見出し画像

いい国できてる日本を褒める~ましログらし9

1 はじめに



日本はこういうところがよくない。海外のこういうところを見習ったほうがいい。海外の事例に学んだほうがいい……。そんなことをよく日本で耳にしていた。


外気を取り入れることは、空気のこもった部屋にとっては大切なことだろう。しかしそれだけではやっぱり楽しくない。せっかくならこの部屋の空気を他の部屋にも届けたいと思ったことはないだろうか。


真しろは、9ヶ月に渡る渡英修行の中で、「日本だっていい国なんじゃないの?」と思うことがたくさんあった。ストレートな言い方をすれば、留学したからこそ日本が好きになった。


今回の記事では、ひたすら真しろの祖国、日本を褒めようと思う。少しでも日本という国について改めて考えるきっかけにしていただければ幸いである。


2 いい国ポイント1~飯がうまい


日本が世界に誇る文化の1つに日本食がある。世界における日本食の人気は、最近多くのメディアでも取り上げられていることだろう。そして、日本は本当に食に恵まれていることは、英国に来て実感させられる。


毎日白米を食べないと生きていけないそこのあなた。大根の味噌汁が大好きなそこのあなた。筑前煮が大好物なそこのあなた。おいしい食パンを毎日食べたいそこのあなた。ラーメンは1杯500円で替え玉し放題だと思っているそこのあなた……。今書いたことを英国で行おうとするのはかなり困難だということはお伝えしておきたい。


もちろん英国には白米はあるし、ラーメンもあるし、味噌汁や筑前煮は作れなくはないし、食パンもある。しかしいろいろと違いがあるのだ。いわゆる英国で、riceとして売られているのは、インディカ米と呼ばれるパサパサしたお米で、これでおにぎりを作ろうものなら崩れてしまう。ジャポニカ米と呼ばれる日本によくあるタイプのお米は、アジアンストアに行けば手に入るが、値段はかなり高くなるし、インディカ米に比べて品揃えは少ない。また、食パンも売られているが、正直そのまま焼いて食べると何も味がしないので、バターやジャム、チーズを乗せたり、違う物と一緒に食べたりしたほうが良い。また、日本では当たり前に手に入る大根やこんにゃくなどは、こちらではなかなかお見かけしないので、これらを使った味噌汁や筑前煮を作るのは一苦労だ。ラーメンは一杯1000円が普通だしめったにないなんて言われたら、ラーメン好きはどうすればいいのだろうか……。


日本はたしかに食糧自給率が低く、多くの食物を輸入に頼っているのは事実だ。食糧危機に襲われればすぐ自滅するだろう。しかし、日本の食事は本当においしいし、食に恵まれているのもまた事実なのだ。「職」に恵まれていなくとも、「食」に恵まれているのが日本なのだ。


3 いい国ポイント2~交通網がおにすごい!


例えば日本でJR山手線が30分遅れたらどう思うだろうか。きっと世間はかなり混乱するだろう。さらに、JRが1日ストライキをすると言ったらどうなるだろう。混乱どころでは済まないかもしれない。今の2つの事例は、英国ではよくあることなのだ。


日本では電車が全然遅れず、1分や2分の遅れで放送が流れるほど電車の時間は正確だ。時刻表検索の通りに動いていればなんの問題もなく出勤や通学、鉄道旅、旅行などができるだろう。そして、なんといっても、大都市を中心に複雑すぎる交通網が敷かれているので、もし1つの路線が駄目でも逃げ道がいくらでもある。加えて電車の車両も新しい。


しかし英国を中心としたヨーロッパはそうはいかない。時刻表通りに電車が来ないことはよくあるし、ストライキによって電車がキャンセルになることもある。日本のような複雑な交通網はなく、1つの路線が駄目ならかなり遠回りをするか車を使うことになろう。


鉄道好きにとっても、せっかちな人にとっても、時間に追われている真面目な人にとっても、日本は住みやすい国なのかもしれない。裏を返せば、英国の人は、少し電車が遅れたぐらいでは動揺しないし、そもそもそれを知っているから、余裕を持って行動したり、車を持っていたりと、電車に頼らない手段を構築している。どちらがいいかはその人次第になるだろう。個人的なことを言えば、真しろは視覚障害者で、車の運転はできないので、公共交通機関が発達している国に住みたいところだ。


4 いい国ポイント3~電波が強い!




英国はとにかく電波が弱い。地下にいなくても、3Gになってしまうことがよくある。日本では電波の強い場所が多く、少しでも電波が不安定になるとイライラしてしまうかもしれない。これも日本が恵まれていることの1つだろう。


5 いい国ポイント4~日本もバリアフリー?



よく、「海外のほうがバリアフリーは進んでいる」と口にする人がいる。これについて否定はしないけれども、おそらくその主張は、「日本と海外でバリアフリーに対する考え方が違う」と修正したほうが良いのではないかと実際に済んでみて感じた。


なぜなら、英国には点字ブロックはないし、ロンドンの地下鉄は駅が古いのでエレベーターがないこともよくある。電車にはステップが多く、乗るのも一苦労だ。音響信号はあるけれども音が聞き取りづらい。バスや電車の放送が流れないので注意が必要である。


日本では、今書いたようなことが全て保証されていると思われる。東京であれば点字ブロックは至る所にあるし、エレベーターのある駅はたくさんあるし、バスや電車の放送は流れるし、音響信号も増えてきている。


英国の良い点としては、町の人がすぐ声をかけてきてくれることである。日本にいるときに比べて、こちらが援助依頼をしなくても、大丈夫かと声をかけてくれる人は実感として多い。また、スーツケースを持っていて階段を上がれないときは手伝ってくれる人もいる。まとめると、英国はソフト面でのバリアフリーが進んでいて、日本ではハード面でのバリアフリーが進んでいるのではないだろうか。「海外のほうがバリアフリーだから日本には住みたくない」と安易に考えず、いろいろな面から比較が必要な問題だ。


ただ、「アクセシビリティー」という単語に関して、明らかに日本よりも英語圏の国のほうが多くの研究が成されていたり、情報が集積されていたり、反応が敏感な人が多かったりすることは、日本も見習わなくてはいけない点だ。


6 まとめ


人はどうしても他者と比べてしまう生き物で、他者の良いところと自分の悪いところが目に付いてしまうものだ。だからこそ、「日本はこんなところが駄目で、海外はこんなところが良い」となってしまうような気がする。


おそらくその根幹にあるのは、日本人が日本の良いところを知らないからではなくて、日本人が日本の良いところを世界にさほど発信していないからかもしれないと感じた。日本食の良さは海外にも認知され始めているが、実はお寿司やラーメンのイメージばかり付いていて、メロンパンやおにぎり、唐揚げ、ナポリタンなどの大衆的な日本食を知らない外国人も多い。バリアフリーやアクセシビリティーに関しても、日本ではこんな取り組みをしていて、こんなことに困っているといったようなことを英語で発信するとアイデアの交換につながるかもしれない。個人的には、日本の、「鉄ちゃん」と呼ばれる人たちと外国の鉄ちゃんのハブになって、国際的な鉄ちゃん同盟を作れたら楽しそうだなとも思った。


もうすぐ修行は終わってしまうが、日本に帰っても、真しろは、日本の良さを世界に伝えつつ、世界の良さを吸収できる人間になりたいと強く決心したのだった。


7 Song for You


今回紹介する曲は、嵐の、『ココロノソラ』。日本の原風景や日本という国のイメージについて、日本独特のリズムやメロディーに乗せて聞くことができる曲だ。日本と言えば侍とか桜とかお寿司など、いろいろなプロトタイプのイメージがあるだろうが、あなたにとって日本とはどんな国だろう。


ご視聴になりたい方はこちら。


https://open.spotify.com/track/6KyscqnOOVvICNy8eGZG7P?si=cPlmq_7SRLetvzvgwDF1vg


8 おわりに


日本が外からはどう見られているのかを考えるのは意外に面白い。それはすなわち、我々が世界をどう見ているかにもつながる。ゆえに、情報発信と自己肯定感の維持は大切なのだなと、この9ヶ月間でひしひしと感じたので、この記事を書くことにした。また、留学してますますその国が好きになったという人もきっといるだろうが、真しろはますます、祖国を愛する気持ちが強まったので、その気持ちをどうにか形に残す活動を続けていきたい。


それでは今日はこの辺で。Have a nice day!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?