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幻の映画「ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ」というか超レア本「三島由紀夫と一九七〇年」の紹介

ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズという映画を知ってますか?

三島由紀夫の生涯と文学作品を題材にした映画で、

なんと!

監督が「タクシードライバー」「魂のゆくえ」の脚本家、監督のポール・シュレイダーで、さらに驚くところが制作総指揮がフランシス・フォード・コッポラとジョージ・ルーカスなんです。それでそれで、美術を担当したのが、マイルス・デイヴィスのTUTUのジャケットデザインで、日本人で初めてグラミー賞を受賞した石岡瑛子さんです。

さらにさらに音楽を担当したのが、フィリップ・グラスです。

そして!この作品は、1985年度の第38回カンヌ国際映画祭最優秀芸術貢献賞を受賞しました。

俳優陣も凄いです。

主演の緒形拳、祖母役に加藤治子、母役大谷直子。
劇中劇の「金閣寺」に坂東八十助、佐藤浩市
「鏡子の家」に沢田研二、左幸子、烏丸せつこ、李麗仙、横尾忠則、永島敏行、三上博史などそうそうたる顔触れ。

この映画がすごい人達によって作られたことが伝わったところで、この映画の一番の衝撃は、

日本未公開なんです。


どうも、三島夫人が日本公開に反対したようです。
理由は三島由紀夫の同性愛への描かれ方と政治的なこともあったようです。

そういうわけで、幻の映画なのです。

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僕はなぜこの映画を知ったかというと、2010年ころなぜか、ミニマル・ミュージックのフィリップ・グラスにハマって、曲を聴いていくなかで、弦楽四重奏曲第3番「MISHIMA」にであいました。

三島由紀夫自信を現しているかのような張りつめる緊張感の中に、繊細なメロディが流れるとても美しい曲です。

↓これは弦楽四重奏曲版ではありませんが、映画の終わりの方に流れていたものです。

なんでグラスが「ミシマ?」ということで、調べてみたら、映画ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズにたどり着いたのです。

凄い映画だという情報を知ってしまったら、これは観たくなるもので、探してみると、海外から取り寄せないといけなくて、値段も当時3万円くらいしていたんじゃないかな。

それで諦めかけていたときに、

ここもまた衝撃なんだけど、

「三島由紀夫と一九七〇年」という本が出版されたのです。

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この単行本は、127ページで薄い本ではあったんだけど、なななんと!あの幻の映画ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズが付録としてついていたのです。

気になるお値段は、なななななんと!

1200円

もちろんゲットしました。

映画は、1970年、自決の「あの日」の朝、寝室で目覚める三島から始まります。

フラッシュバックで、三島の生涯を、『美(beauty)』、『芸術(art)』、『行動(action)』、そして『文武両道(harmony of pen and sword)』の4つのチャプター(4幕)構成で描いています。

どっちが付録かわからないような薄い単行本の方も、結構内容がすごくて、

板坂剛氏の「ある謎の余韻ーあの年の「事件」について」
板坂剛氏・鈴木邦男氏の対談
「あの狂乱の時代を振り返って」「美しき日本のミシマ」

巻末資料もなかなかのものです。

月刊「噂」より「三島由紀夫の無視された家系」
同誌より「悲愴美に魅せられた作家」
月刊「薔薇族」より「愛の処刑」など、

あの「薔薇族」に榊山保のペンネームで「愛の処刑」が発表されていたんですね。その当時から、三島由紀夫の作品ではないかと噂せれていたようですが、創作ノートが見つかって本当だったことがわかったそうです。

そして!最後の衝撃は、

本書「三島由紀夫と一九七〇年」1200円がAmazonで、中古で19504〜26290円で売られていました。

何かと衝撃が大きい作品でした。

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