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7月に読んだ本

7月に読んだ本。言い訳しておくと、夏はすごく苦手なので昨年の読書記録を見ても、小説は一冊だけしか読めていない。
今年は見事に絵本や児童書、詩ばかり。
とにかく何か読んでおこうという気持ちはあるのだけれど。

・恋の日記 ヒロコ・ムトー
・ひかりのいと 銀色夏生
・蜜蜂と遠雷 恩田陸
・夏の森 銀色夏生
・あかいふうせん ラモリス
・大切な一日 岸田衿子
・トゥース・フェアリー ピーター・コリントン
・うみからきた人 立原えりか
・微笑と微睡み 泉由良
・うみいろのばけつ 立原えりか
・ばらいろのもり 立原えりか
・琉球の伝説集 石川文一
・イッツ・オンリー・トーク 絲山秋子

まず、銀色夏生さんの「ひかりのいと」「夏の森」、岸田衿子さんの「大切な一日」、ヒロコ・ムトーさんの「恋の日記」は詩集である。
詩を書いているので勉強のため、というのもあるけれど、詩を読むのが好きで、ときどき声に出して読んでみたりする。
岸田衿子さんの詩に、カゼクサというのが出てきて、調べてみたら「あぁ、この草のことか、知ってる知ってる」と納得した。
こっちでは全然見ないけど、昔はたくさんあった。そもそもイネ科の雑草がこちらにはあまりない。懐かしい草は全部、イネ科だなぁと思いながら雑草の本を開いたりした。
少し昔の世代の人の本を読むとこういうことがあるから嬉しい。
忘れていたけれど、ちゃんと思い出せる。引き出しにまだ入っているのだと思える。

「あかいふうせん」は昔から好きな映画で、短いモノクロのフランス映画。セリフはほとんどなく、色もふうせんだけ赤と青がつけてある。
絵本は、絵がいわさきちひろさん、文は岸田衿子さん。
これに関しては映画のほうがやっぱり好きだった。文字のない世界を文字にする難しさをひしひしと感じる。

「トゥース・フェアリー」は知人から勧めてもらった本。絶版なので図書館で借りた。字は一切なく、読み手の想像力に依存するこの本。とにかく絵が素晴らしいと思う。フェアリーも人も、決してかわいらしく書かれているわけではないけれど、作者の持つ世界観に圧倒される。こういう本は流行らないんだろうけど、再販してほしい。最初から最後まで強調して描かれている木の名前が気になって妹に聞いたら、
「マロニエだよ」と返ってきた。おぉ、これがマロニエ、と感動。トチの葉に似ていると思っていたら、西洋トチとも言うらしい。
日本にも割とあるけど、大きくなるので街路樹には向かないだろうと妹は言っていた。なるほど。

「うみからきた人」「うみいろのばけつ」「ばらいろのもり」は立原えりかさんの本。立原えりかさんはイソップ童話やアンデルセン童話の訳をしている、というイメージが強くて、どんな童話を書かれるのだろうと思いながら、読んだらすごく好きな感じだった。
安房直子さんもいいけど、また違う感じ。これも絶版。
いろんなことが思うままにならなかった時代のお話、今の子どもたちが読んだらどんな反応をするのか、興味深い。

「琉球の伝説集」これも古本。何となくピンときて購入したけれど、大正解。沖縄や宮古島の民話は割と少ない。民俗学に興味があるので、あちこちにちりばめられた文化や風習が当時の生活を浮き上がらせているのがおもしろい。
どこの国、どこの地域にも共通するのはあるし、島独特のものもあり、丁寧に読み方も書いてあり、(フリガナがないと絶対に読めない)、説明も巻末ではなく都度してあって読みやすい。

「微笑みと微睡み」はこちらの本屋さん、店番の泉由良さんの作品。
当日はお会いできなかったけれど、中身も装丁も個性的な本。
前衛的なようですごく昔のような、無国籍な感じが独特の余韻を残してくれる。どうやったらこんな文体が生まれるのだろうと思いながら読んだ。

「蜜蜂と遠雷」は、だいぶ前から友人が勧めてくれていた本。二冊に分かれているその分厚さについつい手が伸びなかったのだけれど、今、読む方がいいなと思い、本を開いた。
自分も昔、音楽を勉強していた時期があったので、なんとなく読むのが怖かったのもある。やっぱりところどころでグサグサと刺さってくるものがあった。忘れていたいろんな感情が蘇ってきて、渦を巻いた。
「読んでよかった」と勧めてくれた人にメールした。勧めてくれなかったら一生読まなかったかもしれないから、感謝。

「イッツ・オンリー・トーク」絲山秋子さんの作品だから、いいだろうと思って読んだけれど、やっぱりよかった。この人の作品は、読みはじめたら止まらない。小説の世界は本当にいいなと思わせてくれる。自分には書けないと思うからいいと思うのかなぁ。どうなんだろうか。
表現もセリフも本当に好き。福岡に勤務しておられたことがあるらしく、福岡の方言を話す人物がよく登場するのだけれど、必ずいい人である。方言、使えるのが羨ましい。わたしも関西弁以外で書いてみたい。

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