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「選ばれる会社」になるために人事は何をすべきか?

私が理事を務めている人材開発・パフォーマンスに関するグローバルな組織であるATD(※1)の日本支部(ATDメンバーネットワーク・ジャパン)のスタディグループの一つである「HPI(※2)スタディグループ」では、毎年様々なHRのテーマをHPIという切り口で整理し、提言する活動を行っています。
※1  The Associaton for Talent Development
※2  Human Performance Improvementの略でATDが推奨しているパフォーマンス・コンサルティングモデルです。
 
一昨年のテーマは、この記事でご紹介した「タレントマネジメント」、昨年は「人事のKPI」、そして今年は「人事のリスキリング」を研究テーマとして取り上げ、以下アンケートを実施中です。
2022HPI Study Groupアンケート
(“選ばれる”会社になるための人事のリスキリング)
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSejd0HMPDfqjcYJLDtude1EUy_WXPfUNd8fsyDhfpwhUoRytQ/viewform

「リスキリング」という言葉自体は、ビジネス界ではかなり一般化してきた感はありますが、私の理解する本来的な趣旨に反して、所謂「働かないおじさん」問題への対応として取り上げられていることも多い印象です。

もちろんどういった理由であれ、個々人がスキルを高めていくこと自体はポジティブな取り組みであるものの、やみくもに、「プログラミングだー」「データ分析スキルだー」と騒いでみたところで、リスキリング自体が目的化してしまうのも、とてももったいないと感じています。
 
ということで、我々のスタディグループでは、投資家、顧客、地域社会、求職者などに代表される多くのステークホルダーから"選ばれる"会社になるために、HRとして果たすべき役割、成果、知識・スキルといったものは今後どのようなものになるのか、そしてどのようにリスキルをしていったらよいのかをHPIの知見を交えて考察し、提言したいと考えています。
 
なかなか内容的に難しいアンケートではあると思っていますので、簡単に設問の構成や内容をご紹介いたします。 

「環境認識」に関する設問

まずは、投資家・株主、経営者、顧客、サプライヤ、地域社会、求職者、社員といった様々なスタークホルダーからの期待値に変化を感じているか、という環境認識の設問からスタートしています。

「役割認識」に関する設問

次に、今担っている役割については、Academy to Innovate HR(略称AIHR)(※)が提示しているキャリアマップのカテゴリをベースに設問を設定しています。米国ミシガン大学の教授デイブ・ウルリッチが提供している「戦略人事」に必要な4つの機能に近いです。
※2016年に設立されたHRプロフェッショナルとして必要なスキルをオンラインで学べるオランダの学習機関

出所:AIHR

スキル/知識の状況(現状と将来)

ここでは、「役割認識」と同様にAIHRが提示している、T型人材のモデルやATDのケイパビリティモデルを参考に設問を設定しています。現在の状況とあわせて、将来の見込み(必要となりそうか)の両面で聞いています。

出所:AIHR

上記(スキル/知識ギャップ)の埋め方

上記設問にて認識した「スキル、知識のギャップ」をどういった方法で埋めているかについて、伝統的な学習メソッドであるOff-JTやOJT、自己啓発という選択肢だけでなく、社外コミュニティ、SNS、副業といったソーシャルでの学びの項目も盛り込み、より解像度を高めた設問にしています。 

学習への投資

最後に、学習時間や自己投資についての設問(時間数、費用)を入れています。
 
以上がアンケートの構成です。
アンケートにご回答頂くことで、ご自身のキャリアパスを考えるきっかけにも繋がると思いますので、このテーマに関心がおありの方は、こちらのアンケートにご協力頂けましたら幸いです。(回答頂いた方には後日、報告書をお送りします)
また、今回の調査結果は年末のATDジャパンサミット(12/6~9(予定))で報告予定です。 

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