞台が現代になっており、そこに刀剣男子たちがやって来るという異世界転移の雰囲気が強かったですね。刀剣男士があのコスプレじみた格好で、街を歩きまわるミスマッチが笑えますし、女子高生やギャルといっしょにいる画がシュールすぎます(笑)いや、そこはもっとその時代に合った格好しなよって。目立たない方が任務も遂行しやすいんじゃないのかって。まあ、術で人々の意識を変えられるから必要ないのかもしれませんけど(笑)

<刀剣男子をかっこよく見せる演出がパワーアップ>

今回の映画は、やっぱり刀剣男子たちの活躍が一番の見どころです。最初の登場のシーンからかっこよかったですし、終盤で起こる渋谷のスクランブル交差点での大乱戦は興奮モノでした。オール刀剣男士集結みたいな構図で、もはやニッチなファン層にしか刺さらなそうな作品の枠組みを超えて、日本が誇る特撮ヒーローに匹敵するかっこよさを感じましたね。そう、これはもうスーパーヒーロー映画なんですよ。前作以上に、洋画や邦画のヒーローモノのいいところを取り入れている感じがして、個人的にすごく刺さりました。まあ、みんな日本刀から生まれてるから、攻撃手段が斬撃だけになってしまう偏りはありますけどね(そういえば、ひとり銃使うやついたな、、、?)。

<ちょっと気になる点>

ストーリーは前作より少しだけ複雑な印象を受けました。今回の目的は酒吞童子の1000年に及ぶ恨みを解消することと、消えた山姥切国広を探し出すことです。目的自体はシンプルなんですけど、その酒吞童子と1000年後に彼の恨みが詰まったアイテムを持つ伊吹という人物は、同じ中山咲月さんが演じられているので、生まれ変わりなのか、それともたまたま同じ役者を使っただけで別人なのかがわかりづらかったです。あとは、恨みというのが漠然としすぎていて、それで1000年も持つかなあという動機の弱さも感じました。伊吹のエピソードも取ってつけたような印象を受け、やや無理矢理っていう気もしますね。

また、本丸の扱いが全然わからなくて。原作のゲームは触り程度しかやってないからイメージしづらいんですけど、刀剣男士たちの拠点なんですよ。でも、各時代に複数ある上に、それぞれに同じキャラがいるという設定なんでしょうか?三日月宗近がへし切長谷部(和田雅成)に対して、「ウチの長谷部とは雰囲気が違うな」みたいなことを言っていたから、長谷部が複数いるってこと、、、?マルチバース、、、?まあ、そこがわからなくても本筋には関係ないんですけど。

<そんなわけで>

時空を超える時代劇として、個人的には面白いと思える映画でした。多分、ゲームやら舞台やらで好きな人と、この映画だけを観た人では感じ方が全然違うと思いますが、レビューサイトの点数の低さほどつまらなくはないと思います。もしかしたら、往年のファンよりもスーパーヒーロー映画が好きな方が刺さるのかもしれません。


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