アイネクライネ

#8 そっと聞こえる「出会い」の音楽

こんにちは!
毎週月曜日開館に引っ越しました【Vivid Books】へようこそ!

今日は僕が最近ハマっている伊坂幸太郎さんという作家さんの、「出会い」をテーマにした連作短編集をご紹介します。

目次
1.今週の一冊
2.内容
3.学び・気づき
4.さいごに

1.今週の一冊

タイトル:アイネクライネナハトムジーク
作者:伊坂幸太郎
出版:幻冬舎、2017(単行本版は2014)


2.内容

この本は、「アイネクライネ」「ライトヘビー」「ドクメンタ」「ルックスライク」「メイクアップ」「ナハトムジーク」の6章に分かれている短編集となっています。

しかし、それぞれの章で、他の章のつながり(ネタバレにならないように控えめに表現しておきます)が見える表現、場面がちりばめられていて、読み進めて「ん?これ…」ってなって前のページを見返して、「ああ、これね~」っていう反応を繰り返していく感じで読んでいきました。

そして最後の「ナハトムジーク」でいろいろつながっていくという。

主人公もそれぞれの章にいたり、主人公が2人交互に出てくる章もあったりで、本当にどんな話か伝えづらいんですけど、、、

とにかく、「人ってこんな意外なところでつながってるんだ」ってことを思い出させてくれて、明日の「出会い」にワクワクできる本です!


ちなみにタイトルの「アイネクライネナハトムジーク」は有名な音楽家モーツアルトの曲にもありますが、ドイツ語で「ある(アイネ)、小さな(クライネ)、夜の(ナハト)、曲(ムジーク)」という意味らしいです。

第1章「アイネクライネ」にこんな登場人物のやり取りがあります。

「さっきの、出会いの話だけど、結局、出会いってそうゆうものかなあ、って今、思ったんだ」
「そうゆうものって、どうゆうもの」
「その時は何だか分からなくて、ただの風かなあ、と思ってたんだけど、後になって、分かるもの。ああ、思えば、あれがそもそもの出会いだったんだなあ、って。これが出会いだ、ってその瞬間に感じるんじゃなくて、後でね、思い返して、分かるもの」
「小さく聞こえてくる、夜の音楽みたいに?」
「そうそう」
(p.33より引用)

このように、「出会い」が「小さく聞こえてくる夜の音楽」、つまり「アイネクライネナハトムジーク」に例えられてるんです。

もうなんか、その表現にただただ圧倒されました。


3.学び・気づき

今日は、なぜこの本を読もうと思ったのか、

というか、最近の本の選び方についてここでお話しておきます。


僕は大学4年間、ほとんどキャリア関係の本、教育関係の本、自己啓発・ビジネス本、その他学問書を読んできましたが、今年2019年になってからは小説を読みたいという感じになってきています。

では、読む小説をどう選ぶかなんですが、だいたい、①最近話題の本を読む②知り合いのオススメの本を読む③昔読んだ本やそれに関連する本を読む、の3パターンになります。

今回は③昔読んだ本やそれに関連する本を読むのパターンで、たしか高校生のころに伊坂幸太郎さんの「バイバイ、ブラックバード」という本を読んでいて、当時あまり内容が理解できなかったけど、その世界観のタッチに魅力を覚えていたという感覚が今でも残っています。

当時なぜこの本を手に取ったのか覚えてはいません。

しかしこの本の記憶がきっかけで、伊坂幸太郎さんの本を読んでみたくなり、今回の「アイネクライネナハトムジーク」をはじめ、数冊の作品をまとめて買いました。

なので最近は伊坂さんの本や、伊坂さんの本を探す中で見つけた話題の本・面白そうだと思った本を読んでいる、という感じですね。

ただ、僕は作品の世界に浸りたい派なので静かで集中できる場が必要ということもあり、なかなかうまく読み進めることができません。

ビジネス本や学問書は要点読みできるますし、予備知識があるものならバンバン速読して1日に2冊くらい読めるんですけどね(笑)。


読みたい本はどんどんたまるけど、時間が。


4.さいごに

さて、今日はあまり本の内容を詳しくお伝えすることはできませんでしたが、途中で引用した表現などから作品の雰囲気や世界観を感じ取っていただけたらなと思います!

恋愛的な「出会い」を描いた作品かと思いきや、友愛的な「出会い」を描く作品感が後半になるにつれ増していく。

「出会い」とは何か?

この本では哲学的にガッツリ考えるのではなくて、まさに音楽を聴くような感覚で、読んでみてほしいです。


次の定期投稿は水曜日【キャリアデザイン学超入門#11】です。
それではまた。


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