デザイナーへお願いする際に考える事
デザイナーに発注したいけど、どう伝えたらいいのかわからない。
発注したけど思っていたのと全く違ったものができあがってしまった。
思った通りのデザインのものができたけど、商品が全く売れない。
ものすごくお金かけたのに評判がよくない。
お金をかけてデザインする意味が分からない。資材屋さんならタダ。
とりあえず作ってもらってそれから修正を考える。
などなどなど・・・・
デザインとは何なのか、どうしたら上手くいくのか。
お金かけたけど上手くいかない。
デザインなんて無駄だ!
そんな声が聞こえてきそう。
私はデザイナーにお願いしたものは大体評判がいいし、出来上がりにも満足している。
でもデザインを頼んだ他の人達に話を聞くと、なんでそんなデザインになったんだ!?とかデザインに関して愚痴を言っている人達もいる。
何故うまくいかないのか
それはデザインというものの認識の違いかもしれない。
先日オンラインセミナーで「デザインを発注する際に気を付けていることは?」と聞かれて例え話をしたのだけれど、その説明がなかなかわかりやすいのではないかなと思ったので、忘れないうちにここに記しておく。
ここでいうデザインとは?
デザインとは人によって認識が違うが、全ての物事がデザインで、表面の見た目だけではなく様々な成り立ち等の事も言う。
しかし今回ここで説明するのは商品のパッケージとか、ポスター・チラシ等の見た目のデザインを発注する際の事と認識してもらったらよい。
デザインを頼むのを洋服を選んでもらうのと同じと考えてみる
デザインを頼むというのは、洋服を選んでもらうという事に近いと思う。
洋服を選んでくれる人が彼女なのか、ファッションデザイナーなのか、色んなパターンがあるが、とにかく自分が着る洋服を選んでもらうというのをイメージしてもらいたい。
洋服を選んでもらう際に「かっこいい服をお願い。」と頼んだとする。
「かっこいい服」
かっこいい服とは何だろうか。
それは人によって違う。
そして何故かっこいい服が必要なのかにもよる。
友人達とキャンプをしに行くときの恰好なのか、初めてのデートに来ていく服なのか、数年ぶりに実家に帰る時の服なのか。
全てにおいてかっこいい服の定義が違う。
また、かっこいい服ではない場合が良い事もある。
かっこいい服を着ていこうと思っても、それが彼女のご両親に初めてお会いする時だと、かっこいいのではなくしっかりとした人間に見せるための服の方が良いかもしれない。
でも彼女のご両親が、「その辺のありきたりな人間にはうちの娘はやらん」という奇抜な考えの方だったら、自分のオリジナリティを少し出した服が良いかもしれない。(そんな人いないか・・・)
地球環境にとても興味を持っている方だったら、地球環境を考慮していると評判のブランドのものを見につけていけば話が弾むかもしれない。
そのご両親がどのような方達で、そしてその方達にどのような印象を持ってもらいたいかで、服装は変わってくる。
だから「かっこいい服をお願い」と言われても、それは何故なのか、そしてその場はどういった場所なのか、どういった印象を持ってもらいたいのか等々、色々聞きださなければならない。
でも服を選んでもらう側が、相手がどういった人達かわからなかったり、どのように印象もってもらいたいかなどをぼんやりと考えているだけだと、服を選ぶ側もどんなものを選んだらいいかわからないのだ。
デザインも一緒だ。
何のためにデザインするのか
自分達は何のためにそれをデザインするのか、それをどのような人にどのように感じてもらいたいからデザインするのか。
もしくはデザインが必要なのか、デザインしない方が伝わる事もある。
デザインされすぎて不快感や不信感を与えてしまう場合もある。
それはどのように表現すればよいか、その対象となる人達がどういった人達なのか、こう表現したらこのように思うだろうなとある程度想像できていないといけない。
業界が違うとその業界事に考え方も違ったりする。
同じようなライバル企業はどのようなデザインにしているのかとか、その業界の中ではどういったものが流行っているのか、その流行りにのったほうがいいのか、それとも流行り廃れ関係ないデザインの方がいいのか。
それは発注側がある程度明確にしておかなければならない。
それを説明できない場合はデザイナーが考えることになる。
何のためのデザインかが明確でないと労力がかかる
「ん--よくわからないから、とりあえずデザインしてみて。」
こんな発注者最低である。
全ての下調べをデザイナーに頼むのだから、労力は膨大になり、金額も膨大にならないとやっていけない。
それなのに軽い感じで「じゃあちょっとやってみますね!」なんて軽く作りますと言ってくるデザイナーも要注意だ。
それはどんな要望だろうとも自分が好きだったり得意なデザインをしようとしているだけかもしれない。
それでは思った通りのデザインにはならない。
どこにでもあるデザインでいいのか
そういったデザインが必要な時もあるだろう。
しかし、そのデザインを見て、なんらかの反応を得なければならないからデザイナーに発注するはずだ。
洋服でも、良く見る流行りのコーディネートでみんな同じような格好だと目立つだろうか?
うもれてしまう。
しかし、高身長の超イケメンがシンプルな服を着ていたら逆に目立って際立つこともある。
つまり中身も大事なのである。
誰がどう見てもイケメンとわかるような物であれば、派手なデザインはいらないかもしれない。
デザインでいうとみんなが良いイメージを持っている会社のロゴマークとかがそれにあたるかもしれない。
そのロゴマークがあるだけで、「おぉ」となるわけだ。
ただ有名な企業のロゴだからこそ「あぁまたあの会社ね。俺は嫌いだ。」と天邪鬼のように嫌う人達もいる。
(私がiPhoneを決して持たないように!)
だからこそどういった人達にどのように印象をもってもらいたいかというのが大事なのだ。
信頼できるデザイナーかどうか
一番はここだと思う。
そのデザイナーはどのようなデザインが得意で、どのような分野だと上手く行けそうなのか。
自分達と相性が良さそうかどうか。
私達のお店の商品は今まで4人のデザイナーに発注している。
【参考記事】
会社の核となるロゴデザイン。
お洒落なスタイリッシュなデザイン。
子供達を想像するほがらかな柔らかなデザイン。
世界観をださなければならないデザイン。
こういった事を考えて誰に頼むといいかなぁとなるわけだ。
「いいですよやりますよ!」と格安ですぐに上げてくれるデザイナーはもしかしたら、他社でも同じようなものを同じように提案しているデザインだったりするかもしれない。
(たちが悪いのは、公共のデザインとかで有名だからとか他もやってるから、実績もあるからとお願いするパターン。Webサイトとかもだけれど、隣町とほとんど同じで、それでいてべらぼうに高い金額請求されてて、これはどうやって違いだそうとしているんだい!と簡単に騙されている役所とかもあるから腹立たしい)
デザインをお願いする際に考える事
例えば私が商品デザインをお願いする際に何をかんがえているかを列挙してみる。
どういった商品なのか
どういった方達に手に取ってもらいたいのか
現在その商品を買っている人達はどのような思考なのか
売り場ばどのような売り場なのか
販売価格はいくらくらいになるのか
どうすれば他の商品よりもこの商品を気に入ってくれそうか
シンプルに欲しい!と思ってもらえそうか
このような事を考えながら、疑問が出たら相互に修正し、これだったらいけそう!という考えまで落とし込む。
だから時間がかかる。
私はお店をつくる際も、コンセプトシートのようにA4用紙1枚、2枚にまとめて、それを関わる人全員と共有する。
山猫瓶詰研究所を作る際は昭和50年くらいの「注文の多い料理店」の本を全員に共有して、この本を読んでからこの世界観を出すために提案してほしいと話している。
事細かなデザインの発注はしていない。
そして「この商品売れますか?」と聞かれても即答できない。
何故ならそれをどのようにどんな人たちにどういった場所で販売していくかもきいていないからだ。
聞いたとしてもその分野を知らなければ、調べるまでにかなり時間がかかる。
特産品コンクールなどで賞をとったのに売れないという話もよく聞く。
それは恐らく、商品の説明を聞いて審査員は「良い!」と判断しているのに、それを評価してくれるマーケットにむけて販売していないか、そのマーケットがないのか、単に営業が足りていないかではないかと思う。
審査員の方達が評価してくれてるのだから、それをしっかりと表現できれば必ず評価されるはずだ。
そんな事言われても中々わからない、自分達だけでは無理だという場合は、最近商品開発の依頼も多くなってきた私達へご相談ください。
商品開発について依頼がある場合は下記お問い合わせの「会社情報」へどうぞ。
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