詩No.105「フィラメント」
扁桃腺の炎症
熱っぽい身体
揺れるオレンジ
薄目で眺める天井
趣味嗜好インテリアの影で劇場
揺れるオレンジ
今夜は早めに消灯
おやすみなさい
掠れる声、壁面で音響
息が苦しくて
グルグルと頭の中に何かがあって
魘されて
邪魔な毛布を蹴飛ばした
額から汗
拭き取ったタオルのごわつき
もう消えたオレンジ
でもグルグルとまだそこにある
ねえフィラメント
あなたに終わりがあるように
この苦しみには終わりがあるの?
ねえフィラメント
また冷めた熱を点すと云うなら
あたしはもう何も要らないの
あたしの終わりは
無いみたい
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