羊と雲の丘眺望羊群れ2

かわいい芽

士別にある多寄町という地域の小麦を使った焼酎に、
「恋し羊」(こいしよう)がある。

東日本大震災をはさみ
商品化まで5年ほどの時間を要した
この焼酎づくりに、
私はハルエちゃんと一緒に
ラベルデザインで参加させていただいた。

まずはお話を聞くところから。
そう思って向かったのは、
生産者さんのところだ。

「恋し羊」の原料になる小麦「春よ恋」(はるよこい)は、
初雪のちょっと前に種をまく。
やがて厚くつもる雪の下で、
ちいさな芽が顔を出すのだ。

生産者さんはぽつりとこんなことを言った。
「その芽がね、とってもかわいいんですよ。」

生産者さんの表情は
ちいさなこどもの話をするお父さんみたいに、
これ以上ないってくらいにやわらかにやさしかった。

こんなに思いを込めて育てたら
作物はちゃんとその思いを受け止められるだろうな。
素直にそう信じられた。

そして、がぜんやる気が出てきた!!

ハルエちゃんも私も、
素人だけどできるだけいいラベルを作ろうと頑張った。
すると、酒造会社さんも、印刷屋さんも、役所の担当者さんも、
すごくこだわっていい仕事をしてくださった。

いいものはいいエネルギーをつくることができる。
もともとその力を備えている。

この商品は発売に向けて
長きに渡って動いてきたみなさんの力でてきたもの。

最後の最後で加わらせてもらっただけだけど、
それでもそれはしみじみとよくわかったことだった。

いい仕事をしたければまず、
いいエネルギーを意識した方がいいと思う。
素材のよさとチームの健全さとか、
なにより自分のコンディションとか。

それがそろえば
コントロールしようとしなくても、
仕事は勝手に育つ。

あとはそれに身を任せていくだけで、
私たちの想像なんかはるかに超えたスケールで。

◎鯨井啓子 info

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