中国で生まれ、現在はカナダのヴァンクーヴァーを拠点とするアーティスト、ユー・スー。筆者が彼女のサウンドに触れたきっかけは、2016年にGeneroからリリースされたアルバム『AI YE 艾葉』だった。サウンドコラージュとローファイな音質が特徴の心地よいアンビエント作品で、多彩なアレンジや複層的シンセ・サウンドなど多くの魅力で溢れている。
ここ最近の音楽シーンを見ていると、《イタロ》の観点から興味深いと感じる動きが多いのに気づく。ヤング・マルコ主宰のレーベルSafe Tripは、『Welcome To Paradise』シリーズ(2017〜18)で古のイタロ・ハウスを蘇らせた。サウス・ロンドン出身のシンガーであるジェシー・ウェアも、『What's Your Pleasure ?』(2020)でナンバー・ワン・アンサンブルあたり
サウス・ロンドンの5人組ロック・バンド、シェイム。彼らが2018年にリリースしたデビュー・アルバム『Songs Of Praise』は、あらゆる情動が渦巻くエネルギッシュな音楽でいっぱいだ。性急なグルーヴを生むバンド・アンサンブルはささくれ立った緊張感が漲り、それでいて紡がれるメロディーは親しみやすいものばかり。“One Rizla”や“Friction”などは、ライヴハウスで観客とシンガロ