マーベルとスター・ウォーズのキャストによる"SF×サトラレ"だった『カオス・ウォーキング』
【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:187/244
ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
映像:★★★☆☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆
【要素】
SF
アクション
サトラレ
【元になった出来事や原作・過去作など】
・小説
パトリック・ネス『心のナイフ』(2008)
【あらすじ】
西暦2257年、〈ニュー・ワールド〉。そこは、汚染した地球を旅立った人類がたどり着いた〈新天地〉のはずだった。だが、男たちは頭の中の考えや心の中の想いが、〈ノイズ〉としてさらけ出されるようになり、女は死に絶えてしまう。
この星で生まれ、最も若い青年であるトッド(トム・ホランド)は、一度も女性を見たことがない。あるとき、地球からやって来た宇宙船が墜落し、トッドはたった1人の生存者となったヴァイオラ(デイジー・リドリー)と出会い、ひと目で恋におちる。ヴァイオラを捕えて利用しようとする首長のプレンティス(マッツ・ミケルセン)から、彼女を守ると決意するトッド。
2人の逃避行の先々で、この星の驚愕の秘密が明らかになっていく──。
【感想】
"ジャケ買い"じゃないですけど、キャストに惹かれて観たこの映画!しかしながら、ハリウッドで時々見かける"あのパターン"の映画かなって印象でした。つまり、キャストは豪華なのに、映画としては、、、あれれ?っていう(笑)
<キャストからにじみ出る超大作感>
キャストはね、本当にすごいんですよ。MCUの『スパイダーマン』シリーズで、主人公ピーター・パーカーを演じたトム・ホランド。『スター・ウォーズ』の続三部作で、主人公レイを演じたデイジー・リドリー。そして、『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)のル・シッフル役や、『ドクター・ストレンジ』(2016)でカエシリウス役を演じたマッツ・ミケルセン。もうね、まるっとディズニー好きの人からはおなじみすぎるメンツですよ。しかし、肝心のお話が。。。
<日本にあったとある作品に似た設定>
本作の設定は、簡単に言ってしまえば、SF版『サトラレ』と言ったところでしょうか。今の若い子は『サトラレ』って知らないかもしれませんね。心の中で思っていることが外に聞こえちゃう架空の病気になった人の話です。元は佐藤マコト先生による漫画なんですけど、2001年に安藤政信主演で映画化、2002年にはオダギリジョー主演でテレビドラマ化されています。
この映画では、ニューワールドという惑星において、"ノイズ"という形でその症状というか影響が出てしまう設定。しかも、ノイズは『サトラレ』のそれよりもパワーアップした形になっていて、思っていることが声だけでなく、イメージとしても他者に伝わってしまうんですよ。だから嘘はつけないし、ちょっとエッチなことを考えようものなら、そのイメージが具現化されて外に出るため、妄想相手にも見られちゃう。まったくもって誰も得しないっていう(笑)そして、なぜか男性のみなんですよ、その影響を受けるのが。
<ノイズの設定が活かしきれていない印象>
設定だけを見れば、割と面白そうな感じですよね。これが『サトラレ』のように、自分の思考が外に出てしまうことによって思い悩むヒューマンドラマ系なら、まだよかったかもしれません。ところが、その設定があまり活かされない普通のSFアクションになっちゃったから、個人的には微妙だなって感じました。
結局、ニューワールドに不時着したヴァイオラを守るための逃避行がメインなんですよ。逃げて、隠れて、最後ちょっと戦って。そこで、ノイズの果たす役割があまりにも少なくてですね。。。むしろ、言っちゃいけないことがどんどん他者に伝わるから、もはや邪魔でしかないっていう。まあ、その思考の具現化を使って、残像みたいなのを作るシーンはあるんですが、どうせならもっとそれを駆使したバトルも入れて欲しかったですね(笑)
<ツッコミどころに気が行ってしまう>
なので、作品の中にあまり入り込めず、ツッコミどころに気が行ってしまうんですよ。この惑星の何がノイズを生じさせるのか。なんで男性だけにしか表れないのか。トッドは今まで一度も女性を見たことがないのに、なぜヴァイオラを好きになれるのか。それに加えて、先住民のスパクルの出番の少なさ、などなど。なので、総じて、中途半端なまま終わってしまったんですよね~。特に、メインの3人は過去に出ていた映画が超大作すぎるがゆえに、どうしてもそれと比べてしまいます。。。
<その他>
唯一見れてよかったなと思ったのが、デイジー・リドリーの金髪姿ですかね。彼女は『スター・ウォーズ』でずっと黒髪だったので、とても新鮮味がありました。
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