松井 浩一

古文作家の松井浩一と申します。令和5年12月に「苔の下道」という小説を出版しました。現…

松井 浩一

古文作家の松井浩一と申します。令和5年12月に「苔の下道」という小説を出版しました。現代の恋愛小説なのですが、本文を古文で書き、その現代語訳を付す構成になっています。古文は和漢混交文以前の中古の文体、源氏物語等の文体を用いています。ご興味のある方はぜひともご一読下さい。

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古文作家の松井浩一と申します。「苔の下道」という現代の恋愛小説を源氏物語などの文体の古語で書きました。

 「苔の下道」は、古語と現代語訳で綴った現代の恋愛小説です。古語は和漢混交文以前の平安中期の文体を用いています。源氏物語、枕草子、蜻蛉日記などの文体です。所々に和歌も織り交ぜておりますので歌物語という形にもなっています。  右ページに古文、左ページに現代語訳という構成にして、双方を参照しながら読み進めることが出来ますので、古文の内容もわかりやすくなっております。  古語は私たち日本人の母なる言葉、お読みいただいたなら、なにか懐かしい感覚とともに、古語の美しい調べ、語感に魅了さ

    • 京都の春 古き宿りは跡なきを 和歌

       都をどりを見る目的で京都を訪れたのですが、ちょうど桜の時期がずれてくれたおかげで、満開の桜を楽しむことが出来ました。  烏丸三条にあるホテルに到着したのは、まだチェックインにはかなり早すぎる時刻でした。とりあえず荷物を預けて都をどりが演じられる祇園甲部歌舞練場まで歩いて向かいます。予約の時間は今日3回目の公演で開演は16時30分です。    途中蕎麦ほうるで有名な河道屋に立ち寄って一杯やりました。河道屋は少なくとも江戸時代元禄の頃から、蕎麦ほうるを作るかたわらで蕎麦屋も営

      • 祇園の屋形(舞妓さんが住んでいるところ)を訪問した話

         先月2月の後半ですが、京都に行ってまいりました。この京都訪問の目的の一つは、自著の京都の書店へのセールスでして、そのことについてはすでに記事にしております。記事のリンクを下に貼っておりますので、僕の自著を売るための、聞くも涙、語るも涙の奮闘ぶりをお読みいただけたらうれしいです。  そしてもう一つの京都訪問の目的は、祇園甲部のとある名門の屋形を訪問することでした。とは言いましても舞妓さん達の生活の場を直接訪れた訳ではなくて、屋形内にあるバーを訪れてまいりました。  祇園の屋

        • 京都まで出張って書店に自著のセールスをした話(^^;

           さてわたくしは昨年12月、自費出版にてめでたく自著「苔の下道」の出版にこぎ着けました。  いちおうは初版3千部という文芸書としてはプロ並みの部数を発行し、売れ残っても発売元の幻冬舎が引き取るという自費出版本としては非常に良い条件で出版ということになったのですが、所詮は自費出版本、作家とは名ばかりで、その実は、本を出したことのあるただの一般人に過ぎません。  新人賞を取ってデビューした作家や有名作家の方々のようなネームバリューが全くない中では、本はなかなか売れるものではありま

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        古文作家の松井浩一と申します。「苔の下道」という現代の恋愛小説を源氏物語などの文体の古語で書きました。

          独り立たむ  和歌

          暮るる空残れる青き影ほのか 天つあはひに木影立ちたり 暮れゆく空 青い残影 遠くに浮かぶ 木のシルエット 独り 立たむ

          独り立たむ  和歌

          玉の緒  和歌

          ささがには玉の緒ならむ白露の はかなくもある光かしこし 雨露を玉と貫く 蜘蛛の糸あまた その光ほのかに はかなくも耀(かが)よう 人の命もかくあるものか その光ほのかに かしこくも耀(かが)よう ささがに~蜘蛛または蜘蛛の糸、蜘蛛の巣      蜘蛛の糸、蜘蛛の網(い)などから、「い」で導かれる「いのち      ⇒命」「いま」「いづこ」「いと」「いとふ」などにかかる枕      詞にもなります。      この歌では「命」を響かせています。 玉の緒~玉を貫き通す紐   

          玉の緒  和歌

          『光る君へ』10話 千年前、逢瀬の後で二人が詠んだ和歌を紹介します。

          逢瀬の後で、藤原道長、紫式部の二人が実際に詠んだ自作の和歌が、今に伝わっているので後ほどご紹介します。 さて、「光る君へ」第10話でついに心身ともに結ばれたまひろと道長。 衝撃的に感動的な回でした。 本当に素敵な場面で、胸がときめきました。 このバックハグ&キスの場面を見ていて思い出したことがあります。 映画「愛と青春の旅立ち」のこの場面です。 少尉に任官して海軍士官の白い制服に身をつつんだリチャード・ギア、かっこよかったなあ。 憧れました。僕もこんな立派な格好いい男

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          居酒屋名店探訪! 門前仲町 魚三酒場 第2回(パロディ百人一首等付きです)

          【門前仲町 魚三酒場 第1回】からの続きです。前回の記事をご覧になっていない方はこの記事の最後にリンクを貼っておりますので、そちらからご覧いただけたら嬉しいです。 さて前回の記事はつまみをオーダーして、酒もビール大瓶に加えて冷やのコップ酒も頼んだところで終わりました。 さてさておつまみの方はどうなったかというと……、出てまいりました。出てまいりました。(^^♪ まずは、じゃーん! べったら漬けとむつの子煮つけ。 厚めに切られたべったら漬けは歯ごたえしっかり、噛みしめると

          居酒屋名店探訪! 門前仲町 魚三酒場 第2回(パロディ百人一首等付きです)

          居酒屋名店探訪! 門前仲町 魚三酒場 第1回(パロディ古今和歌集等付きです)

          今日は久須美さんに誘われて門前仲町の名店「魚三酒場」にやって参りました。 久須美さんはフレンチ、イタリアン、中華、和食、なんでもござれ、年の頃40代半ばの腕っこきのイケメン料理人です。 彼のイケメンで優しげな「ますらおぶり」をお見せ出来ないのが残念です。 お店の外観はこんな感じです。週半ばですが若干並んでいる人がいますね。 我こそは老舗の居酒屋なり! 遠からんものは音にも聞け 近くば寄って目にも見よ! こんな感じで実に堂々とした店構えですよね。 久須美さんが言うには、2

          居酒屋名店探訪! 門前仲町 魚三酒場 第1回(パロディ古今和歌集等付きです)

          町中華名店探訪! 栄龍 下高井戸(パロディ百人一首、古今和歌集付です)

          今日は下高井戸の町中華「栄龍」さんにお邪魔しています。 お店の外観です。 どうです。この「ザ・町中華」にふさわしい佇まい。 先客が一人。何やら定食を食べています。 さて僕は何にしようかな? メニューをねめまわす。ねめまわす。 麺類にしようか? 定食もいいな。餃子は外せないか? 品書きは目うつりにけりなをかしきに我が身時ふるながめせよとて おっと、ここで小野小町をパロッたような歌を詠むとはさすがは古文作家! 素晴らしい歌ですね!  いつもだれも褒めてくれないので、自分で自

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          古文作家 松井 浩一 の面白くてためになる古語と古典文法解説 第1回   「なむ」が終助詞か複合助動詞かによって「来なむ」の意味が変わる話

          ※注意喚起~ここは18禁の場面につながっていくところになります!(笑) 今回取り上げますのは、「来なむ」という言葉(文節)を構成している「なむ」が終助詞か複合助動詞かによって、意味が変わってくる事例です。一見すると同じ言葉なのに意味が変わってきてしまうんです。   この「来なむ」という言葉(文節)を単語に分解すると、  ①「来」+「なむ」   ②「来」+「な」+「む」 の二通りに分解出来ます。 「来」はカ行変格活用の動詞です。 活用を示しますと、未然形「こ」連用形「き」終止

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          これは拙著へのささやかな感想かも知れないが、日本文学の未来にとっては偉大なる第一歩である!! ~かも知れない(笑) 

          先月の1月13日土曜日に僕の母校、世田谷区立松沢小学校、松沢中学校をはじめ関連する赤堤小学校、向陽中学校などなどの卒業生たちが集まって還暦祝いの大同窓会が開催されました。 会場は永田町の星陵会館にありますコリーナ・デラ・ステラ イタリア語で「星が丘」すなわち星陵を意味するビュッフェスタイルのレストランが会場でした。 そして2次会は下高井戸の老舗居酒屋たつみでした。 ここに当日の写真を掲載することは控えますが、皆さん本当に良い年の取り方をされている素敵な方々ばかりでした。

          これは拙著へのささやかな感想かも知れないが、日本文学の未来にとっては偉大なる第一歩である!! ~かも知れない(笑) 

          ドライジンの共演          タンカレーNO.10 とプリマスジン

          今日は下高井戸のバーハリーズにやって来ました。 こちらは僕が普段もっぱら生活をしている下高井戸にあるバーです。 開業は1998年で昨年25周年を迎えました。地元にしっかりと根付いているバーなんです。 そしてここは本格的なオーセンティックバーです。都心ならいざ知らずこのような郊外の住宅地で本格的なバーはなかなか珍しいと思います。 僕はここを普段使いさせていただいております。何と言っても徒歩圏内にこのようなしっかりとしたバーがあるということは、本当に幸せなことです。 下高

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          酒場 吉野家一度はおいで (^^♪

          酒場 吉野家一度はおいで (^^♪ 吉野家よいとこ~♪  一度はおいで♪  草津よいとこ~♪ のパクリの歌を口ずさみながら、とある冬の日の午後遅 く、やって参りました下高井戸吉野家です。 今日は居酒屋としての利用です。なにも飯を食うだけがここの楽しみ方では ないですよ。 席に着いて、まずは瓶ビールを注文します。 そしておもむろにメニューを手に取って、さてさてすみずみまでねめまわ す。ねめまわす。ねめねめまわす…… まずはこのひと時が楽しいんですよねぇ。

          酒場 吉野家一度はおいで (^^♪

          わが家の庭の雪中梅

          先日2月5日月曜日は夕方から夜中にかけて首都圏にも雪が降りましたね。 僕の実家の庭にもだいぶ雪が積もりました。 古い家で、庭も十分には手入れされていないのですが、雪がその庭の荒れて いる跡をうまく隠してくれました。 庭には一対の梅の木があります。 向かって左が白梅、右が紅梅です。 ちょっと尾形光琳の紅白梅図屏風みたいな構図でしょう。 僕はあまりそのようには感じていないのですが、今年は暖冬なのですかね?  白梅の咲くのが早かったです。すでに八分咲きです。 とは

          わが家の庭の雪中梅

          カクテル アメリカーノとカルーセル

          日本橋本石町のバープロローグにおじゃましています。 今日のバーテンダーはオーナーの藤本さんです。 葉巻はアップマンのコネスール№1。 隠れた名品だそうです。 軽くスムースに吸える感じですが、リキュールの風味のような甘さが感じられる煙草です。 お酒は3杯目になっています。(1、2杯目のことはまた機会を改めてご紹介しますね) カクテルのアメリカーノ。 ここのアメリカーノのベースのお酒がすごい! 写真を見てください。 左からマルティニ・エリクシール・キナ(スウィー

          カクテル アメリカーノとカルーセル