見出し画像

究極のフュージョン!ライバル同士が手を取り合うとき、すべてを凌駕するダンスパフォーマンスが生まれるボリウッド発の最高のダンスバトル映画『ストリートダンサー』

【個人的な満足度】

2024年日本公開映画で面白かった順位:5/32
  ストーリー:★★★★★
 キャラクター:★★★★★★★★★★
     映像:★★★★★★★★★★
     音楽:★★★★★
映画館で観たい:★★★★★★★★★★

【作品情報】

   原題:Street Dancer 3D
  製作年:2022年
  製作国:SPACEBOX
   配給:インド
 上映時間:142分
 ジャンル:ヒューマンドラマ、ダンス
元ネタなど:なし

【あらすじ】

※公式サイトより引用。
舞台はロンドン。インド系の青年サヘージ(ヴァルン・ダワン)率いるダンスチーム「ストリート・ダンサー」と、パキスタン系の女性イナーヤト(シュラッダー・カプール)率いるダンスチーム「ルール・ブレイカーズ」はライバル同士で、街中で鉢合わせするたびに、火花を散らすダンスバトルを繰り広げていた。

そんなある日、10万ポンド(約1,800万円)の賞金が獲得できるダンスバトル「グラウンド・ゼロ」の開催が発表される。別々の目標のもとグラウンド・ゼロに参戦したサヘージとイナーヤトだったが、あるきっかけから友情が芽生え、同じ目的を持ち、コンペティションを勝ち進んでいく…。

【感想】

インドのダンス映画『ABCD』シリーズ第3作目。なんだけど、『1』と『2』は日本では配信されておらず、僕も残念ながら未鑑賞です(話の繋がりはないらしいですが)。これ、インド映画でまさかのダンス映画というある意味意外な作品なんですけど、これがメチャクチャ面白かったんですよ!もうね、「ナートゥ」を生み出した国は違うなと。圧巻のダンスパフォーマンスに身も心も持って行かれました(笑)

<もはやダンスじゃねぇよ、、、ショーだよ。。。>

インド映画って、ただでさえ歌と踊りが入るじゃないですか。だから、別にダンス映画にしなくても踊りは観れるよなあと思っていたので、わざわざダンス映画にしてくるところに意外性を感じたんですよね。でも、こんなものすごいパフォーマンスを見せてくれるなら、そりゃ改めてダンス映画を作るなって思います。

タイトル通り、ここで観ることができるダンスは基本的にはストリートダンスです。なんですが、インド映画らしい独特な振り付けがあったり、マジックと掛け合わせたイリュージョンがあったり、中国雑技団かと思うような複雑な技があったり、クラシックバレエの要素があったりと、もういろんな技がありすぎて、もはやダンスという枠組みを超えたショーでしたね。僕はダンスをやったことないので、個々の動きがどれほどすごいのかわかりませんし、もしかしたらダンスをやっている人からしたら、実はこの映画で披露されるものは、動き自体は難しくないと言うかもわかりませんが、なんにせよ視覚的なインパクトは一目瞭然ってぐらいデカいです!また、各チームにはそれぞれカラーがあって、それがまた『HiGH&LOW』シリーズ(2015-2022)における各勢力の設定にも見えて中二心をくすぐります。

最後のダンスバトル大会なんて開いた口が塞がらないほどの衝撃でした。床に横一列でうつ伏せで並んで、その状態から順番に跳ね上がって、その背中の上を駆け上がって高所から着地する人がいるとかどんな技だよって。しかも、この大会って『ピッチ・パーフェクト』シリーズ(2012-2017)のアカペラバトルみたいに交互に技を披露していく流れでものすごく白熱してるんですよ。その上、みんな体の鍛え方がハンパじゃないからすべてが画になってるんです。男性はみんな腹筋がエイトパックでしたし、女性もほどよい筋肉がついてて、動きがダイナミックに見えて眼福すぎました、、、!

<青春感あるストーリー展開も面白い>

話の8割はダンスでしたけど、ストーリーもわかりやすくてよかったですよ。「ストリート・ダンサー」はインド人のチームで、「ルール・ブレイカーズ」はパキスタン人のチームなので、もともと反りが合わないんですよ。そんないがみ合ってばかりいた両者ですが、"ある目的"のために手を組んで史上最強のパフォーマンスを披露するっていう構図が、孫悟空とベジータのフュージョンみたいでハマります(かめはめ波を思わせる振り付けもありましたw)。まあ、大会の途中で所属チームを変更していいのかってツッコミはありましたけど(笑)

その過程で、自己顕示欲のためだけに踊っていた「ストリート・ダンサー」を率いるサヘージが、自らの過ちに気づき、他人のために踊ろうと成長していく姿や、手を取り合うことでライバルの「ルール・ブレイカーズ」を率いていたイナーヤトといい感じになるなど、青春っぽい要素もあって楽しめるのもこの映画のいいところです。

<インド映画にしてはめずらしいなと思った点>

この映画を観ていて、特徴的だなと感じた点が2つありました。1つ目は、舞台がロンドンだったことです。大体インド映画ってインドが舞台のことが多いんですけど、これは出てくる人のほとんどがインド人なのにも関わらず、場所はロンドンだったんですよね。『RRR』(2022)でも描かれていますが、インドとイギリスの関係性からしてけっこうめずらしいですよね。イギリス人はまた嫌なやつとして描かれていましたけど(笑)

2つ目は、主人公のサヘージとヒロインのイナーヤト、家がすんごい広いんですよ。家族についての描写があまりないので、親が何をしている人なのかはわかりませんでしたが、インド人でイギリスに住み、それでいてダンスをやる人ってとんでもない裕福な家庭の子供ってことなんでしょうか。と同時に貧しくてホームレスを余儀なくされている人たちもいたので、ロンドンにおけるインド人の格差みたいなのがあるのか気になりました。

<そんなわけで>

観る者すべてを魅了するダンスパフォーマンスはぜひ映画館で観ていだきたいですね。最初はダンスばかり見せられていることに「これインド映画じゃなくてもよくね?」って感じていましたが、そのダンスがあまりにも素晴らしくてどんどんハマっていくのが自分でもわかりました。

そういえば、日本にも素晴らしいダンサーはいますし、小学校の体育の授業にもダンスってありますよね。その割には、邦画でダンス映画って全然観ないのは何か理由があるんですかね~。お客さんを呼べる有名な役者さんの中で踊れる人がいない(かつダンスを習得するほど時間が取れない)とか、、、?


この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?