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2019年に読めてよかった記事&本 (Top5)

2019年もあっという間に年末。
独立して3期目となるこの1年は、「編集者としてこんな仕事したいな…」というものが、Webメディアもそれ以外でも、少しずつ現実になってきたかなぁと思っています。

(まだまだ動き始めたばかりのものも多く、2020年は仕込んだものをちゃんと届けていかねば、という感覚もたっぷりです)

バタバタとする中で、今年はnoteをぜんぜん更新できなかったんですが、せめて今年の記録を残しておくべく、印象に残ったWeb記事と本をそれぞれ5つずつピックアップして締めたいと思います。

↑去年書いたnote、改めて読むと「せや、こんな記事あった!」ってなるので、残しといてよかったなと思います。(去年の自分ナイス。。)


2019年に読めてよかった記事Top5

ではまず、Webの記事から5つ。媒体から1つ、というルールを勝手につくって挙げてみました。

・誰もが"人生の主人公"になりたい時代。僕の使命はそんな人たちを巻き込み、写真で「考える化」させること——写真家・鈴木心さん | PR Table Community

PR Table Communityは、(個人の興味嗜好が近いこともありますが)読み応えある記事がすごく多い。辻愛沙子さんのインタビューと少し迷いましたが、この記事は特に鈴木さんの思考・思想そのものも、それを引き出す構成・編集もとにかくすばらしかった。僕的には、すべての記事の中で今年No.1です。

誰もがSNSで、今日のランチの写真をアップする時代です。もちろん否定はしません。でも、画像に写った他人のランチにもペットにも子どもにも、本当は誰も興味なんて持っていないと思うんです。他人が本気で「見たい」と思えないような写真が世の中に溢れている、そんな現実を変えたいと思っていて。

(この発言の続きはぜひ本文で。)


・経営者の孤独/ポプラ社・千葉均「宗教を持たない私たちは『哲学の徒』として生きる」 – BAMP

「経営者の孤独」シリーズから、前職の仕事(幼児教育×出版)にも絡む部分で、ポプラ社の千葉さんのインタビューを。『出版業界の人たちには「主語が自分」の人が多い』という発言など、すべての編集者が読むべき記事だと思いました。ただBAMPは今、メディアの感じがすごく変わってしまって残念。この記事も公開されたときの形が良かったなというのが正直なところです。


・“ 昇進 ”した彼女はなぜ——プレイヤーに戻った決断と、組織内コミュニケーションにおける「鍵」 | 株式会社CRAZY(株式会社クレイジー) | CRAZY,Inc.

CRAZY MAGAZINEは、CRAZYに関わる個人の魅力を伝えるオウンドメディアでありながら、そこに直接関係ない読み手にも発見があるのが毎回うまいなぁと思っています。このインタビューは、話し手側・編集側の双方の熱量がめっちゃ伝わってきました。「自分に過剰に付属品をつけてしまっていた、と。自然と同じように、人もありのままでいいはずなのに。」の言葉にハッとさせられます。キャリアの考え方としても、いろいろと気づかされる記事。


・「生活のルーティン」になるコインランドリー。Baluko Laundry Placeが提供する“居心地のいい”空間 | XD(クロスディー)

編集・執筆として僕も関わっているXD。事業の本質を捉えた、良いインタビュー記事が多いと思うなか、個人的にすごく好きだったのがこちら。作り手の想いが語られていることはもちろん、コミュニティの創出としての、サービスそのものの可能性にも注目してます。コインランドリーにカフェがあったら、子どもの布団洗いながらゆっくり遊んで過ごしたい。
(なお、XDでは年明けに、これまで編集したなかでも会心の記事が出るので読んでください…!笑)


・放出系を習得してから、自分が具現化系だと判明しました。修行をやりなおすべきでしょうか?|深津 貴之 (fladdict)|note

これだけ、だいぶチョイスのトーンが違いますし、そもそもWebメディアでもないんですが、どうしても入れたかった記事です。noteのアップデート&成長も目を見張るなか、こういう記事がさらっと書ける深津さんって本当にすごすぎる。キャリア論としての本質とユーモアが絶妙にマッチしてて、HUNTER×HUNTERファンはもちろん、多くの人に読んでもらいたいと思いました。


2019年に読めてよかった本Top5

だいぶ記事に熱が入ってしまいましたが、ここからは書籍。

・「みんなの学校」から社会を変える: 障害のある子を排除しない教育への道 | 木村 泰子, 高山 恵子

2015年公開の映画本編を実はまだ見る機会がないのですが、この本だけでもすごく気づきが多いです。子育て、保育、インクルーシブ教育、地域コミュニティの可能性など、関心がある人はぜひ手にとってほしい(対談形式ですごくわかりやすい構成になっています)。「変わるべきは大人」なんだな、と改めて突きつけられます。


・経営者の孤独。 | 土門 蘭

記事の方でも紹介しましたが、内容は重複ではないので(本はもう少し以前の記事の収録です)、こっちでも挙げさせてもらいました。内容として一番好きなのは、クラシコム佐藤さんへのインタビュー。どの記事においても、書き手である土門さんが、対談を通じてインタビュイーとの関係性や視点を変化させていく、その描き方がすごく好きです。


・「ついやってしまう」体験のつくりかた 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ | 玉樹 真一郎

「スーパーマリオ」に始まる名作ゲームを題材にして、「どういう状況に置かれることで、人は次に向かって“つい”行動を取ってしまうのか?」がわかりやすく解説されてます。終盤の『「スタートに戻る」モチーフ』には、結構衝撃を受けました(内容はぜひ本書にて)。本自体を読む体験にも、紙の書籍ならではの構造を活用していて、本当にうまいです。


・FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣 | ハンス・ロスリング, オーラ・ロスリング, アンナ・ロスリング・ロンランド

年始に話題になった書籍。個人としては、すべての質問が意外性あふれるものだったわけではなかったんですが、それでも自分が「世界のどの部分をどう切り取っているのか」が浮き彫りになる本だなと思いました。特に先行きへの不安感が強い日本においては「フラットな目線」を持ちづらくなるので、なにが事実でなにがそうでないのか、この本を頭の片隅に置くことは重要かなと思います。


・白銀の墟 玄の月 十二国記 | 小野 不由美

小説はなかなか読む量が減ってしまったのですが、10・11月に出た十二国記の4巻(18年ぶりの新作!)は寝る時間を削って読みました…。絶望と希望のジェットコースターがすごい。長く引っ張ってきたエピソードが1つ完結したので、今後はどうなるかがちょっと気になるところです。まだ誰とも語れてないのが悲しい…誰か。。
(ちなみにあと語りたいのは、森博嗣、原田マハ、上橋菜穂子)


振り返ると、今年は特に本を読む量が結構減っちゃったかなぁという気がしています。無理に多読しないと決めてたけど、やっぱり積ん読が増えてしまうのが難しい。来年はもう少し読みたいな…そしてもちろん、いい記事をちゃんと届けていきたいです。がんばろう。
では、よいお年を。

@masashis06

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