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【2019年】お母さんの学びメモ「モヤモヤを匿名で伝えよう~親のためのキャリア教育~」

モヤモヤを匿名で伝えよう ~親のためのキャリア教育~
2019年4月11日(木)尾張旭市渋川福祉センター
講師: 柴田 朋子氏
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講師の柴田朋子さんは、キャリアコンサルタントとして、個人だけでなく企業や行政の研修をおこなったり、大学で学生に講義をおこなったり、一般向けに各種セミナーを開催されるなど、幅広く活躍されている。

その柴田さんが、先日、尾張旭市の小学校で「キャリア教育」の講座を持たれたそうだ。
それを参観していた保護者の方々が、講座の内容に触発されて、後日集まって「振り返り会」をしたらしい。
すると、そこではたくさんの「モヤモヤする疑問」がわいてきたようで、それならそのモヤモヤを直接講師にぶつけて話を聞いてみよう!というのが、当会の趣旨だった。

柴田さんの講座が刺激的だったから、ということはもちろんあるだろうが、それにしても、すぐに掘り下げて、生まれた疑問もそのままにしない行動力(というか学びに貪欲な姿勢)が本当にすばらしい!
主催者の熱さと巻き込み力、それに上手に巻き込まれてくれる仲間たちに感動した。

●予測困難な社会


当会で出されたさまざまな質問に共通するなと思ったのは、これからの世の中は「予測困難な社会」だということだ。
いつだって、一寸先は闇というくらいで、未来のことは誰にもわからないのは当然なのだが、その「わからない」ということに対しての漠然とした不安を皆さんが抱えているのだな、と感じた。
いろいろな専門家が未来予測的なことを言っているが、それは「こうなったらいいな~」という願望が多分に含まれていて、ほんとのところはどうなんだろうか…というのは誰にもわからない。

新学習指導要領では今後10年を見越した教育方針が語られるが、そこで言われているのは「これからの社会は『予測困難な社会』です」ということだ。
国も正直に「もう先のことはわかんないよ」と言っているも同然なわけで、一層「あぁどうしたらいいんだろう…」という思いがふくらんでしまう。
ただその中でもはっきりわかっていることもあって、それは「人口減少が進むこと」、そして「高度成長期はもうこないこと」だ。
わからないことをあれこれ心配しても仕方がない。
まずは、今わかっていることについてどうしたらいいのか、を考えたいと思う。
足元だけを見ていると見える範囲は狭いが、少し顔を上げて周りを見回せば、いろんなものが見えてくる。
子育て中はどうしても視野が狭くなる。
でもちょっと遠くも見て、苦しい思いをしているママたちが「わからないのはみんな同じ」「不安なのは自分だけじゃない」と気付いてもらえるといいなと思った。

●自分の価値観に気づく


会の中で講師が「気付くって大事だよ」とおっしゃっていた。同感だ。自分が気付くことが大事だし、相手に気づいてもらうのも大事なことだ。

たくさんの質問があったが、その中で「子どもが○○で、親としてどうしたらいいでしょうか?」のような子どもの問題をなんとかしたい、という趣旨のものがいくつもあった。
ママたちは気付いただろうか?
それは、本当に子どもの問題なの?本当はママ自身の問題なのかもしれないね。
ママの価値観に合わない子どもの姿が受け入れられなくて、子どもの行動が「問題だ」というふうに見えているのではないかしら。
子どものことで心配、不安、というのは、ママ自身の不安が転化されているのではないかしら。

話を聞いていて、ママが「自分の価値観」に気づけるといいなと思った。
それはちょっとアンテナを高くして、他の人と話したり、ニュースを見たり、本を読んだりして、違う価値観に触れないと気付けない。
世の中にはいろんな人がいるな~(=いろんな価値観があるんだな~)と気付けば、自分の価値観が絶対なのではなくて、いろいろな価値観の中の一つとして見ることができるようになるのではないだろうか。
となると、子どもを見る目も変わってくるし、ちょっと気持ちが楽になるだろうと思うのだ。
この会はいろいろな価値観に触れられる、とてもよい機会になったと思う。

●大人も子どももつけたい力


私も講演などで言い続けているのは、子どもたちにつけてほしいのは「自分で考えて、自分で決める力」だということだ。
講師も同様のことをおっしゃっていて、やはりこれは重要なキーワードなのだと実感した。

「自分で考えて、自分で決める」というのは積み重ねが必要だと考えている。
子どもにその力をつけようと思えば、私たち大人も、意識してその経験を積まなければならないだろう。
経験してわかることがある。ということは、経験しなければわからない、ということでもある。
だから、子どもと一緒に「考える、決める」という経験を積んでいってほしいし、私もそれは意識していきたい。

経験を積み重ねていけば、やがて子どもが自分で考えるようになる。そのときは、その行動を認めてあげて、黙って見守ってあげてほしい。
案外子どもの成長は早くやってきていて、とっくに自分で考えられる力がついているのに、親が「やってあげる」を手放せなくなってしまっていることもある。
親心というのは不思議な魔力があるものだ。
でも、先ほども書いたように「それは子どもの問題ではなく、私の問題なのではないか」と立ち止まって自問できる大人になりたいなと思っている。


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そんなこんなで日ごろ考えていることの再確認ができる有意義な時間だった。
視野が狭くなりがちなママたちが、新しい視点を知ったり、見えていないものに気付いたり、ちょっぴり心が軽くなるような場があるといいなと思った。
地域の中で、こうした小さなコミュニティが生まれることは、とても意味のあることだと思う。
何かできることはないか、ワクワクした気持ちがわいてきた。


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