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ベジタリアンの友人から教わったこと

最初に申し上げておくと、私自身はベジタリアンではありません。
日本でベジタリアンやヴィーガン志向の人に出会ったことがなく、以前は身近に感じたことがありませんでしたが、オーストラリア留学中にできた友人の何人かはベジタリアンでした。

彼らが普段どんなものを食べて、何に気を遣っているのか?いつからベジタリアンになったのか?彼らから教わったことと、自分の考えを綴ってみようと思います。

①ベジタリアンとヴィーガンの違い。では、ハラルとは?


ベジタリアンとヴィーガンの違いはかなり大きいです。ベジタリアン Vegetalianは卵や乳製品などの動物性食品を食べます。生き物を殺して手に入る食べ物(肉や魚)は避けるけど、命に関わらない動物性食品(卵や乳)はいただく、という考え方。
対してヴィーガン Veganは完全菜食主義なので動物性の食品は一切食べません。主なタンパク質の摂取源は豆類となります。
ベジタリアンやヴィーガン志向になる理由は動物愛護の精神だったり、自分の健康のため、また家畜が排出するCO2が温暖化を加速させていること、いずれ地球全体が食糧不足に陥ることを危惧して…などが多いようです。

一方、宗教上の理由で摂取する食べ物を制限している方たちも多くいます。

イスラム教では豚肉の食用が禁じられています。
豚肉を扱っていないことをハラル Halalと言います。
特にフランスにはイスラム教徒が一定数いるため、「Halal」というステッカーが貼られているお店をよく見かけます。スーパーにも「Halalエリア」があります。

ヒンドゥー教には色々あり、肉類を一切食べない宗派と牛肉と豚肉は禁じるが鶏肉、羊肉などは普通に食べる宗派があるそうです。
私の知り合いのインド人夫婦は旦那さんはベジタリアンで奥さんは牛肉と豚肉以外は食べていました。

中東系やインド人の方と食事をする機会があれば、少し気にしてお店選びや食材選びをすると良いと思います。

②ベジタリアンの食事(友人の例)

私がシドニーの語学学校で出会ったチリ人🇨🇱の女子をまず例に挙げます。
彼女は出会った時21歳という若さで自分とほぼ一回り違いましたが(笑)、仲良くしてくれたうちの一人でした。

彼女がベジタリアンになったのは2年前にシドニーに来てからとのこと。
一番のきっかけはオーストラリアでカンガルーが食べられることを聞いてショックを受けたこと。母国でモルモットを飼っており、モルモットが実験に使われることも考えるだけで悲しくなる…と話していました。
彼女は動物愛護を理由としてベジタリアンになったようです。
彼女はヴィーガンではないので、タンパク源としてよくチーズや卵を食べていました。
彼女に教わったハロウミチーズやドライフルーツやナッツ入りのクリームチーズはおいしくて私もハマりました。(日本やフランスで見ないんですよね…)

豆腐をオーストラリアで初めて食べたそうで、「日本には豆腐という素晴らしい食べ物があるのにベジタリアンが少ないのが不思議。」と話しており、新たな視点だなぁと感じました。

私は彼女と仲良くする中で、食事に対する意識が少し変化しました。彼女は他の人が肉や魚を食べていても気にしませんが、一緒に外で食事をするときはベジタリアンメニューがあるか?を事前に確認するようにしていました。巻き寿司などを振る舞うときもベジタリアン用を用意していました。

もう一人、私が5ヶ月ほど住んでいたシェアハウスで一緒だったスペイン人🇪🇸男子の例。
彼も出会った時22歳でしたが、成人してからベジタリアンになったそうです。
母国のスペインよりもシドニーの方が多様な食事をチョイスできるお陰で、ベジタリアンとしての生活は楽だと話していました。
彼もヴィーガンでは無いので、常に冷蔵庫には卵と牛乳を常備。あとジムにも通っていたのでプロテインドリンク(植物由来のもの)を飲んでいました。

彼の大学には中国人の友人が多いらしく、彼はかなり中華料理にハマっており、豆腐を使った炒め物をよく作っていました。
日本食にも精通しており、私とネギや乾燥ワカメ、炊飯器(電子レンジ用)を共有していました。(笑)

彼が教えてくれたのがレンズ豆(Lentil)。
タンパク質が豊富でベジタリアンにとっては欠かせない食材とのこと。それから私もレンズ豆の缶をストックし、スープやカレーなどに入れるようになりました。
レンズ豆はそれ自体の味が強く主張しないので何と合わせても美味しいです。
フランスでもごく一般的な食材です。日本ではカルディで購入できます。

野菜と一緒に炒めた大豆ミートも試食させてくれましたが、私は食感があまり美味しいとは感じませんでした。どうせなら厚揚げのようなものか豆類をそのまま炒める方が個人的には好みです。(調理法にもよるかもしれません)

他には語学学校のオーストラリア人教師の1人は動物保護を目的にベジタリアンを始めたとのこと、またブラジル人の友人は健康、美を保つことを一番のきっかけとして始めたそうです。
私の知る人達は親の影響ではなく、成人してから自分の意思で始めた人が多かったです。(宗教上の理由を除く)

③健康面は大丈夫なのか?


少しネットでリサーチしたところ、ヴィーガンの方がベジタリアンよりもビタミンB12, ビタミンDやカルシウムが不足しやすいそうです。卵や乳製品をしっかり摂取していればある程度避けられるようなので、ベジタリアンの方が栄養面では安心と言えます。
また必須な栄養素はサプリメントで補えば問題ないとのことなので、ヴィーガンでも気をつけていれば不健康になることはないかもしれません。

ただし、子供(特に6歳以下)や妊娠中の女性は出来る限り良質なタンパク質やビタミン類、カルシウムなどの栄養素を摂取した方が良いため、動物性食品も適宜摂取した方が良さそうです。

以下リンクは興味があれば読んでみてください。

④個人的に考えること


そもそも、なぜ自分は動物が大好きなのに動物の肉を普通に食べられるのか?を考えてみました。
小学生の頃、理科の授業で「食物連鎖」について習いました。
その時に見たピラミッドの図をなんとなくずーっと覚えていて、
微生物→分解者
植物→生産者
動物(、人間)→消費者
として食べる、食べられるの関係が成り立っている、動物や人間は死んだら微生物によって土の中で分解され植物の栄養となる…というような理解をしました。
そのピラミッドの図のどこに人間が位置していたのかは覚えていませんが、当時は「そうか、自分達は動物を食べるけど、死後は巡り巡って植物の栄養になるのか…」と思い、人間も生態系の中にいるような気がして、動物の捕食を正当化してきたような気がします。
(それが正しいのかは分かりません。特に日本は火葬なのでどこまで分解されるのか不明…😅)

また中学や高校の家庭科や保健体育の授業でも「血や筋肉を作る肉類をしっかり食べましょう」、「魚には血液をサラサラにする油が含まれており、骨を作るカルシウムも豊富なのででできるだけたくさん魚を食べましょう」と習います。
動物性食品の栄養は科学的に証明されていることですし、人間の成長や体の維持にとってメリットが大きいことは事実です。
私の学生時代には動物の捕食に対する思想について学校や家庭で学ぶことは無かったように思います。
その後成人してからもあまり深く考えずに当然のように肉や魚を食べていました。

私はオーストラリアでベジタリアンの友人達と一緒に過ごしたことによって、"食への向き合い方"について初めて真剣に考えさせられました。
彼らは誰かに指示されることなく、自分で学んで、考えて食を選択しています。それだけでも尊敬に値するよなぁと思います。

それでも私自身は食べることが大好きで生き甲斐みたいなものなので、私もベジタリアンになろう!とは思いませんが、"動物の命をいただいている"という感覚を持って食べるようにはなりました。

日本のマナーとして食べる前に「いただきます」という言葉がありますが、これまでは食事を作ってくれた人へ感謝を込めて言っていました。
今は自分で作ってもその食べ物のルーツを少しだけ意識して、食べ物に対しても「いただきます」を言うようになりました。(恥ずかしながら最近知ったのですが、「いただきます」という言葉にはそういった2つの感謝の意味があるそうです。)

またベジタリアンの食事にも興味を持ち、フランスでもスーパーのベジタリアンコーナーのものを試したりしています。(フランスはオーストラリアよりは少ない印象)
自分達の食事もベジタリアンの日があっても良いと思っています。

ベジタリアン用サモサとファラフェル。オーブンで焼くだけの商品。

写真のファラフェルは付属のヨーグルトソースも含めてめちゃくちゃ美味しかったです。
中東系の料理は豆類中心でも満足できるものが多いので、今後の食事にも取り入れていく予定です。

↓以下の記事に中東料理についても記載したので良かったら読んでみてください。

ちなみにうちの仏人パートナーは仔牛や仔羊は食べません。宗教上の理由ではなく、「気分的に動物の子供を食べたくないから」とのこと。
妙に納得してしまって、私も食べなくなりました。(笑)
ケバブ屋さんだったりHalalのお店だと豚の代わりに仔牛や仔羊をメインに扱う店が多いので、確認してから食べるようにしています。

まとめ

今回はベジタリアンを中心とした"食の選択の多様性"について、外国人の友人の例をとって考えてみました。
私が思っている以上に日本でもベジタリアンは浸透しているんでしょうか?今は義務教育でも習ったりするんですかね?

私自身は肉や魚を食べることが悪いと言いたいわけではなく、それも個人の自由だと思います。
世界には色んな考えや志向を持った人がいるんだなぁと知ることが一つの学びであり、今回の投稿で共有したかったことです。

それぞれが正しい知識を持って自分で考えた上で食を選択できる、また他の人もそれを尊重できるようになると良いですね。

最後まで読んで下さってありがとうございました。

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