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針路【エッセイ】六〇〇字

 早大のオープンカレッジ「エッセイ教室」。先週土曜日から夏講座が、スタート。国のリーダーの頭の中は五輪に支配され、全ての政策が迷走している。講座も継続できるのか、この先不透明だ。その中、最初のお題が、「針路」。教室の他のみなさんは、「しっとり」系の作品を出してくるだろう。が、私は、またまた、悶絶、悩んだ。結果、「日本の針路」しか浮かばなかった。「5本に1本は書かないと、“筆が腐る”」と、私らしく政治ネタに決めた。
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 無党派層率、総選挙の棄権率、共に50%弱。今回の都議選の棄権率が、60%弱。多くの「民草」は、政治的ニヒリズムに陥り、筏に乗って、大海を漂っているようだ。
 「アベノミクス」とやら。「豊かさ」に繋がったのだろうか。少なくても実感はない。反して、格差がさらに、拡大している。加えて、「モリカケ・サクラ・公文書隠し・改竄」などの、政権の隠蔽体質。官邸主導が招いた官僚の「忖度」。あろうことか、給付金詐欺。
 霞が関をめざす学生が、昨年度、14%減少したという。労働環境がブラックな上、この無様な姿では、魅力に感じるはずがない。
 与党政治家や官僚に留まらず、最近の三菱電機の検査不正問題。他も、成長を金科玉条に、不正やデータ改竄が後を絶たない。日本全体に、政界の疫病が伝播しているようだ。
 戦後復興・高度成長・バブル、そして低成長期が続き、(国では3位だが)一人当たりGDPは、30位。人口も来世紀には、5,000万人になる予測。環境問題も待ったなし。成長を求めた結果、1%の超大富豪の富は、全体の半分という格差を生み、99%に過重労働を強いてきた。昭和な我々と違い、若者は、自家用車よりも、ゆとりを求める。そろそろ、「成長」から「真の豊かさ」に、舵を切る時だ。
 羅針盤や海図は、憲法と同じく正常だ。異常なのは、日本丸の「舵取り」ではないか。

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