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2021年版荘子素読

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今回使用したテキストは岩波文庫金谷治版です。 『荘子』と云う本は、「内篇七篇」「外篇十五篇」「雑篇十一篇」の三十三篇で構成されています。 その内、荘子本人の著作とされているの「内… もっと読む
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記事一覧

荘子 雑篇 天下篇下 第三十三

吉成学人(よしなりがくじん)

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この篇では、春秋戦国時代に活躍した思想家たちの思想が紹介されています。
かなり独特な主張をしていた人たちが多く、現代読まれている中国古典とはだいぶ異なる思想を展開している人が多いです。

この篇の最後には、「恵施」と云う思想家が紹介されます。
彼は、「弁者」(論理学派)として様々な命題を掲げます。
彼ら、「弁者」は弁舌をもとに人々を説得しようとしますが、心からの服従は得られませんでした。
それが恵

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荘子 雑篇 天下篇上 第三十三

吉成学人(よしなりがくじん)

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この篇は、荘子に収録されている最後篇です。
内容は、春秋戦国時代を生きた思想家たちの評論です。
古代中国の思想家と云えば、孔子や老子、孫子などが有名ですが、他にもたくさんの思想家やその教えを信奉するグループが存在したようです。

この篇に出てくるのは、「墨子」と云う人物で、「人々を広く愛し、平等に利益を分かち合い、戦争に反対し、他人に腹を立てない」と云う教えを説いていたようです。
また古代の聖王・

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太平記 第三巻 笠置合戦の事 2

吉成学人(よしなりがくじん)

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この章では、後醍醐天皇が籠城した笠置山での合戦を描いています。
天然の要塞なので、なかなか幕府側も攻め落とせなかったようです。

荘子 雑篇 列御寇篇下 第三十二

吉成学人(よしなりがくじん)

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この篇では、荘子の亡くなる直前の様子が描かれています。
荘子が臨終の時に、弟子たちは彼を厚く葬ろうと決めます。
しかし、荘子は反対します。
荘子は、天と地の間を棺桶とみなし、太陽と月を一対の宝石とし、空の星星を子玉とし、万物を葬儀の贈り物と見立て、もう葬儀のための道具はすべて揃っていると述べます。
弟子たちは、荘子の体が鳥についばまれてしまうことを心配している、と述べます。
それに対し、荘子は、地

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荘子 雑篇 列御寇篇上 第三十二

吉成学人(よしなりがくじん)

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この篇のタイトル「列御寇」とは人の名前のようです。

荘子 雑篇 漁父篇 第三十一

吉成学人(よしなりがくじん)

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この篇では、孔子と漁師の老人との対話が収録されています。
孔子が弟子とともに旅をしている途中、漁師の老人と遭遇します。
孔子は彼が聖人だとわかり、教えを請います。
弟子たちは孔子のあまりのへりくだりっぷりに、怪訝な態度を示しますが、孔子は老人が「道」を備えた人物なのだから、敬うのは当たり前だ、と諭します。

荘子 雑篇 説剣篇 第三十

吉成学人(よしなりがくじん)

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この篇は、趙の国の恵文王に荘子が剣をもとに、政治を説くと云う話です。
もっとも、冒頭の文章で「昔」としるされているので、荘子本人の著作ではないようです。

趙の文王は剣術を好んでいました。
剣術が好きなあまり、都には三千人以上の剣士が客人として住んでいました。
王は日夜、剣闘を鑑賞し、死傷者は毎年百人以上出ましたが、王は剣術をやめられませんでした。
そのせいで、とうとう国の国力は衰えてしまい、周囲

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荘子 雑篇 盗跖篇下 第二十九

吉成学人(よしなりがくじん)

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この篇では、無足(貪欲の擬人化)と知和(適度な調整をわきまえる者)の対話が収録されています。
この対話では、和知の方が説得力があります。

荘子 雑篇 盗跖篇中 第二十九篇

吉成学人(よしなりがくじん)

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この篇の説話は荘子の思想とだいぶ隔たりがあります。
快楽主義を肯定するような内容がみられます。
例えば、孔子の弟子である子張と満荀得(少しでも獲得して満足すると云う意)と云う快楽主義者の対話が収録されています。

荘子 雑篇 盗跖篇上 第二十九篇

吉成学人(よしなりがくじん)

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この篇のタイトルにある「盗跖」とは、古代中国の伝説の大泥棒だそうです。
ただ、本文をみると、泥棒と云う盗賊の頭のようです。
この篇では、その盗跖と孔子の対話がみられます。
最も、孔子が盗跖に儒教の教えを説こうとして、逆に論破される話です。
盗跖の云っている内容は、快楽主義的で、荘子の思想とはだいぶ異なります。
金谷治は、後世の作品と述べています。

荘子 雑篇 譲王篇下 第二十八

吉成学人(よしなりがくじん)

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この篇では、政治に対する不信感のようなものがみられます。
王さまから位や官位を与えられても、拒む人たちが出てきます。

荘子 雑篇 譲王篇 第二十八上

吉成学人(よしなりがくじん)

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どうやらこの篇は、後世の人が作った偽作とされています。
収録されている説話が『呂氏春秋』など他の書物と被るからだそうです。

荘子 雑篇 寓言篇 第二十七

吉成学人(よしなりがくじん)

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この章では、『荘子』の文章表現の特色を述べています。
「寓言」とは、「直言しないで他のことにことよせて説くこと」を意味するそうです。
わざわざそんな回りくどい表現をするのは、世間の人々は自分と違った意見に耳を貸さないからだ、と述べています。

荘子 雑篇 外物篇 第二十六下

吉成学人(よしなりがくじん)

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この篇では、短い寓話が出てきます。
宋の国で、親に死なれた男性がいました。
喪に服し、食事を取らなかった結果、体がすっかりやせ衰えました。
国は、彼を孝行者と称賛し、爵位を与え、役人に取り立てます。
それを聞いた男の出身の村では、親が死ぬたびに、男のように食事を取らないで喪に服した結果、命を落とす人が半分も出たそうです。