音楽レヴュー 2

77
ノート

Charli XCX『Charli』

2017年12月、チャーリーXCXが発表したミックステープ『Pop 2』は傑作だった。キラキラとしたメタリックな電子音に、クセが強い過剰なヴォーカル・エフェクト。そのサウンドはあらゆる時代に属さず、さまざまなジャンルに囚われない奔放さであふれている。特に好きな収録曲は“Lucky”だ。徐々に元の歌声が変調し、ラストに機械仕掛けの絶叫が響きわたるという構成は、エモーションとテクノロジーを結合させる斬

もっとみる
言葉では表せないお気持ち、サンキューです!
7

808 State『Transmission Suite』

イギリスのマンチェスターで結成された808ステイトは、30年以上の活動歴を誇るテクノ・ユニット。UKダンス・ミュージック・シーンのパイオニアである彼らの遍歴を振りかえれば、輝かしい功績を知ることができる。1988年のデビュー・アルバム『Newbuild』では、当時イギリスを席巻していたアシッド・ハウスを鳴らし、多くの後続アーティストに影響をあたえた。なかでも、エイフェックス・ツインは自身が運営して

もっとみる
初めての方は初めまして。そうでない方はいつもありがとう!
9

Cassie Rytz『Starts Here』

1年ほど前、グライム・シーンのMCを紹介するYouTubeチャンネルCrescoSMGにアクセスした。3分程度の動画を再生しては、次の動画に進むの繰りかえし。正直、そのときは大した収穫を得られなかった。キャシー・ライツというMCを除いて。
 ライツはサウス・ロンドンを拠点に活動するラッパー。男性支配が根強いグライム・シーンに迫ったBBCのプログラム、『Galdem Sugar』に参加するなど、18

もっとみる
言葉では表せないお気持ち、サンキューです!
4

SuperM(슈퍼엠)「SuperM」

SuperM(슈퍼엠)は、SMエンターテインメントのイ・スマンが新たに作りあげたグループ。SHINee、EXO、NCTに所属する7人によって結成され、その豪華さはマーベルのスーパーヒーロー集団アベンジャーズに例えられることも多い。
 ただでさえ実力の高い者たちから選び抜いただけあって、パフォーマンス力は文句なしだ。それは“Jopping”のMVにも表れている。乱れのないフォーメーション、キレとしな

もっとみる
よろしければサポートも。イヒヒ。
5

Sophia Saze『Self - Part 1&2』

ソフィア・セーズは、ジョージアのトビリシで生まれたアーティスト。現在はニューヨークを拠点に、クラブ・シーンで活躍している。政治難民の娘である彼女は、ニューヨークにたどり着くまで多くの国を経たという。そうした生い立ちから自然とアイデンティティーについて考えるようになったそうだ。

 この経験は、2部構成という形のデビュー・アルバム『Self – Part 1』と『Self – Part 2』にも反映

もっとみる
よろしければサポートも。イヒヒ。
3

Manic Street Preachersに見るフェミニズムとジェンダー

筆者はマニック・ストリート・プリーチャーズが好きだ。しかし、そう言うと意外に思われることも多い。フェミニズムに好意的な筆者が、男らしさあふれる彼らの作品を聴くイメージを持てないらしいのだ。
 確かに、ウェールズから出てきた彼らは、マッチョな側面もなくはない。ジェームス・ディーン・ブラッドフィールド、ニッキー・ワイアー、ショーン・ムーア、リッチー・エドワーズの4人(リッチーは途中で離脱してしまったが

もっとみる
その気持ちに心がほろり
5

Manic Street Preachersの『This Is My Truth Tell Me Yours』再現ライヴは、いまの世界に捧げる祈りと警告だ

1998年、マニック・ストリート・プリーチャーズは『This Is My Truth Tell Me Yours』をリリースした。全英アルバム・チャート1位を獲得し、全世界で500万枚以上売りあげた大ヒット作だ。
 彼らにとってこのアルバムは、パーソナルな意味合いが強い。リッチ・エドワーズのバンド離脱という出来事から前進するために作られた、『Everything Must Go』に続く作品だからだ

もっとみる
言葉では表せないお気持ち、サンキューです!
5

Moon Diagrams「Trappy Bats」

ディアハンターのモーゼス・アーチュレッタによる変名プロジェクト、ムーン・ダイアグラムズが最新EP「Trappy Bats」をリリースした。一聴して驚かされたのは、反復の中毒性で踊らせる秀逸なダンス・ミュージックが収められていることだ。
 なかでも、オープニングを飾る“Trappy Bats”は素晴らしい。ひたすら4つ打ちを刻みながら、音色の変化や音の抜き差しによって、踊れるグルーヴを生みだすのだ。

もっとみる
ありがとう!励みになります!!!
6

Kano『Hoodies All Summer』

イギリスのイーストハムで生まれたカノは、グライムをメインストリームに押しあげた功労者だ。2004年のデビュー・シングル“P's And Q's”をアンダーグラウンド・シーンでヒットさせて以降、現在に至るまで存在感を見せつけてきた。
 グライムをあまり聴かない人でも、カノの名前くらいは知っているだろう。2010年のアルバム『Method To The Maadness』にはホット・チップやボーイズ・

もっとみる
あなたのお気持ちに感謝いっぱいです。
7

CLC(씨엘씨)「Devil」

CLCの“Devil”を聴いて、驚きました。「No.1」のリード曲である“No”や、それに続いたシングル“ME(美)”の路線とは異なる、レトロチックなサウンドだからです。しかも、昨今流行りの80'sではなく、60'sの風合いが目立つレトロ。
 そう感じるのは、VOX Continental(ドアーズのレイ・マンザレクなどが使っていた楽器)を想起させるオルガン・サウンドが終始鳴り響く影響もあるでしょ

もっとみる
周りの方にもぜひおすすめを!
4