カクテル アメリカーノとカルーセル
日本橋本石町のバープロローグにおじゃましています。
今日のバーテンダーはオーナーの藤本さんです。
葉巻はアップマンのコネスール№1。
隠れた名品だそうです。
軽くスムースに吸える感じですが、リキュールの風味のような甘さが感じられる煙草です。
お酒は3杯目になっています。(1、2杯目のことはまた機会を改めてご紹介しますね)
カクテルのアメリカーノ。
ここのアメリカーノのベースのお酒がすごい!
写真を見てください。
左からマルティニ・エリクシール・キナ(スウィートベルモット)1960年代のもの。
アンティカ・フォーミュラ(スウィートベルモット)現行品
カンパリ(現行品)
カンパリ(1980年代のもの)
普通はカンパリとスウィートベルモットの現行品を1種類ずつで作るのですが、豪華絢爛。
短くなって味わいが濃くなってきた葉巻に合わせるため、レモンはなしで濃い目の味に調整されています。
ソーダで割ったロングドリンクでありながら味わい深いものがあります。
もちろん一般的なアメリカーノよりだいぶ風味が濃いです。
強くなってきた葉巻の味とぴたっと合います。
いやー、すごくいいですねえ。
しかしこのお酒、アメリカーノといいますが、素材はすべてイタリアーノ!
面白いカクテルの命名ですよね。
Wikipediaによりますと、このカクテルはミラノ産のカンパリとトリノ発祥のベルモットを用いることから、当初は「ミラノ=トリノ」と名付けられていました。やがてイタリアを訪れるアメリカ人旅行者がこのカクテルに魅了されるようになり、1910年代にアメリカーノの名称に改められたということです。
イタリアーノがアメリカーノに変化したということなのですね。
そんなことを考えていると、BGMがゴッドファーザーに変わりました。
なるほど、ゴッドファーザーはイタリア系のアメリカ人。このカクテルと同じでイタリアーノが、アメリカーノとなったわけです。
洒落が利いていて、実にこのカクテルと葉巻と相性抜群のBGMです。
ところで、四分の一ほど飲み進んでから写真を撮ると、グラス全体が黄金色に輝いています。グラスの金の縁取りとあいまって幻想的できれい!
グラスはモーゼルのマハラニだそうです。
照明を当てて写真を撮るとやはりお酒の色は赤ですね。こちらもきれいです。
そしてグラスを傾けてグラスの影を映してみると、花と葉を散らしたような模様が浮き出てきました。
回すとカルーセルのように回ります。一瞬、遊園地で回転木馬に乗った子供のころの思い出がよみがえりました。くるくる回る景色。あっ! 父と母が手を振ってくれています。
我に返ると酔いが回ってきています。
懐かしくもムーディーで夢見心地のひとときでした。
玻璃の影かがよふまにま幼き日思ひいでたりあはれそひぬる
次の歌は完全にパクリなのですが……(笑)
かがよふ玻璃の器見るうちに、山上憶良の歌思ほゆれば、ただまねびて……。
しろかねもくがねも玉もなにせむにまされる宝酒にしかめやも
山上憶良のあの有名な歌
しろかねもくがねも玉もなにせむにまされる宝子にしかめやも
この歌の「子」を「酒」に替えたのが、僕のパクリの歌です。
えっ!? なに?? 子を酒に替える??? うわっ! ヤバい!
子を酒に替えるとはヤバいですよね!(笑)
家のことなどまるで顧みない道楽親父という感じになります。(笑笑)
しかしその通りかも知れない。(笑)
まったくその通りで、やはりお酒っていいものなんですよね。
うーん……。 開き直ったらいけないですよね。(笑)
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