定本ハピネス・トラップーマインドフルに生きたい人のための心理療法ACT入門ー
幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない?
この本は、『幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない』の改訂版だ。ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー:アクト)という心理療法/考え方について、一般向けに書かれている。「幸せの罠」とはどういうものなのか、わかりやすく教えてくれる。
こんなふうに受け入れて(アクセプタンス)、自分にとって価値のあるものに関わる(コミットメント)ことについて、やわらかく書いてくれてて面白い(引用した部分は少し堅苦しいけれど…)!
フュージョンと「体験の回避」
でも、わたしたちはときどき、思考や感情に支配に意識を集中して、他のことが目に入らなくなる。そうして支配されてしまうことを、フュージョンという(p27)。
そして、そんな状態を避けようとしたり追い出したりしようとする(アルコール、ジャンクフード…その他いろんなもので)。これが、すべきことの先延ばしなどにつながる。こういう抵抗を、体験の回避という(p28)。
でも、これらの方法は…
自分がやりたいことってなんだろう
そんなフュージョンと体験の回避じゃない方向に向かうには、どうすればいいのか。ここで「価値」というものを提案してくれる。
目標ではなく価値をもつと、「私たちのあらゆる行動はより多くの意味を持ち、より満足のいくものになる」(p290)。今の私がどんな感じでいられるか、ということに心を配ることが大事。そんなヒントがいろいろ記されてる。
私、もうがんばらないです
そんな、価値に基づいて過ごすことが、この心理療法でいうコミットメントだ。でも…
将来じゃなくて、今の自分がどんな感じでいたいか。ぶれながら、不安定に、辻褄が合わなくなったりしながら、価値を大事にすごす。好きな人、好きなもの、好きな私のため。
そんな、弱くて素敵な姿を教えてくれる一冊。
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