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なぜ目標管理を行うのか?

弊社では5月から目標管理のツールとしてOKRを導入しました。そして導入からちょうど1か月が経ち、月イチでの1on1がちょうど先週あったのですが、そこでスタッフの約半数から「なぜ目標管理を行うのか?」「目標とはなにか?」という質問が出ました。

ちなみに、弊社の1on1の方法は以前noteにも書きました。【syuz'gen2.0への道】#03 チームである前にまず個人。弊社の1on1(テンプレ付

導入前にちゃんと目的を説明しろよ、という話なのですが、これはちゃんと言語化しておかなくては!と思いまして、この記事を書いています。

組織によって「目標管理を行う理由」はいろいろだと思います。会社組織としての利益につながるから、スタッフ個人の評価や報酬の指標として、など、経営者のカラーがでるところなのかなとも思います。(目標管理はやらないという組織だってあるとは思いますし。)

弊社で目標管理を行う理由(=私がなぜ目標管理が大事だと思っているか)は、「自分で旗を立て、そこに自力で向かっていく能力が、これからの世界を生き抜くために絶対に必要だから」です。

どういうことでしょう?

2012年に「高年齢者雇用安定法」が改正され、原則、希望者全員の65歳までの雇用が義務化されました。そして2020年3月に更に改正され、70歳まで働き続けられるように環境が整備されつつあります。

みなさんは今何歳でしょうか?仮に30歳としてみますね。(弊社の平均年齢なので。)現在の少子高齢化問題、そして年金問題を考えると65歳で定年退職し、その後年金ぐらし、なんてことはなかなか難しそうですね。現在30歳の人は、70歳頃までは働き続けると考えるほうが自然でしょう。(もしかしたら75歳もあり得るかも。)70歳定年とすると社会人寿命はあと40年もあるんですね。

一方、会社の平均寿命は何年くらいかご存知ですか?アメリカも日本も現在だいたい20年ちょっとです。この平均はコロナ禍前のものですから、おそらく現在さらに短くなり続けていると思います。コロナ禍前に出ていた資料では、2027年には会社の平均寿命は12年にまで縮むと予想されていました。新型コロナの影響で、ずっと早いタイミングでそうなる可能性もあります。社会の変化に対応できない会社は残念ながら淘汰されていくのです。社会の変化が激しくなれば、それだけ会社寿命が短くなるのは自明です。

これらのことから、現在30歳の人は、70歳で定年を迎えるとして、あと3,4回は転職する(当然フリーランス化も含む)ことも意識しなくてはならないのです。現在20代の人は、当然さらに回数が増えます。そして最後の転職が60代、なんてことも普通にありうる時代がやってきます。その時に、それまでのキャリアを生かした仕事に就けるかどうか。

このことを私は強烈に意識しています。

「教育」の過程では、つねに「いつまでに」「何をやるか」が外部から与えられ、それをこなしていれば次のステップに進むことができます。しかし終身雇用がほぼ無くなった現在では、社会に出ると、何十年間という長い社会人生活を伴走し続けてくれる人はいません。基本的には自分ひとりで走り続けることになります。ここで、自分がいつまでに、何をやるのか、どこへ向かいたいのか、自分自身で適切な場所(そうありたい未来)に旗を立て、自分が立てたその旗にむかって努力していくこと、このことこそが業種や職種問わず、非常に重要になると思っています。

旗を立ててはそれを回収し、また次の旗を立ててはそれを回収しているうちに、少しづつ遠くに旗を立てられるようになり、その繰り返しの中で「自分の人生のテーマ」を見つけられるということもあるかもしれません。

また、自分で旗を立て、そこに向かうからこそ、日々の失敗やつまずきが「過程」であることを理解し、乗り越えられるんだと思います。旗を立てること無しに、自分がどこに向かっているのかも分からず、周囲から言われたことで失敗やつまずきが続くと、もうそこから立ちあがれなくなってしまうかもしれません。目的地も分からず、いつ終わるのかも分からず、ただただ歩き続けるのはしんどいです。これが「閉塞感」ってやつだと思っています。現在がどんなに大変な状況でも、少し先に自分で立てた旗を見ているからこそ、歩き続けることができるものなのではないかと思います。

この「自分で旗を立て、そこに自力で向かっていく能力」を鍛えるために、目標管理を行うのです。今、会社でやっている目標管理自体は「練習課題」のようなものだと思っていて、自分の人生のテーマを見つけたときからが本番です。これが弊社で目標管理を行う理由(のひとつ)です。

(実はもうひとつ理由があるのですが、それはまたいつか…)

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