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「ジェリーフィッシュは凍らない」は「21世紀のそして誰もいなくなった」の評価を裏切らなかった!!!【感想】


MASAです。

2019年も半分が終わろうとする中、

Twitterでは#2019年上半期ベスト10

なるハッシュタグが使われて自分の中でのベスト10を決めた矢先、

とんでもないミステリを読んでしまいました!!!

それがこちら

ジェリーフィッシュは凍らない/市川憂人

これがすごい面白かったんです!!上半期ベスト10を選考しなおしたいくらい!!

めちゃくちゃテンションが上がったので、紹介やあらすじ、感想などを綴っていきたいと思います。


目を引く帯

まず最初に帯に目が行きました。「21世紀のそして誰もいなくなった」ってあるんです。

「そして誰もいなくなった」と言えば、アガサ・クリスティーの代表作ともいえるような、傑作です。世界中のミステリ小説の中で、一番売れた小説だとか。

「そして誰もいなくなった」と言えば、孤島(=クローズドサークル)に集まった人たちが一人、また一人と殺されていくミステリ小説。

それの21世紀版と言われるだけで、様々な想像がはかどります。

この帯だけでいろいろな想像ができて期待が膨らみました。


第26回鮎川哲也賞受賞作!!!

この、「ジェリーフィッシュは凍らない」という小説、第26回鮎川哲也賞の受賞作なんですね。

鮎川哲也賞とは………

東京創元社が主催する新人文学賞で創意と恕熱があふれる推理長編を募集する文学賞である。

とあります。つまり、新人ミステリ作家の登竜門とでも呼べる賞であり、面白さは保証されているのではないでしょうか。

過去の受賞作を見てみると、私の読書ライフを変えた「体育館の殺人」や映画化が決定している「屍人荘の殺人」など、本格ミステリで有名な小説も数多く輩出しているようです。

そんな鮎川哲也賞の受賞作である今作、

期待できないはずがない!!!

そう思ってページをめくっていきました。

ここであらすじを見てみます。

あらすじ

時は1983年。

US国では小型飛行船、ジェリーフィッシュの飛行試験が行われていた。

ジェリーフィッシュの特徴は「真空気嚢」を用いた最先端の飛行船であり、当時の飛行船よりもサイズの小型化に成功していた。

そんなジェリーフィッシュの飛行試験のためにジェリーフィッシュに乗り込んだ6人の開発部のメンバー。


何事もなく終わるはずだった飛行試験の最中に事件は起こる。

開発メンバーの一人、サイファー教授が吐物をまき散らして死んでいたのだ。博士は常に常備薬を服用していたため、当初は薬の投与が間に合わず、発作によってなくなった事故だと考えられた。

しかし、

「首に引っかき傷があったこと」「助けを求めるように廊下に出ようとしたこと」

これらの点が発端となって、博士は何者かに毒殺されたのではないかと開発メンバーは考えるようになった。

お互い疑心暗鬼になる開発メンバー。

彼らの不信感に拍車をかけるかのように、突如としてジェリーフィッシュは制御不能となり、雪山に不時着する。幸いにも無事だったメンバーは、雪山からの自力下山が不可能だと知り、助けが来るのを待つことにした。


場面は変わって数日後、雪山ではジェリーフィッシュが全焼した状態で見つかった。乗組員は全員死亡。さらにジェリーフィッシュの残骸はUS国の軍部に持ち去られてしまう。

A州F署の刑事、マリアは部下の九条漣とともに事件の捜査にあたることになった。

謎が多い!!!!

いかがでしょう??

今のあらすじの中でも気になる点は二点です。

・不時着からジェリーフィッシュ発見までの数日の間に何が起こったのか
・軍部はなぜジェリーフィッシュの残骸を持ち去ったのか

それに付随して犯人はジェリーフィッシュ船内にいたのか、
船内にいたなら犯人はどうやって雪山から脱出したのか、
ジェリーフィッシュが制御不能になったのはなぜなのか、

など挙げればきりがありません。

私はワクワクしてページをめくる手が止まらず、本の数時間ですべて読み終わってしまいました!!

まとめ

このような形で簡単にですが、「ジェリーフィッシュは凍らない」を紹介させていただきました。

自分の表現力の低さを悔しく思うくらい、まだまだこの作品の魅力を伝えきれているとは思えません。さらに、まだまだここでは書かなかった(かけなかった)たくさんの魅力が詰まっています。刑事のマリアと漣の関係性もその一つで、彼女たちのやり取りは暗くなりがちな殺人事件の現場を明るくしてくれました。

・次に読んでみるミステリを探している

・本格ミステリが大好き

・飛行船のような、SFチックな設定に興味がある

・「21世紀のそして誰もいなくなった」を体感してみたい

そんな方たちにぜひおすすめの一冊です。


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